建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第53回(令和5年度(2023年))
問172 (ねずみ、昆虫等の防除 問172)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第53回(令和5年度(2023年)) 問172(ねずみ、昆虫等の防除 問172) (訂正依頼・報告はこちら)

殺虫剤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • ブロフラニリドは、既存の各種薬剤に抵抗性を示すゴキブリ集団に対しても有効性を示す。
  • プロペタンホスには、マイクロカプセル剤がある。
  • ピレスロイド剤は、有機リン剤に比べて魚毒性が高い薬剤が多い。
  • 昆虫成長制御剤(IGR)の50%羽化阻害濃度は、IC50値で示される。
  • 有機リン剤の薬量や濃度の増加に伴う致死率の上昇は、ピレスロイド剤に比べてなだらかである。

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この過去問の解説 (1件)

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正解は、「有機リン剤の薬量や濃度の増加に伴う致死率の上昇は、ピレスロイド剤に比べてなだらかである。」です。

 

この問題は殺虫剤の種類ごとの特性、適用対象、薬理作用、製剤形態などの基礎的知識を問うものです。

殺虫剤は使用環境や対象害虫の抵抗性に応じて適切に選定する必要があります。

ピレスロイド剤の魚毒性やIGRの指標など、実務上の注意点が多く含まれており、

特に建築物での薬剤管理に直結する知識が問われます。

薬剤の種類や作用機序、抵抗性への対応を体系的に理解することが重要です。

選択肢1. ブロフラニリドは、既存の各種薬剤に抵抗性を示すゴキブリ集団に対しても有効性を示す。

正しいです。ブロフラニリドはメタジアミド系の新規殺虫成分で、既存剤(ピレスロイド系や有機リン系)に抵抗性を持つゴキブリにも効果があります。

選択肢2. プロペタンホスには、マイクロカプセル剤がある。

正しいです。プロペタンホスは有機リン系殺虫剤であり、蒸散抑制と持続効果のためにマイクロカプセル製剤としても利用されます。ゴキブリやトコジラミの潜伏場所への残留噴霧に適しており、業務用現場で広く使用されています。

選択肢3. ピレスロイド剤は、有機リン剤に比べて魚毒性が高い薬剤が多い。

正しいです。ピレスロイド系(例:ペルメトリン、エトフェンプロックス)は魚類や水生昆虫に対して高い毒性を持つため、水槽や池の近くでの使用には厳重な注意が必要です。ゴキブリ駆除時に水槽の魚が死亡した事例も報告されています。

選択肢4. 昆虫成長制御剤(IGR)の50%羽化阻害濃度は、IC50値で示される。

正しいです。昆虫成長制御剤(IGR)は、昆虫の成長や変態を阻害する薬剤であり、

効果の指標として「50%羽化阻害濃度=IC50値」が用いられます。

これは、対象昆虫の半数が羽化できなくなる濃度を示し、

薬剤の有効性評価に広く使われています。

選択肢5. 有機リン剤の薬量や濃度の増加に伴う致死率の上昇は、ピレスロイド剤に比べてなだらかである。

不適当です。有機リン剤は神経系に作用する強力な殺虫成分であり、

薬量や濃度の増加に伴って急激に致死率が上昇します。

ピレスロイド剤に比べて作用が鋭く、なだらかとは言えません。

 

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