建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第53回(令和5年度(2023年))
問167 (ねずみ、昆虫等の防除 問167)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第53回(令和5年度(2023年)) 問167(ねずみ、昆虫等の防除 問167) (訂正依頼・報告はこちら)

ゴキブリに関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
  • ゴキブリは、集団よりも単独で生活するほうが発育は早い。
  • 8か所に5日間設置した粘着トラップに捕獲されたゴキブリの総数が200匹であった場合のゴキブリ指数は、25である。
  • ゴキブリは食べ物に対する好みがあり、特定のものだけを奥食する。
  • ゴキブリは、危険が迫ると警戒フェロモンを分泌する。
  • 屋内に生息するゴキブリでも、東北地方や関東地方の屋外で越冬できる種類が知られている。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「屋内に生息するゴキブリでも、東北地方や関東地方の屋外で越冬できる種類が知られている。」です

 

この問題は、ゴキブリの生態に関するものです。

ゴキブリの管理には、生態の理解と定量的評価が欠かせません。

ゴキブリ指数のように捕獲数から発生密度を数値化することで、

的確な衛生対策が可能となります。

また、ゴキブリは高い雑食性を持ち、集団生活に適応しており、

フェロモンを通じた情報交換も行います。

環境衛生の維持には、彼らの生態を踏まえた総合的なアプローチが必要不可欠です。

選択肢1. ゴキブリは、集団よりも単独で生活するほうが発育は早い。

誤りです。「ゴキブリは、集団よりも単独で生活するほうが発育は早い」
ゴキブリは集合フェロモンの影響で集団生活により成長が促進されます。

単独ではむしろ成長が遅くなる傾向があります。

チャバネゴキブリの幼虫は、仲間の糞や脱皮殻を摂取することで栄養を得て成長します。

単独飼育では脱皮回数が増え、成長が遅れる傾向があります。

選択肢2. 8か所に5日間設置した粘着トラップに捕獲されたゴキブリの総数が200匹であった場合のゴキブリ指数は、25である。

誤りです。ゴキブリ指数は「1か所1日あたりの捕獲数」を基準とします。

8か所×5日=40地点日で200匹なら、200÷40=5。

よってゴキブリ指数は「5」であり、「25」とするのは1日あたりが考慮されていません。

選択肢3. ゴキブリは食べ物に対する好みがあり、特定のものだけを奥食する。

誤りです。ゴキブリは非常に雑食性が強く、ほぼ何でも食べるため、

特定の食物に偏ることはありません。

ゴキブリは極めて雑食性が強く、食品残渣、紙、石鹸、髪の毛、

フケ、仲間の死骸なども食べます。

台所の油汚れや、浴室の石鹸カス、ペットフード、

さらには段ボールの糊なども摂食対象になります。

 

 

選択肢4. ゴキブリは、危険が迫ると警戒フェロモンを分泌する。

誤りです。 ゴキブリが分泌するのは集合フェロモンや性フェロモンであり、

警戒フェロモンの存在は確認されていません。

集合フェロモンは糞などに含まれ、仲間を呼び寄せる役割を果たします。

危険時の警告行動は視覚や逃避行動によるもので、

化学的な警戒信号は確認されていません。

選択肢5. 屋内に生息するゴキブリでも、東北地方や関東地方の屋外で越冬できる種類が知られている。

正しいです。屋内性ゴキブリのうち、

チャバネゴキブリ以外にクロゴキブリなどは比較的寒冷地にも適応し、

東北・関東の屋外で越冬が確認されています。

寒さに強い種の繁殖力と移動性を考慮すると、

屋外生息も十分に現場的根拠があります。

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