建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第53回(令和5年度(2023年))
問166 (ねずみ、昆虫等の防除 問166)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第53回(令和5年度(2023年)) 問166(ねずみ、昆虫等の防除 問166) (訂正依頼・報告はこちら)

蚊の生態に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
  • 日本のヒトスジシマカは、冬季は成虫のステージで越冬する。
  • アカイエカは、主に建築物内の浄化槽、汚水槽、湧水槽等で発生する。
  • ヒトスジシマカは、ヒト以外にも多種多様な動物を吸血源としている。
  • コガタアカイエカの発生源は小さな水域であり、空き缶や古タイヤ等によく発生する。
  • 同一期間におけるアカイエカとヒトスジシマカの移動距離は、ほぼ同程度である。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「ヒトスジシマカは、ヒト以外にも多種多様な動物を吸血源としている。」です。

 

この問題は、蚊の生態に関するものです。

蚊の種類によって発生源や越冬方法、吸血対象、行動範囲に違いがあることを正確に理解することが重要です。例えば、アカイエカに対しては、屋外の水たまりや植木鉢・ドラム缶の水などに発生しやすい種です。一方、ヒトスジシマカはヒトに限らず、犬や猫、鳥類など多様な動物を吸血源として利用します。このように、種類ごとの正確な生態を押さえることで、効果的な防除が可能となります。

選択肢1. 日本のヒトスジシマカは、冬季は成虫のステージで越冬する。

誤りです。ヒトスジシマカは日本では冬季に成虫ではなく「卵」で越冬します。

寒冷地では成虫が越冬できず、卵で春を待つのが一般的な生態です。

関東地方では、日長が13時間を下回る9月中旬頃から越冬卵が産まれ、春の気温上昇で孵化します。

成虫は寒さに弱く、10℃以下では活動できず冬を越せません。

 

 

選択肢2. アカイエカは、主に建築物内の浄化槽、汚水槽、湧水槽等で発生する。

誤りです。アカイエカは主に屋外の水たまりや植木鉢・ドラム缶の水などに発生しやすい種であり、

建築物内部の浄化槽や汚水槽、湧水槽は発生源として典型ではありません。

選択肢3. ヒトスジシマカは、ヒト以外にも多種多様な動物を吸血源としている。

正しいです。ヒトスジシマカはヒトに限らず、犬や猫、鳥類など多様な動物を吸血源として利用します。

昼間活動するため人の生活圏に近く、媒介する病原体の種類も多いことから、

衛生害虫として警戒されており、その吸血対象の幅広さは生態的特徴です。

 

 

選択肢4. コガタアカイエカの発生源は小さな水域であり、空き缶や古タイヤ等によく発生する。

誤りです。コガタアカイエカは主に水田や沼地など広い水域で発生します。

広い水域(水田、沼地、湿地など)を好みます。

山梨県の調査では、休耕地の窪地に溜まった水から大量に発生します。

 

 

選択肢5. 同一期間におけるアカイエカとヒトスジシマカの移動距離は、ほぼ同程度である。

誤りです。アカイエカはヒトスジシマカより飛翔能力が高く、

長距離移動が可能です。ヒトスジシマカは移動範囲が狭く、比較になりません。

両者の移動距離には明確な差があります。

ヒトスジシマカ:移動距離は数m〜100m程度。主に住宅周辺で活動します。

アカイエカ:200m〜1km程度移動可能。飛翔力が高く、広範囲に分布します。

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