第三種電気主任技術者の過去問
平成28年度(2016年)
機械 問51
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問題
第三種 電気主任技術者試験 平成28年度(2016年) 機械 問51 (訂正依頼・報告はこちら)
図は、2種類の直流チョッパを示している。いずれの回路もスイッチS、ダイオードD、リアクトルL、コンデンサC(図1のみに使用されている。)を用いて、直流電源電圧E=200Vを変換し、負荷抵抗Rの電圧νd1、νd2を制御するためのものである。これらの回路で、直流電源電圧はE=200V一定とする。また、負荷抵抗Rの抵抗値とリアクトルLのインダクタンス又はコンデンサCの静電容量の値とで決まる時定数が、スイッチSの動作周期に対して十分に大きいものとする。各回路のスイッチSの通流率を0.7とした場合、負荷抵抗Rの電圧νd1、νd2の平均値Vd1、Vd2の値[V]の組合せとして、最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
- (Vd1)667、 (Vd2)140
- (Vd1)467、 (Vd2)60
- (Vd1)667、 (Vd2)86
- (Vd1)467、 (Vd2)140
- (Vd1)286、 (Vd2)60
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この過去問の解説 (3件)
01
直流チョッパの出力電圧に関する計算問題です。
リアクトルLに流れる電流I[A]とします。
問題文より、時定数が十分大きいとあるので、電流Iは直流として扱うことができます。
スイッチSのON時間をTON、
OFF時間をTOFFとすると、
通流率α=TON/(TON+TOFF)/=0.7
不通流率β=TOF/(TON+TOFF)=1-α=0.3
①図1の負荷電圧Vd1
エネルギー保存則より、
EITON=(Vd1-E)ITOFF
Vd1=(TON+TOFF)/TOFF×E
=1/β×E
=1/0.3×200
≒667[V]
②図2の負荷電圧Vd2
エネルギー保存則より、
(E-Vd2)ITON=Vd2ITOFF
Vd2=TON/(TON+TOFF)×E
=α×E
=0.7×200
=140[V]
したがって、Vd1は667[V]、Vd2は140[V]が正解になります。
正解です。
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02
昇圧チョッパーは、スイッチを切ることで
電源電圧に加えて、スイッチを入れている間に貯めたインダクタのエネルギーを放出します。
Vd1 はスイッチをoffにした時間によって、電源電圧が大きくなるので
Vd1 = (Ton + Toff / Toff)×E
で表されます。
通流率とは、スイッチがONしている時間の割合です。
Ton / Ton + Toff = 0.7
スイッチがOFFしている時間の割合は0.3になるので
Toff / Ton + Toff = 0.3
したがって
Vd1 = (1 / 0.3 )×200 = 666.666・・・・
Vd1に適した値は667となります。
図2が降圧チョッパーです。
降圧チョッパーは、スイッチを切ることで電圧の供給を止め、
スイッチを切っている間の電圧は、インダクタに貯めたエネルギーで賄います。
Vd2はスイッチを入れている時間によって、電圧が減少するので。
Vd2 = (Ton / Ton + Toff)×E
で表されます。値を代入すると
Vd2 = (0.7)×200 = 140
Vd2に適した値は140となります。
選択肢は1.です。
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03
スイッチSのON時間をTon、OFF時間をToffとすると、スイッチSの通流率が0.7との事ですので、Ton=0.7、Toff=0.3となります。
図1は昇圧チョッパですので、
Vd1=(Ton+Toff)/Toff×Eとなります。よって
Vd1=1/0.3×200=666.666・・・≒667[V]
図2は高圧チョッパですので、
Vd2=Ton/(Ton+Toff)×E となります。よって
Vd2=0.7/1×200=140[V]
従いまして、正解は1.となります。
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