第三種電気主任技術者の過去問
平成27年度(2015年)
電力 問29

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成27年度(2015年) 電力 問29 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、避雷器とその役割に関する記述である。

避雷器とは、大地に電流を流すことで雷又は回路の開閉などに起因する( ア )を抑制して、電気施設の絶縁を保護し、かつ、( イ )を短時間のうちに遮断して、系統の正常な状態を乱すことなく、原状に復帰する機能をもつ装置である。
避雷器には、炭化けい素(SiC)素子や酸化亜鉛(ZnO)素子などが用いられるが、性能面で勝る酸化亜鉛素子を用いた酸化亜鉛形避雷器が、現在、電力設備や電気設備で広く用いられている。なお、発変電所用避雷器では、酸化亜鉛形( ウ )避雷器が主に使用されているが、配電用避雷器では、酸化亜鉛形( エ )避雷器が多く使用されている。
電力系統には、変圧器をはじめ多くの機器が接続されている。これらの機器を異常時に保護するための絶縁強度の設計は、最も経済的かつ合理的に行うとともに、系統全体の信頼度を向上できるよう考慮する必要がある。これを( オ )という。このため、異常時に発生する( ア )を避雷器によって確実にある値以下に抑制し、機器の保護を行っている。

上記の記述中の空白箇所(了)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
  • (ア)過電圧 (イ)続流 (ウ)ギャップレス   (エ)直列ギャップ付き (オ)絶縁協調
  • (ア)過電流 (イ)電圧 (ウ)直列ギャップ付き (エ)ギャップレス   (オ)電流協調
  • (ア)過電圧 (イ)電圧 (ウ)直列ギャップ付き (エ)ギャップレス   (オ)保護協調
  • (ア)過電流 (イ)続流 (ウ)ギャップレス   (エ)直列ギャップ付き (オ)絶縁協調
  • (ア)過電圧 (イ)続流 (ウ)ギャップレス   (エ)直列ギャップ付き (オ)保護協調

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この過去問の解説 (3件)

01

正しい組み合わせは、(ア)過電圧 (イ)続流 (ウ)ギャップレス (エ)直列ギャップ付き (オ)絶縁協調です。

選択肢1. (ア)過電圧 (イ)続流 (ウ)ギャップレス   (エ)直列ギャップ付き (オ)絶縁協調

(ア)

避雷器とは、大地に電流を流すことで、雷サージや開閉サージといった過渡的な「過電圧」を抑制して、電気施設の絶縁を保護するものです。

(イ)

避雷器は、「続流」という過電圧を大地に逃がすときに発生する電流を、短時間のうちに遮断して系統の正常な状態を乱すことなく、原状に復帰する機能をもつ装置です。

(ウ)

発変電所用避雷器では、酸化亜鉛形「ギャップレス」避雷器が主に使用されます。

(エ)

配電用避雷器では、酸化亜鉛形「直列ギャップ付き」避雷器が多く使用されています。

これは、配電系統の対地静電容量を低く抑えるため、静電容量の小さい「直列ギャップ付き」が用いられています。

(配電系統は非接地系統のため、対地静電容量の影響が大きく、極力小さくしたいためです)

(オ)

電力系統に接続されている機器を、異常時に保護するための絶縁強度の設計は、最も経済的かつ合理的に行うとともに、系統全体の信頼度を向上できるよう考慮する必要があります。これを「絶縁協調」といいます。

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02

下記に解説をしていきます。

 

(ア)過電圧

   避雷器は、【過電圧】を抑制するものです。

 

(イ)続流

   電気施設の絶縁を保護しつつ、【続流】を短時間のうちに

   遮断します。 

 

(ウ)ギャップレス 

   発変電所用避雷器では、酸化亜鉛形【ギャップレス】避雷器が

   主に使用されます。

 

(エ)直列ギャップ付き 

   配電用避雷器では、酸化亜鉛形【直列ギャップ付き】避雷器が

   多く使用されています。

 

(オ)絶縁協調

   異常時に保護するための絶縁強度の設計を【絶縁協調】と言います。

   

選択肢1. (ア)過電圧 (イ)続流 (ウ)ギャップレス   (エ)直列ギャップ付き (オ)絶縁協調

こちらが正しい組み合わせです。

参考になった数1

03

避雷器は雷サージなどの過渡的な過電圧を制限し、サージ電流(続流)を分流する機能を持ちます。

発変電所用避雷器では、酸化亜鉛形(ウ)ギャップレス避雷器が主に使用されていますが、配電用避雷器では、酸化亜鉛形(エ)直列ギャップ付き避雷器が多く使用されています。

接続されている機器類の絶縁強度の設計は、避雷器の制限電圧に耐えれば十分であり、経済的に決定することができます。これを(オ)絶縁協調といいます。

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