2級土木施工管理技術の過去問
令和5年度(前期)
土木2 問12
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問題
2級土木施工管理技術検定学科試験 令和5年度(前期) 土木2 問12 (訂正依頼・報告はこちら)
ダムの施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
- 転流工は、ダム本体工事を確実にまた容易に施工するため、工事期間中の河川の流れを迂回させるものである。
- ダム本体の基礎の掘削は、大量掘削に対応できる爆破掘削によるブレーカ工法が一般的に用いられる。
- 重力式コンクリートダムの基礎処理は、コンソリデーショングラウチングとカーテングラウチングの施工が一般的である。
- RCD工法は、一般にコンクリートをダンプトラックで運搬し、ブルドーザで敷き均し、振動ローラ等で締め固める。
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この過去問の解説 (2件)
01
ダムやトンネル工事は専門性が高いため、聞きなれない言葉も多いかと思います。机上の勉強で理解できる用語を増やし、選択肢を減らせるようにしましょう。
転流工は施工のしやすさや工事中の安全を考慮し、ダム本体工事に先立ち川の流れを切り替える作業をいいます。よって設問は適当です。
大量掘削に対応できる爆破掘削による工法はベンチカット工法です。岩盤の斜面が階段状になるようにブルドーザーなどを使用して掘削します。よって設問は不適当です。
コンソリデーショングラウチングとは、コンクリートダムの基礎岩盤について、地表から おおむね5∼10m の比較的浅い範囲を対象に行われるグラウチング(セメントミルクやモルタルを空隙に充てんすること)のことです。カーテングラウチングとは、ダムの基礎岩盤にカーテン状にグラウチングすることでグラウトカーテンを形成することです。コンクリートダムの基礎処理として一般的であるため、設問は適当です。
RCD(Roller Compacted Dam-concrete Method)とは、超硬練りのコンクリートをブルドーザで敷均し、振動ローラで締め固める工法です。よって設問は適当です。
すべて頭に入れるのは大変です。
転流工:本体工事がやりやすいよう、先に川の流れを切り替える
ベンチカット工法:大量掘削できる一般的なダムの掘削工法
ダムの基礎処理工法:コンソリデーショングラウチング、カーテングラウチング
RCD工法:超硬練りのコンクリートを使用。硬いためブルドーザ、振動ローラで施工可能
といった感じでポイントを押さえて覚えましょう。
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02
ダムはまず工事車両を通行させる工事用道路の確保、河川の水を迂回させる転流工、ダム本体工事、ダムの管理設備建設の後に試運転を経て完成という流れになります。
そのうち転流工の種類と掘削の種類、コンクリートの打設方法などが多く出題される傾向にあります。
適当です。
転流工はダム堤体の基礎を掘削する前にその当該箇所の河水を迂回させる工事です。
一般的には施工箇所よりそれぞれ上流と下流の水を土のうなどで締切り、仮設のトンネルを設けて河水を流下させる仮排水トンネル方式が採用されます。
このほかに上流の河川の合流地点を締め切る上流仮締切、下流からの水の逆流を防ぐ下流仮締切などがあります。
よってこの設問は適当であるため、不正解となります。
適当ではありません。
コンクリートダム及びロックフィルダムの本体の基礎掘削は、ベンチカット工法が用いられます。ベンチカット工法は計画掘削面の約50cm手前までは発破掘削による粗掘削を進め、計画掘削面では人力やコールピックなどによって土砂を除去整形し仕上げ掘削します。
ブレーカ工法はパワーショベルなどの建設機械のアームに油圧ブレーカを取り付けて地盤を掘削する工法です。
よってこの設問は適当ではないため、正解となります。
適当です。
重力式コンクリートダムの基礎はカーテングラウチングとコンソリデーショングラウチングの2種類があります。
カーテングラウチングはダム堤体に作用する揚圧力を軽減させる目的のため、基礎地盤内に難透水性のグラウトカーテンを形成するものです。
コンソリデーショングラウチングは地盤の変形性の改良を目的として、ダムの着岩面付近の亀裂を充填し緊密化させるものです。
よってこの設問は適当であるため、不正解となります。
適当です。
RCD工法は面状工法のひとつで、トラックなどで運搬したゼロスランプの貧配合コンクリートを堤体上にてブルドーザなどによって敷き均す工法です。
貧配合コンクリートは超硬練りで薄い層に敷均すことが可能で、3層ほど所定のリフト高さに敷均した後に振動目地切機で所定の位置に横目地を設置してから全体的に敷き均します。
よってこの設問は適当であるため、不正解となります。
ダムの基礎掘削はその範囲が広く大規模なので発破にて大まかに掘削を進めます。
転流工は出題頻度が高いので、よく覚えておくと良いでしょう。
今回の出題の他に、ダムのコンクリート打設方法も出題されます。施工箇所上空にケーブルを張りクレーンにてコンクリートを運搬して打設し、継ぎ目ごとに打設するブロック工法や縦継ぎ目を設けないレヤー工法などがあります。
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