第三種電気主任技術者の過去問
平成28年度(2016年)
電力 問36
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問題
第三種 電気主任技術者試験 平成28年度(2016年) 電力 問36 (訂正依頼・報告はこちら)
送電線路に用いられる導体に関する記述として、誤っているものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
- 導体の特性として、一般に導電率は高く引張強さが大きいこと、質量及び線熱膨張率が小さいこと、加工性及び耐食性に優れていることなどが求められる。
- 導体には、一般に銅やアルミニウム又はそれらの合金が用いられ、それらの導体の導電率は、温度や不純物成分、加工条件、熱処理条件などによって異なり、標準軟銅の導電率を100%として比較した百分率で表される。
- 地中ケーブルの銅導体には、一般に軟銅が用いられ、硬銅と比べて引張強さは小さいが、伸びや可とう性に優れ、導電率が高い。
- 鋼心アルミより線は、中心に亜鉛めっき鋼より線、その周囲に軟アルミ線をより合わせた電線であり、アルミの軽量かつ高い導電性と、鋼の強い引張強さとをもつ代表的な架空送電線である。
- 純アルミニウムは、純銅と比較して導電率が2/3程度、比重が1/3程度であるため、電気抵抗と長さが同じ電線の場合、アルミニウム線の質量は銅線のおよそ半分である。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.正しい
導体の特性として、一般に導電率(=電気伝導率は電気の流れやすさ)は高く、引っ張り強さ(引っ張り荷重を加えた時、破断するまでに加えた最大値)が大きいこと、質量及び線熱膨張率(温度上昇によって長さが増加する割合)が小さいこと、加工性および耐食性に優れていることなどが求められます。
2.正しい
導体には、一般に銅やアルミニウム、またはそれらの合金が用いられ、それら導体の導電率は、温度や不純物成分、加工条件、熱処理条件などによって異なり、標準軟銅の導電率を100%として比較した百分率で表されます。以下に他の金属を例示します。
銀:106%
金:72%
アルミニウム:62%
鉄:17%
白金:16%
錫:15%
鉛:8%
3.正しい
地中ケーブルの銅導体には、一般に軟銅が用いられます。硬銅と比べて引っ張り強さは小さくなりますが、伸びや可とう性(柔軟性があり、折り曲げることができる)に優れ、導電率が高い、といった特徴があります。
4.誤り
鋼心アルミより線は、中心に亜鉛めっき鋼より線、その周囲に軟アルミ線ではなく、鋼アルミ線をより合わせた電線です。アルミニウムの導電率は銅の約3分の2と劣りますが、重量は銅の約3分の1と非常に軽いため、銅と同じ抵抗値になるまで断面積を太くしてもまだ軽くできます。
また、亜鉛めっき鋼より線によって、引っ張り強さも強いため、鉄塔の間隔を長くすることができて経済的です。
5.正しい
純アルミニウムは、純銅と比較して導電率がおよそ2/3程度ですので、同じ電気抵抗を得るためには、その逆数であるおよそ3/2倍の断面積にする必要があります。この時、重量もおよそ3/2倍になりますが、比重が銅のおよそ1/3程度ですので、
3/2×1/3=1/2
となり、アルミニウム線の質量は銅線のおよそ1/2となります。
以上より、正解は4.となります。
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02
記述に誤りはありません。
一般的に良い導線というのは、よく電気を流し、
外乱の影響が少なく、強い材質のことです。
2.
記述に誤りはありません。
標準軟銅の導電率を100とすると、アルミは約60、銀が約106になります。
このように標準軟銅を100%として比較することがあります。
3.
記述に誤りはありません
硬銅線は基本的に強度の必要な場合に用いられ、架空電線に使われます。
軟銅線は施工のしやすさから、屋内や地中の配線に使われます。
4.
鋼心アルミより線は、中心に亜鉛メッキの鋼より線、その周囲に硬アルミより線を合わせた電線です。
周囲をより合わせた物は軟アルミではなく、硬アルミです。
5.
記述に誤りはありません
R = 抵抗率×長さ/断面積より
銅の抵抗率と長さを1と置くと
R銅 = 1×1/断面積
Rアルミ = 3/2×1/断面積
となります。
R銅とRアルミが等しいので、アルミの断面積は3/2倍、体積も3/2倍になります。
アルミの比重が1/3なので、アルミの質量は銅に比べて1/2倍(1/3×3/2)になります。
選択肢は4.です。
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03
送電線路に用いられる導体に関する文章問題です。
正解です。問題文の通りです。
正解です。問題文の通りです。
正解です。問題文の通りです。
誤りです。「軟アルミ線」ではなく「鋼アルミ線」です。それ以外は正しいです。
鋼心アルミより線は、中心に亜鉛めっき鋼より線、その周囲に鋼アルミ線をより合わせた電線であり、アルミの軽量かつ高い導電性と、鋼の強い引張強さとをもつ代表的な架空送電線です。
正解です。問題文の通りです。
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