建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第54回(令和6年度(2024年))
問56 (空気環境の調整 問11)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第54回(令和6年度(2024年)) 問56(空気環境の調整 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 1人当たりの必要換気量は、呼吸による酸素の消費量を基準として求めることが多い。
  • 換気回数は、換気量を室容積で除したものである。
  • 局所換気は、室全体ではなく、汚染物質が発生する場所を局所的に換気する方法である。
  • 機械換気は、送風機や排風機等の機械力を利用して室内の空気の入替えを行う方法である。
  • 自然換気の原動力は、建物外部の風や建物内外の温度差である。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なものは、「1人当たりの必要換気量は、呼吸による酸素の消費量を基準として求めることが多い。」です。

 この問題は換気設計の基本的理解に関するもので、実務上も非常に重要です。

実際の必要換気量の基準は

1 換気量は主に二酸化炭素(CO₂)の濃度上昇を防ぐこと

2 臭気や汚染物質の除去を基準にして定められること

が主です。

酸素の消費量は人体にとって重要ではありますが、換気設計においては基準として用いられることはほとんどありませんので、

注意が必要です。

選択肢1. 1人当たりの必要換気量は、呼吸による酸素の消費量を基準として求めることが多い。

不適当です。酸素消費よりもCO₂濃度上昇や室内汚染物質の排出を基準とするのが一般的です。

選択肢2. 換気回数は、換気量を室容積で除したものである。

正しいです。換気回数=換気量(㎥/h)÷室容積(㎥)で求められます。単位は1/hとなり1時間当たりの換気回数となります。

選択肢3. 局所換気は、室全体ではなく、汚染物質が発生する場所を局所的に換気する方法である。

正しいです。全般換気とは異なり発生源の換気です。例として厨房のレンジフードなどがあります。

一般住宅では、お手洗い、浴室、キッチンですね。

選択肢4. 機械換気は、送風機や排風機等の機械力を利用して室内の空気の入替えを行う方法である。

正しいです。機械換気の例として、第三種換気(給気は自然の排気口で排気のみを機械的に行う換気方式)などがあります。

設置方法が容易で、コストが比較的抑えられることから一般家庭でよく採用されるシンプルな換気方式になります。

選択肢5. 自然換気の原動力は、建物外部の風や建物内外の温度差である。

正しいです。風力と温度差により気圧差が生じ、自然な空気流が発生します。自然換気のメリットには、電気代がかからない、

イニシャルコストが抑えられるなどあります。

 

風力換気:風力換気は、建物に風が当たることによって発生する風圧差を利用して、室内を換気する自然換気の一種です。

空気は風圧の高い方から低い方へ流れる性質があり、この性質を利用して室内の空気を入れ換えます。

換気量は、風速が速ければ速いほど増加します。より効率的に風力換気を行うためには、

建物の構造や住んでいる地域の気候の特徴を把握した上で、施工計画を立てることが大切です。

 

温度差換気:温度差換気は、温度差による空気の密度の違いを利用した換気方法です。

冷房の使用によって室内の気温が室外の気温よりも低くなる夏場は、外気が上部から室内へ流入し、

室内の空気が下部から室外へ排出されます。

一方で、暖房の使用によって室内の気温が室外の気温より高い冬場は、外気が下のほうから室内へ流入し、

室内の空気が上部から室外へ排出されます。室内外の温度差が大きければ大きいほど、換気量が増すのが特徴です。

 

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