第三種電気主任技術者の過去問
平成28年度(2016年)
電力 問25
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問題
第三種 電気主任技術者試験 平成28年度(2016年) 電力 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
汽力発電所のボイラ及びその付属設備に関する記述として、誤っているものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
- 蒸気ドラムは、内部に蒸気部と水部をもち、気水分離器によって蒸発管からの気水を分離させるものであり、自然循環ボイラ、強制循環ボイラに用いられるが貫流ボイラでは必要としない。
- 節炭器は、煙道ガスの余熱を利用してボイラ給水を飽和温度以上に加熱することによって、ボイラ効率を高める熱交換器である。
- 空気予熱器は、煙道ガスの排熱を燃焼用空気に回収し、ボイラ効率を高める熱交換器である。
- 通風装置は、燃焼に必要な空気をボイラに供給するとともに発生した燃焼ガスをボイラから排出するものである。通風方式には、煙突だけによる自然通風と、送風機を用いた強制通風とがある。
- 安全弁は、ボイラの使用圧力を制限する装置としてドラム、過熱器、再熱器などに設置され、蒸気圧力が所定の値を超えたときに弁体が開く。
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この過去問の解説 (3件)
01
発電用のボイラは、蒸発管を通る水を熱する事によって蒸気にしてタービンへ送ります。そして、ボイラの水の循環する方式から、自然循環ボイラ、強制循環ボイラ、貫流ボイラに分けられます。
自然循環ボイラと強制循環ボイラには、蒸気と水を分離する蒸気ドラムがあります。蒸発管で発生した蒸気は水分を含むので、蒸気ドラムに送られて蒸気ドラム内の汽水分離機で水分を分離し、乾き飽和蒸気(水が取り除かれた水蒸気だけの状態)にします。そして乾き飽和蒸気を過熱器でさらに高温にしてタービンへ送ります。
自然循環ボイラと強制循環ボイラの構造はほぼ同様です。ただし、自然循環ボイラが水と蒸気の比重差を利用して水を循環させるのに対し、強制循環ボイラはポンプを用いて強制的に水を循環させる、という違いがあります。
貫流ボイラには蒸気ドラムがなく、長い管からなるボイラです。管の一方から給水ポンプで水を送り、管内を水が流れる間に加熱、蒸発、過熱させ、もう一方から蒸気を取り出します。
2.誤り
節炭器は、ボイラや過熱器などを加熱した時に排出される高温ガス(煙道ガス)の予熱を利用して給水の予熱を行います。廃棄されるはずの熱を利用して石炭(燃料)を節約することから、この名前が付いています。
節炭器は煙道内に設置され、給水を予熱しますが、飽和温度以上に加熱することはありません。
3.正しい
空気予熱器は、煙道ガスの余熱を利用して、燃焼用空気を予熱する熱交換器です。
4.正しい
通風装置は、燃焼用空気をボイラに供給し、燃焼ガスをボイラから排出します。通風方式には、煙突だけで通風させる自然通風方式と、送風機を用いて通風させる強制通風方式があります。一般には強制通風方式が採用されています。
5.正しい
安全弁は、ドラム、過熱器、再熱器などに設置され、蒸気圧力が所定の値を超えた時に弁体が開いて蒸気を逃します。
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02
以下に解説します。
誤り
節炭器は、煙道ガスの余熱を利用しボイラ給水を加熱してボイラ効率を高める熱交換器です。選択肢にある「飽和温度」とは、液体から気体に状態変化する温度をいいます。飽和温度以上に加熱することは無いので、誤りになります。
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03
節炭器とは、ボイラから出る排熱を給水ポンプに送り熱効率を向上させる機器です。
給水ポンプでドラムに送る水をあらかじめ予熱しておくのですが、
蒸気になるほど温めることはできませんので3が誤りとなります。
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