建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第53回(令和5年度(2023年))
問168 (ねずみ、昆虫等の防除 問168)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第53回(令和5年度(2023年)) 問168(ねずみ、昆虫等の防除 問168) (訂正依頼・報告はこちら)

チャバネゴキブリに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 雌成虫は、卵鞘(しょう)を孵(ふ)化直前まで尾端に付着させている。
  • 雌成虫の産卵回数は、一生の間に約5回である。
  • 他の屋内生息性のゴキブリ類と比較して、野外生活性が強い。
  • 幼虫、成虫とも、同じ場所で活動する。
  • 幼虫から成虫となり、蛹(さなぎ)の時期がない。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「他の屋内生息性のゴキブリ類と比較して、野外生活性が強い。」です。

 

この問題は、チャバネゴキブリの生態に関するものです。

チャバネゴキブリは代表的な屋内性ゴキブリであり、その生態は室内に特化しています。

野外では生存できないため、建物内での清掃・温度管理・食材の保存状態が発生状況に直結します。

卵鞘を保持するなどの繁殖戦略を持ち、また蛹を経ない不完全変態であるため、

駆除のタイミングが重要です。

特に飲食施設や病院などでは衛生上の問題を引き起こすため、

早期発見と対策が求められます。

選択肢1. 雌成虫は、卵鞘(しょう)を孵(ふ)化直前まで尾端に付着させている。

正しいです。チャバネゴキブリの特徴的な行動で、

卵鞘を自らの体に保持することで孵化率を高めています。

チャバネゴキブリの雌は、卵鞘を約20日間尾端に保持し、孵化直前に離します。

卵鞘には約30~40個の卵が含まれ、乾燥や殺虫剤から守る役割があります。

殺虫剤で雌が死んでも卵鞘から孵化することがあるため、駆除には注意が必要です。

 

 

選択肢2. 雌成虫の産卵回数は、一生の間に約5回である。

正しいです。チャバネゴキブリの雌は、1回の産卵で30~40個の卵を持ち、

合計150個前後を産卵することから、

5回程度です。

繁殖力が非常に高く、温暖な屋内環境では、

1年で数千匹に増殖する可能性もあります。

選択肢3. 他の屋内生息性のゴキブリ類と比較して、野外生活性が強い。

不適当です。チャバネゴキブリは寒冷に弱く、屋外での生活は不可能です。

他種に比べても野外への適応力は極端に低いです。

クロゴキブリやワモンゴキブリは屋外でも活動可能ですが、

チャバネゴキブリは完全な屋内生息性を持つ種です。

 

 

選択肢4. 幼虫、成虫とも、同じ場所で活動する。

正しいです。チャバネゴキブリは集合フェロモンを使ってコロニーを形成し、

幼虫も成虫も同じ潜伏場所(厨房の隙間、壁裏など)で生活します。

活動時間は夜間が中心で、昼間は狭く暗い場所に潜みます。

 

 

選択肢5. 幼虫から成虫となり、蛹(さなぎ)の時期がない。

正しいです。チャバネゴキブリは不完全変態の昆虫であり、

卵→幼虫→成虫の過程で蛹は存在しません。

幼虫は成虫に似た形状で、脱皮を繰り返して成虫になります。

脱皮後は白く、柔らかい体が数時間で硬化します。

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