建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問38 (建築物の環境衛生 問38)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問38(建築物の環境衛生 問38) (訂正依頼・報告はこちら)

電離放射線による健康影響のうち、確定的影響かつ晚発影響として最も適当なものは次のうちどれか。
  • 不妊
  • 染色体異常
  • 白血病
  • 白内障
  • 甲状腺がん

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この過去問の解説 (1件)

01

白内障が、確定的影響であり、なおかつ晩発影響に当たります。
水晶体は一定量(おおむね0.5〜2 Gy以上)の電離放射線を受けると、数か月〜数年後に混濁が進み視力が低下します。発症にはしきい線量がある(確定的)うえ、潜伏期間が長い(晩発)のが特徴です。

選択肢1. 不妊

卵巣や精巣が高線量にさらされると起こる確定的影響ですが、比較的短期間(数週間〜数か月)で現れるため、晩発影響とは位置付けません。

選択肢2. 染色体異常

生殖細胞の遺伝子にランダムに変異が起こる確率的(確率的=確率論的)影響であり、確定的影響ではありません。

選択肢3. 白血病

がんの一種で、放射線量に比例して発生確率が高まる確率的影響です。確定的影響には該当しません。

選択肢4. 白内障

しきい線量を超えると必発的に発症し、数か月〜数年後に表れるため、確定的かつ晩発影響となります。

選択肢5. 甲状腺がん

甲状腺の組織にランダムな遺伝子変異が生じて発症する確率的影響で、確定的影響ではありません。

まとめ

電離放射線による健康影響は

確定的影響(しきい線量があり、重症度が線量に依存)

確率的影響(しきい線量がなく、発生確率が線量に依存)

に大別されます。
さらに確定的影響は早期(急性期)と晩発に分かれます。今回の選択肢では、白内障だけが「しきい線量あり」「発症まで長期」という二条件を同時に満たしていました。

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