第三種電気主任技術者の過去問
平成28年度(2016年)
機械 問49

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成28年度(2016年) 機械 問49 (訂正依頼・報告はこちら)

各種変圧器に関する記述として、誤っているものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
  • 単巻変圧器は、一次巻線と二次巻線とが一部分共通になっている。そのため、一次巻線と二次巻線との間が絶縁されていない。変圧器自身の自己容量は、負荷に供給する負荷容量に比べて小さい。
  • 三巻線変圧器は、一つの変圧器に三組の巻線を設ける。これを3台用いて三相Y-Y結線を行う場合、一組目の巻線をY結線の一次、二組目の巻線をY結線の二次、三組目の巻線をΔ結線の第3調波回路とする。
  • 磁気漏れ変圧器は、磁路の一部にギャップがある鉄心に、一次巻線及び二次巻線を巻く。負荷のインピーダンスが変化しても、変圧器内の漏れ磁束が変化することで、負荷電圧を一定に保つ作用がある。
  • 計器用変成器には、変流器(CT)と計器用変圧器(VT)がある。これらを用いると、大電流又は高電圧の測定において、例えば最大目盛りが5A、150Vという通常の電流計又は電圧計を用いることができる。
  • 変流器(CT)では、電流計が二次側の閉回路を構成し、そこに流れる電流が一次側に流れる被測定電流の起磁力を打ち消している。通電中に誤って二次側を開放すると、被測定電流が全て励磁電流となるので、鉄心の磁束密度が著しく大きくなり、焼損するおそれがある。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.記述は正しい
単巻変圧器は、一次、二次に共通の巻線を持ちます。そして、負荷容量を自己容量より大きくする事が出来ます。

2.記述は正しい
問題文の通り、三巻線変圧器は、1つの変圧器に3組の巻線を設けます。この巻線3組を用いて三相Y-Y結線を行う場合、1組目の巻線をY結線の1次に、2組目の巻線をY結線の2次に、そして3組目の巻線をΔ結線して第3調波回路とします。

3.記述は誤り
磁気漏れ変圧器は、磁路の一部にギャップがある鉄心に、1次巻線及び2次巻線を巻きます。1次巻線と2次巻線の磁気的結合をわざと弱くしてあり、負荷電流が増加しようとすると、漏れ磁束が増加して電圧が低下し、負荷電流がほぼ一定に保たれるよう働きます。負荷電圧ではありません。

4.記述は正しい
計器用変成器は、交流の高電圧、大電流を測定する為に、低電圧、小電流に変換(変成)する機器です。計器用変圧器(Voltage Transformer)、変流器(Current Transformer)等があり、2次側の定格電圧が110V、定格電流が5Aといったものが使用されます。

5.記述は正しい
変流器は、負荷電流を流す為の1次巻線(巻数は少ない) と、計測器(電流計)で測定する電流を得る為の2次巻線(巻数は多い)を鉄心に巻いた構造をしています。1次巻線に電流を流すと、鉄心に磁束が発生し、その磁束を打ち消すように2次側に電流が流れます。2次側を解放した状態で1次側に電流を流すと、1次側の電流は、全て鉄心内の磁束を作る為に流れる事となり、鉄心の磁束が飽和状態になって過熱したり、2次側に高電圧が発生したりと、危険な状態になります。

以上より、正解は3.になります。

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02

1.
記述に誤りはありません。
常に、自己容量{(V2-V1)×I2}<負荷容量{V2×I2}の関係が成り立ちます。


2.
記述に誤りはありません。



3.
磁気もれ変圧器は、わざと一次コイルと二次コイルが離してあり,もれ磁束が大きくなる構造になっています。
このため負荷が短絡状態になっても過大な電流が流れず、定電流性を示します。
負荷電圧をでなく、負荷電流を一定に保つが正解です。


4.
記述に誤りはありません。
CT、VTを使い、レンジを適正にして使用する測定方法もあります。


5.
記述に誤りはありません。
CTは2次側を開放、VTは2次側を短絡してはいけません。


選択肢は3.です。

参考になった数2

03

変圧器に関する文章問題です。

選択肢1. 単巻変圧器は、一次巻線と二次巻線とが一部分共通になっている。そのため、一次巻線と二次巻線との間が絶縁されていない。変圧器自身の自己容量は、負荷に供給する負荷容量に比べて小さい。

正解です。問題文の通りです。

選択肢2. 三巻線変圧器は、一つの変圧器に三組の巻線を設ける。これを3台用いて三相Y-Y結線を行う場合、一組目の巻線をY結線の一次、二組目の巻線をY結線の二次、三組目の巻線をΔ結線の第3調波回路とする。

正解です。問題文の通りです。

選択肢3. 磁気漏れ変圧器は、磁路の一部にギャップがある鉄心に、一次巻線及び二次巻線を巻く。負荷のインピーダンスが変化しても、変圧器内の漏れ磁束が変化することで、負荷電圧を一定に保つ作用がある。

誤りです。「負荷電圧を一定に保つ作用」ではなく「負荷電流を一定に保つ作用」になります。

 

磁気漏れ変圧器は、磁路の一部にギャップがある鉄心に、一次巻線及び二次巻線を巻きます。負荷のインピーダンスが変化しても、変圧器内の漏れ磁束が変化することで、負荷電流を一定に保つ作用があります。

選択肢4. 計器用変成器には、変流器(CT)と計器用変圧器(VT)がある。これらを用いると、大電流又は高電圧の測定において、例えば最大目盛りが5A、150Vという通常の電流計又は電圧計を用いることができる。

正解です。問題文の通りです。

選択肢5. 変流器(CT)では、電流計が二次側の閉回路を構成し、そこに流れる電流が一次側に流れる被測定電流の起磁力を打ち消している。通電中に誤って二次側を開放すると、被測定電流が全て励磁電流となるので、鉄心の磁束密度が著しく大きくなり、焼損するおそれがある。

正解です。問題文の通りです。

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