建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第54回(令和6年度(2024年))
問35 (建築物の環境衛生 問15)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第54回(令和6年度(2024年)) 問35(建築物の環境衛生 問15) (訂正依頼・報告はこちら)

騒音とその影響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 騒音の測定において用いられるA特性は、人の耳の感度に近い特性を組み込んでいるものである。
  • 事務室の騒音レベルは、一般に50〜60dBである。
  • 騒音性難聴の初期の特徴は、4,000Hz付近の音に対する聴力低下である。
  • 騒音による永久性の聴力障害がほとんど起こらないのは、1日の曝(ばく)露騒音として等価騒音レベルが85dB以下のときである。
  • 血圧の上昇は、騒音による健康影響の一つとして知られている。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なものは、「騒音による永久性の聴力障害がほとんど起こらないのは、1日の曝(ばく)露騒音として等価騒音レベルが85dB以下のときである。」です。 

この問題は、騒音と健康への影響、測定方法や特性」についての知識を問うものです。

騒音は単なる不快感だけでなく、聴覚障害や生活習慣病の誘因にもなり得るため、ビル環境管理において重要です。

選択肢1. 騒音の測定において用いられるA特性は、人の耳の感度に近い特性を組み込んでいるものである。

正しいです。A特性は、人間の聴覚が周波数によって感度が異なることを考慮して補正を加えたもので、特に40dB程度の音圧レベルにおける耳の感度に基づいています。

選択肢2. 事務室の騒音レベルは、一般に50〜60dBである。

正しいです。事務室の騒音レベルは、一般に50〜60dBです。

選択肢3. 騒音性難聴の初期の特徴は、4,000Hz付近の音に対する聴力低下である。

正しいです。騒音性難聴の初期症状は、4,000Hz付近の聴力低下が特徴です。

これは、「C5ディップ」と呼ばれる典型的な聴力パターンです。

選択肢4. 騒音による永久性の聴力障害がほとんど起こらないのは、1日の曝(ばく)露騒音として等価騒音レベルが85dB以下のときである。

誤りです。WHOのガイドラインでは、24時間平均の等価騒音レベル 70 dB(A) 以下であれば、大多数の人に永久性の聴力障害は生じないとされています。 

8時間平均でも、安全域の上限はおおむね 75 dB(A) 程度とされており、85 dBではリスクが残ります。 

したがって、「85 dB以下ならほとんど起こらない」という記述は誤りです。

選択肢5. 血圧の上昇は、騒音による健康影響の一つとして知られている。

正しいです。騒音は心理的・生理的ストレスとなり、血圧上昇などの健康影響を引き起こすことが知られています。

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