第三種電気主任技術者の過去問
平成28年度(2016年)
電力 問35

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成28年度(2016年) 電力 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

図のような単相2線式線路がある。母線F点の線間電圧が107Vのとき、B点の線間電圧が96Vになった。B点の負荷電流I[A]として、最も近いものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
ただし、使用する電線は全て同じものを用い、電線1条当たりの抵抗は、1km当たり0.6Ωとし、抵抗以外は無視できるものとする。また、全ての負荷の力率は100%とする。
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この過去問の解説 (3件)

01

単相2線式なので、往路と復路を考慮すると、線路1km当たりの抵抗は、2倍の1.2[Ω]となります。

まず各点間の線路の抵抗を求めます。

F点~A点の線路の抵抗は、

1.2×50/1000=0.06[Ω]

F点~C点の線路の抵抗は、

1.2×100/1000=0.12[Ω]

A点~B点の線路の抵抗は、

1.2×200/1000=0.24[Ω]

C点~B点の線路の抵抗は、

1.2×150/1000=0.18[Ω]

となります。

F点とB点の電位差は、以下になります。

107-96=11[V]

A点→B点に流れる電流をIAB

C点→B点に流れる電流をICBとすると、

F点→A点に流れる電流は、以下になります。

AB+60[A]

F点→C点に流れる電流は、以下になります。

CB+80[A]

F点→A点→B点の経路の電圧降下を求めると、以下になります。

0.06×(IAB+60)+0.24×IAB=11[V]

この方程式を解くと、以下になります。

AB≒24.67[A]

F点→C点→B点の経路の電圧降下を求めると、以下になります。

0.12×(ICB+80)+0.18×ICB=11[V]

この方程式を解くと、以下になります。

CB≒4.67[A]

B点の負荷電流は、IAB+ICBとなるので、これらを足すと、

24.67+4.67=29.34

となります。よって正解は1.となります。

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02

線抵抗を出します。

100m = 0.06、50m = 0.03、200m = 0.12、150m = 0.09

単相二線式のため、抵抗値はこれの2倍になります。

FからAに流れる電流をIfaとすると

AからBに流れる電流はIfa-60となり

BからCに流れる電流はIfa-60-Iとなり

CからFに流れる電流をIfa-60-I-80となります。

線間の電圧降下は、

FA間は0.03×2×Ifa

AB間は0.12×2×(Ifa-60)

BC間は0.09×2×(Ifa-60-I)

CF間は0.06×2×(Ifa-60-I-80)

キルヒホッフの第二法則より

0.03×2×Ifa + 0.12×2×(Ifa-60) + 0.09×2×(Ifa-60-I) + 0.06×2×(Ifa-60-I-80) = 0

0.06Ifa + 0.24Ifa - 14.4 + 0.18Ifa - 10.8 - 0.18I + 0.12Ifa - 7.2 - 0.12I - 9.6 = 0

0.6Ifa - 42 - 0.3I = 0

2Ifa - 140 - I = 0

I = 2Ifa -140

条件より、FからBまでの電圧降下が11Vになるので

0.03×2×Ifa + 0.12×2×(Ifa-60) = 11

0.06Ifa + 0.24Ifa - 14.4 = 11

0.3Ifa = 25.4

Ifa = 254/3 ≒ 84.67

∴I = 2×84.67 -140 = 29.3

選択肢は1.です。

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03

①各線路の抵抗値

 AB間の抵抗RAB[Ω]

  =0.6×0.2=0.12[Ω]

 BC間の抵抗RBC[Ω]

  =0.6×0.15=0.09[Ω]

 CF間の抵抗RCF[Ω]

  =0.6×0.1=0.06[Ω]

 FA間の抵抗RFA[Ω]

  =0.6×0.05=0.03[Ω]

 

②各線路の電流

 AからBへ流れる電流IAB[A]

 BからCへ流れる電流IBC[A]

  =IAB-I

 CからFへ流れる電流ICF[A]

  =IBC-80

  =IAB-Iー80

 FからAへ流れる電流IFA[A]

  =IF+ICF

  =(60+I+80)+(IAB-Iー80)

  =IAB+60

 

②電圧降下

 キルヒホッフの法則より閉ループABCFの電圧降下の和がゼロになります。これを表す式は次式になります。

  VAB+VBC+VCF+VFA=0

  (2RABIAB)+(2RBCIBC)+(2RCFICF)+(2RFAIFA)=0

  (RABIAB)+(RBCIBC)+(RCFICF)+(RFAIFA)=0

  {0.12×IAB}+{0.09×(IAB-I)}+{0.06×(IAB-Iー80)}+{0.03×(IAB+60)}=0

  12IAB+(9IAB-9I)+(6IAB-6I-480)+(3IAB+180)=0

  30IAB-15I=300

  2IAB-I=20

  I=2IAB-20

 

また、F点の電圧が107[V]、B点の電圧が96[V]であるため、

  VB=VF-VFA-VAB

   =VF-(2RFAIFA)-(2RABIAB

  96=107-{2×0.03×(IAB+60)}-(2×0.12×IAB

  11=0.06(IAB+60)+0.24IAB

  1100=6IAB+360+24IAB

  3IAB=74

  IAB≒24.667[A]

 

よって代入すると、

  I=2IAB-20

   =2×24.667-20

   ≒29.3[A]

 

したがって、

負荷電流Iは29.3[A]となります。

まとめ

 単相交流では電圧降下が正負で2倍になることに注意して下さい。また、計算量が多いので間違えないようにしましょう。

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