建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問34 (建築物の環境衛生 問34)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問34(建築物の環境衛生 問34) (訂正依頼・報告はこちら)

振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 振動レベルの単位はデシベル(dB)である。
  • 局所振動による健康障害は冬期に多くみられる。
  • 局所振動による障害にレイノー現象といわれる指の末梢神経障害がある。
  • フォークリフトの運転により垂直振動にばく露されることで、胃下垂などが生じる。
  • 全身振動は、垂直振動と水平振動に分けて評価される。

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この過去問の解説 (1件)

01

「局所振動による障害にレイノー現象といわれる指の末梢神経障害がある。」この記述が最も不適当です。
レイノー現象(白蝋病)は、指先の血管(末梢血管)がけいれんして血流が止まり、白く変色・しびれを起こす血管性の障害です。末梢神経が直接傷つくわけではありません。

選択肢1. 振動レベルの単位はデシベル(dB)である。

振動加速度を基準値 (10⁻⁵ m/s²) と比較し、20 log₁₀で表したものが振動レベル dB です。正しい内容です。

選択肢2. 局所振動による健康障害は冬期に多くみられる。

低温で末梢血管が収縮しやすくなり、振動障害(白指症)が悪化するため、冬に症状が出やすいのは事実です。

選択肢3. 局所振動による障害にレイノー現象といわれる指の末梢神経障害がある。

レイノー現象は血管障害であり、神経障害ではありません。これが不適当です。

選択肢4. フォークリフトの運転により垂直振動にばく露されることで、胃下垂などが生じる。

長期の全身垂直振動ばく露は、胃下垂・消化不良・腰痛など消化器・筋骨格の不調と関連することが報告されています。適切な記述です。

選択肢5. 全身振動は、垂直振動と水平振動に分けて評価される。

ISO 2631 や JIS Z 0013 では、z(垂直)軸と、x・y(水平)軸を分けて許容値を定めています。正しい内容です。

まとめ

振動障害のポイントは

局所か全身か(手持ち工具 vs. 乗り物)

影響を受ける臓器(血管・神経・筋骨格など)

評価単位(dB)と軸方向

特にレイノー現象は「血管けいれんによる指の白変」という血管障害であることを覚えておくと、似た問題でも迷いません。

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