建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問96 (建築物の構造概論 問97)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問96(建築物の構造概論 問97) (訂正依頼・報告はこちら)

建築材料と部材の性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • スランプ試験によるスランプ値が大きいほど、コンクリートの流動性が高いと評価できる。
  • CLTは、挽板を繊維方向が直交するように積層した板材である。
  • AE剤は、モルタルやコンクリートの中に多数の微小な空気泡を均一に分布させるために用いる。
  • 鋼材の引張試験において、破断したときのひずみ度を伸びという。
  • 木材の強度は、幹の半径方向(放射離)、年輪の接線方向、繊維方向(幹軸)の順に大きくなる。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「木材の強度は、幹の半径方向(放射離)、年輪の接線方向、繊維方向(幹軸)の順に大きくなる。」です。

 

この問題は、建築材料や部材の性質に関するものです。

コンクリート、木材、鋼材などの物性や試験方法、加工技術に関する理解は、

建築物の安全性・耐久性・施工性に直結します。

特に天然資源である木材の強度方向は重要です。

材料の構造特性を正しく把握することが、環境衛生管理にも重要です。

選択肢1. スランプ試験によるスランプ値が大きいほど、コンクリートの流動性が高いと評価できる。

正しいです。スランプ試験は、コンクリートの施工時の流動性を評価するための代表的な試験方法です。

円錐台形の型枠にコンクリートを詰めて型を抜き、

崩れた高さ(スランプ値)を測定します。

スランプ値が大きいほど、コンクリートは柔らかく流動性が高いと判断され、

ポンプ圧送や複雑な型枠への充填に適しています。

選択肢2. CLTは、挽板を繊維方向が直交するように積層した板材である。

正しいです。CLT(Cross Laminated Timber)は、

木材の繊維方向が直交するように複数の挽板(ラミナ)を積層接着した構造用パネルです。

繊維方向を交差させることで、寸法安定性や強度の均一性が向上し、

面剛性を持つ構造材として壁・床・屋根などに利用されます。

CLTは木造建築の中高層化を可能にする技術として注目されています。

選択肢3. AE剤は、モルタルやコンクリートの中に多数の微小な空気泡を均一に分布させるために用いる。

正しいです。AE剤(Air Entraining Agent)は、

コンクリートやモルタルに微細な空気泡を均一に分散させるための混和剤です。

これにより、凍結融解による劣化を防ぎ、耐久性が向上します。

特に寒冷地での施工や耐久性が求められる構造物において、

AE剤の使用は重要です。

選択肢4. 鋼材の引張試験において、破断したときのひずみ度を伸びという。

正しいです。鋼材の引張試験では、試験片に引張力を加えて破断するまでの、

応力とひずみの関係を測定します。

破断時のひずみ度、すなわち「伸び」は、材料の延性を評価する指標となります。

伸びが大きいほど、材料は破断前に大きく変形し、粘り強さがあるとされます。

構造物の安全性や地震時のエネルギー吸収に関わるため重要です。

選択肢5. 木材の強度は、幹の半径方向(放射離)、年輪の接線方向、繊維方向(幹軸)の順に大きくなる。

不適当です。木材の強度は、繊維方向(幹軸方向)が最も高く、

次に年輪の接線方向、最も弱いのが半径方向(放射方向)です。

繊維方向は細胞が縦に並び、引張・圧縮に強く、

構造材としての主要な荷重支持方向です。

接線方向は繊維が交差し、やや強度が劣ります。

放射方向は繊維の連続性が乏しく、割れやすく強度が最も低いです。

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