2級土木施工管理技術の過去問
令和5年度(前期)
土木2 問13

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問題

2級土木施工管理技術検定学科試験 令和5年度(前期) 土木2 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

トンネルの山岳工法における支保工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
  • ロックボルトは、緩んだ岩盤を緩んでいない地山に固定し落下を防止する等の効果がある。
  • 吹付けコンクリートは、地山の凹凸をなくすように吹き付ける。
  • 支保工は、岩石や土砂の崩壊を防止し、作業の安全を確保するために設ける。
  • 鋼アーチ式支保工は、一次吹付けコンクリート施工前に建て込む。

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この過去問の解説 (3件)

01

トンネル工事には、シールド工法、TBM工法、山岳工法、開削工法、沈埋工法といった工法があり、ここでは山岳工法について問われています。山岳工法はシールド工法やTBM工法のような特殊な機械を使わず、直接岩盤などを機械や人力で掘削する工法です。工法の特徴を覚え、問題を解いてみましょう。

選択肢1. ロックボルトは、緩んだ岩盤を緩んでいない地山に固定し落下を防止する等の効果がある。

山岳工法は掘削→ずり搬出→コンクリート吹付→ロックボルト打込み→覆工コンクリート打設の順で行います。ロックボルトは地山の崩落や変形を防ぎ、安定した状態で作業を行えるよう施工します。よって設問は適当です。

選択肢2. 吹付けコンクリートは、地山の凹凸をなくすように吹き付ける。

吹き付けコンクリートは、型枠なしで地山の凹凸に密着でき、任意の吹き付け厚に施工できる特徴をもちます。また、吹付コンクリートにより地山の緩みや風化を防ぐことができます。よって設問は適当です。

選択肢3. 支保工は、岩石や土砂の崩壊を防止し、作業の安全を確保するために設ける。

支保工によりトンネル掘削後の地山の崩壊を防ぎ、トンネルの安定を図ります。よって設問は適当です。

選択肢4. 鋼アーチ式支保工は、一次吹付けコンクリート施工前に建て込む。

一次吹付けコンクリート→鋼アーチ式支保工→二次吹付けコンクリートの手順となるため、一次吹付けコンクリート施工後に建て込む、が正しいです。よって設問は不適当となります。

まとめ

トンネルの各工法の施工手順、目的をよく理解しておく必要があります。特に山岳工法は過去にもよく出題されているので、重点的に覚えておくとよいです。

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02

山岳トンネル工法は一般的に山岳部にて使用されるもので、地中に横方向に発破または機械で掘削、その後方で掘削した地山に支保工を施し最後にコンクリートによる覆工を施工します。

支保工は地山の条件や施工方法を考慮し、適切な支保部材を選定した上で標準となる支保パターンを設計します。

選択肢1. ロックボルトは、緩んだ岩盤を緩んでいない地山に固定し落下を防止する等の効果がある。

適当です。

ロックボルトは棒鋼などを地山に挿入するもので、地山と一体となることにより縫付け硬化やはり形成効果、地山改良効果などが発揮されます。

地山の挙動を考慮して配置や長さ、太さ、地山の表面に対し直角に挿入するか斜めに打ちこむかなどを決定します。

よってこの設問は適当であるため、不正解となります。

選択肢2. 吹付けコンクリートは、地山の凹凸をなくすように吹き付ける。

適当です。

吹付けコンクリートは掘削後速やかに地山に密着するように施工することが可能なため、一般的に用いられる支保部材です。

施工方法は地山の掘削後にコンクリート吹付機にて仕上がり面は凹凸が無くなり、厚さが10cm~25cm程度、表面が平滑になるように吹付けます。

よってこの設問は適当であるため、不正解となります。

選択肢3. 支保工は、岩石や土砂の崩壊を防止し、作業の安全を確保するために設ける。

適当です。

支保工は地山の掘削後、掘削面の崩壊を防ぎその後の覆工などの作業を安全に行うために一時的に地山の外圧を支える架設構造物です。

主に掘削面に容易に吹付けて施工できる吹付けコンクリート、掘削面に打ち込むことで地山を安定させるロックボルト、掘削用のドリルジャンボ取付作業台を使用して油圧を利用し建て込む鋼製支保工などがあります。

よってこの設問は適当であるため、不正解となります。

選択肢4. 鋼アーチ式支保工は、一次吹付けコンクリート施工前に建て込む。

適当ではありません。

鋼アーチ支保工は初期荷重を負担する割合が大きいので、地山掘削後に一次吹付けコンクリートを施工して固まるまでの支保を目的とします。

また、先受工の反力受け、落盤及び崩壊の可能性が高い地山の安全対策、ロックボルトなどの協調支保などの効果も発揮されます。

よってこの設問は適当ではないため、正解となります。

まとめ

支保工の手順は地山の掘削後に土砂(ずり)を運び出し、一次吹付けコンクリートを施工後に鋼アーチ支保工を建込んでから二次吹付けコンクリートを施工し、その後ロックボルトを打ち込み覆工を施すという工程となります。

それぞれの工程が地山にどのような影響を与えるかを考えると思えやすくなります。

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03

トンネルの山岳工法における支保工に関する設問になります。ポイントを覚えて確実に押さえましょう。 

選択肢1. ロックボルトは、緩んだ岩盤を緩んでいない地山に固定し落下を防止する等の効果がある。

正しいです。ロックボルトは、緩んだ岩盤を周囲のしっかりとした地山に固定して、崩落や落下を防ぐ役割を果たします。

選択肢2. 吹付けコンクリートは、地山の凹凸をなくすように吹き付ける。

正しいです。吹付けコンクリートは、岩塊の局部的な脱落を防止し、緩みが進行するのを防ぎ、地山自身で安定が得られるようにする作用が主たるものであると考えられています。

選択肢3. 支保工は、岩石や土砂の崩壊を防止し、作業の安全を確保するために設ける。

正しいです。支保工は、トンネル掘削中に地山の安定を確保し、崩壊を防ぐために設置されます。

選択肢4. 鋼アーチ式支保工は、一次吹付けコンクリート施工前に建て込む。

適当でないです。鋼製支保工(鋼アーチ式支保工)は一次吹付けコンクリート施工後に建て込む、が正しいです。

まとめ

トンネルの山岳工法における支保工について、しっかりと押さえていきましょう。

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