建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問28 (建築物の環境衛生 問28)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問28(建築物の環境衛生 問28) (訂正依頼・報告はこちら)

アスベストに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 合成された化学物質である。
  • 胸膜中皮腫の潜伏期間の多くは、20〜50年である。
  • 吸引すると肺の線維化を生じさせる。
  • 肺がんに対して、アスベストばく露と喫煙の相乗作用が示唆されている。
  • 中皮腫や肺がんの発症の危険度は、アスベストの累積ばく露量が多いほど高くなる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

「合成された化学物質である。」が最も不適当です。
アスベストは天然に産出する鉱物性の繊維です。人工的に作られた化学物質ではありません。

選択肢1. 合成された化学物質である。

アスベストは蛇紋石や角閃石など自然界の鉱物が細長い繊維状になったものです。人工合成ではなく天然産です。したがって不適当です。

選択肢2. 胸膜中皮腫の潜伏期間の多くは、20〜50年である。

アスベストばく露から中皮腫発症まで数十年を要することが知られており、20〜50年という幅は実態に合っています。

選択肢3. 吸引すると肺の線維化を生じさせる。

長期ばく露により肺組織が固く厚くなる「じん肺(石綿肺)」を起こします。線維化は代表的な健康被害です。

選択肢4. 肺がんに対して、アスベストばく露と喫煙の相乗作用が示唆されている。

アスベスト単独より喫煙を併せた方が肺がんリスクは大幅に高まることが疫学研究で示されています。

選択肢5. 中皮腫や肺がんの発症の危険度は、アスベストの累積ばく露量が多いほど高くなる。

ばく露量・期間が長いほどリスクが上昇する「用量反応関係」が明確に認められています。

まとめ

アスベストは天然の鉱物繊維であり、吸入すると線維が肺や胸膜に残って長い年月を経て中皮腫・肺がん・石綿肺などを引き起こします。健康被害の重さと潜伏期間の長さから、現在では製造・使用ともに厳しく規制されています。リスク学習では「天然か人工か」「潜伏期間の長さ」「喫煙との相乗作用」の三点を押さえておくと理解が深まります。

参考になった数4