建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第54回(令和6年度(2024年))
問50 (空気環境の調整 問5)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第54回(令和6年度(2024年)) 問50(空気環境の調整 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

熱放射に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 常温物体から射出される電磁波は、波長が10μm付近の赤外線が主体である。
  • アスファルトは、新しい亜鉛鉄板より長波長放射率が大きい。
  • 放射熱伝達式の簡略化では、放射熱伝達率が用いられる。
  • アスファルトは、光ったアルミ箔(はく)より日射吸収率が大きい。
  • 物体表面から放射される単位面積当たりの放射熱流は、絶対温度の二乗に比例する。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なものは、「物体表面から放射される単位面積当たりの放射熱流は、絶対温度の二乗に比例する。」です。

この問題は「熱放射」すなわち、物体から放出される電磁波による熱移動に関するもので、

熱放射の基本法則である「ステファン=ボルツマンの法則」を理解していることが重要です。

この法則は、空気環境制御や放射暖房の設計に用いられています。

選択肢1. 常温物体から射出される電磁波は、波長が10μm付近の赤外線が主体である。

正しいです。常温(20〜30℃)の物体は、主に遠赤外線(波長8〜12μm)を放射します。

これは人の皮膚や建築材料からの放射でも確認されており、建築環境制御の基礎となります。

選択肢2. アスファルトは、新しい亜鉛鉄板より長波長放射率が大きい。

正しいです。アスファルトは黒くて粗いため、放射率(=熱を放射しやすい性質)が1に近く高いです。

一方、亜鉛鉄板などの金属は放射率が0に近く低いです。

選択肢3. 放射熱伝達式の簡略化では、放射熱伝達率が用いられる。

正しいです。放射熱は絶対温度の4乗で求められますが、

実務的には「放射熱伝達率(hr)」を使った線形近似式(ΔT × hr)が用いられます。

選択肢4. アスファルトは、光ったアルミ箔(はく)より日射吸収率が大きい。

正しいです。アスファルトは黒色に近く、太陽光の吸収率が非常に高いです。(0.9程度)

一方、光ったアルミ箔は反射率が高く、吸収率は非常に低いです。(0.08程度)

選択肢5. 物体表面から放射される単位面積当たりの放射熱流は、絶対温度の二乗に比例する。

不適当です。

これは誤りです。放射熱流(E)は、「ステファン=ボルツマンの法則」により以下の式で表されます:

つまり、放射熱流は絶対温度の4乗に比例します。

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