建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第53回(令和5年度(2023年))
問177 (ねずみ、昆虫等の防除 問177)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第53回(令和5年度(2023年)) 問177(ねずみ、昆虫等の防除 問177) (訂正依頼・報告はこちら)

媒介動物と感染症に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 国内では、アカイエカやヒトスジシマカを含む複数の種類がウエストナイルウイルスを媒介する可能性がある。
  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の原因となるウイルスが媒介されるのは、主として建築物内である。
  • マダニ類は、リケッチアやウイルスを媒介する。
  • イエバエは、腸管出血性大腸菌感染症の伝播(ぱ)に関与している。
  • 動物由来感染症の対策を進める上では、ペットに対する外部寄生虫などへの対応も重要となる。

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この過去問の解説 (1件)

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正解は、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の原因となるウイルスが媒介されるのは、

主として建築物内である。」です。

 

この問題は、媒介動物と感染症の関係性、ならびにその発生環境に関するものです。

媒介動物は昆虫だけでなく節足動物全般に及び、

ペットや人間の生活環境とも密接に関連します。

感染予防には、動物・環境・人の三者の関係を理解し、

現場での衛生管理や防除対策を適切に講じることが重要です。

選択肢1. 国内では、アカイエカやヒトスジシマカを含む複数の種類がウエストナイルウイルスを媒介する可能性がある。

正しいです。国内ではウエストナイルウイルスの自然感染例は確認されていませんが、

実験的には複数の蚊種が媒介可能とされています。

アカイエカは、夜間吸血性で鳥類を好み、

ウイルスの自然宿主である鳥から人への感染媒介が懸念されます。

ヒトスジシマカは、昼間吸血性で人を好み、都市部での媒介リスクが指摘されています。

選択肢2. 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の原因となるウイルスが媒介されるのは、主として建築物内である。

誤りです。SFTSは主に野外に生息するマダニ(例:フタトゲチマダニ、キチマダニ)によって媒介されます。

草むらや畑での作業中にマダニに刺されて、

感染した事例が多数報告されています。

神奈川県では、畑作業中にマダニに刺されて感染した、

初の県内事例が2025年に確認されました。

ペット(特に猫)を介した感染事例もありますが、

屋内感染は「感染した動物との接触」による二次感染に限られます。

選択肢3. マダニ類は、リケッチアやウイルスを媒介する。

正しいです。日本紅斑熱やSFTSなどの病原体を媒介し、刺咬を通じて人へ感染させる危険性が高いです。

ダニは日本紅斑熱(リケッチア・ジャポニカ)やSFTSウイルスなどを媒介します。

日本紅斑熱は、西日本を中心に発生し、刺し口に黒色痂皮ができるのが特徴です。

SFTSは、致死率が高く、ペットとの接触による感染事例も報告されています。

選択肢4. イエバエは、腸管出血性大腸菌感染症の伝播(ぱ)に関与している。

正しいです。イエバエは病原菌を体表や口器に付着させ、

食品や調理器具に運ぶことで間接的に感染を引き起こす可能性があります。

食品工場や厨房での不衛生な環境下で、

イエバエが病原菌を媒介した事例が報告されています。

特にO157などの腸管出血性大腸菌は少量でも感染力が強く、

ハエの媒介によるリスクが高いです。

選択肢5. 動物由来感染症の対策を進める上では、ペットに対する外部寄生虫などへの対応も重要となる。

正しいです。ノミやマダニを介した感染リスクがあるため、

動物管理も衛生対策の一環として極めて重要です。

ノミやマダニなどの外部寄生虫は、ペットを介して人に感染症を媒介する可能性があります。

SFTSウイルスに感染した猫から飼い主が感染した事例が複数報告されています。

ペットの定期的な駆虫やマダニ予防薬の使用が推奨されています。

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