建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第53回(令和5年度(2023年))
問174 (ねずみ、昆虫等の防除 問174)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第53回(令和5年度(2023年)) 問174(ねずみ、昆虫等の防除 問174) (訂正依頼・報告はこちら)

ネズミの生態や防除に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
  • 建築物内のIPMによるネズミ防除は、餌を断つこと、殺鼠(そ)剤を適切に使用すること、通路を遮断すること、の3点を基本として進める。
  • 建築物における維持管理マニュアルでは、生きているネズミが確認されないことをもって「許容水準に該当する」としている。
  • ネズミが活動した際に残す証跡のうち、糞(ふん)、尿、毛、足跡、かじり跡をラブサインと呼ぶ。
  • 家住性ネズミの警戒心は、クマネズミが最も強く、次いでドブネズミで、ハツカネズミは最も弱い。
  • 生け捕りかごなどのトラップを用いたドブネズミの駆除を行う場合、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」の規制を受ける。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「家住性ネズミの警戒心は、クマネズミが最も強く、次いでドブネズミで、ハツカネズミは最も弱い。」です。

 

この問題は、はネズミの防除手法および行動特性に関する基礎知識に関するものです、

特にIPMの三本柱(餌断ち・遮断・殺鼠)を正しく理解しているかが焦点です。

ネズミ防除では物理的・化学的手段の併用が不可欠であり、

法令との関係や行動学的な特徴も理解しておく必要があります。

特に都市環境におけるネズミ対策では、予防的アプローチと早期対応が鍵となります。

選択肢1. 建築物内のIPMによるネズミ防除は、餌を断つこと、殺鼠(そ)剤を適切に使用すること、通路を遮断すること、の3点を基本として進める。

誤りです。IPM(総合的有害生物管理)によるネズミ防除の基本は、

「生息環境の改善」「侵入経路の遮断」「生息状況の把握」「物理的・化学的防除の適正実施」など、

多面的な対策です。餌断ち・殺鼠剤・通路遮断の3点だけでは不十分で、

IPMの本質に反します。

選択肢2. 建築物における維持管理マニュアルでは、生きているネズミが確認されないことをもって「許容水準に該当する」としている。

誤りです。「証跡がない」ことが許容水準とされ、生体の確認は必須ではありません。

許容水準の判定には「生体確認なし」に加え、

無毒餌の喫食なし、黒紙に足跡・かじり跡なしなど複数の条件が必要です。

黒紙調査で足跡が付いていれば「警戒水準」で、

無毒餌が喫食されていれば、「措置水準」の可能性もあります。

選択肢3. ネズミが活動した際に残す証跡のうち、糞(ふん)、尿、毛、足跡、かじり跡をラブサインと呼ぶ。

誤りです。ラブサイン(Love Sign)は俗称であり、

正式には「ラットサイン(Rat Sign)」または「証跡」と呼ばれます。

使い方は、

電線やケーブルに黒いこすり跡(皮脂汚れ)が残っていれば「ラットサイン」です。

食品袋にかじり跡があれば、侵入の証跡となります。

などです。

選択肢4. 家住性ネズミの警戒心は、クマネズミが最も強く、次いでドブネズミで、ハツカネズミは最も弱い。

正しいです。家住性ネズミの中で最も警戒心が強いのはクマネズミで、

環境の変化や新しい物への警戒が顕著です。次いでドブネズミ、

最も警戒心が弱いのはハツカネズミです。

この特性は防除対策の難易度にも影響し、種類ごとの行動特性理解が重要です。

選択肢5. 生け捕りかごなどのトラップを用いたドブネズミの駆除を行う場合、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」の規制を受ける。

誤りです。ドブネズミなどの家住性ネズミは狩猟鳥獣に該当しません。

生け捕りトラップは建築物衛生法に基づくIPMの一環として使用可能です。

ただし、設置場所や掲示義務などの安全配慮は必要です。

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