第三種電気主任技術者の過去問
平成28年度(2016年)
機械 問59

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成28年度(2016年) 機械 問59 (訂正依頼・報告はこちら)

純抵抗を負荷とした単相サイリスタ全波整流回路の動作について、次の問に答えよ。

図1に単相サイリスタ全波整流回路を示す。サイリスタT1〜T4に制御遅れ角α=π/2[rad]でゲート信号を与えて運転しようとしている。T2及びT3のゲート信号は正しく与えられたが、T1及びT4のゲート信号が全く与えられなかった場合の出力電圧波形をed1とし、正しくT1〜T4にゲート信号が与えられた場合の出力電圧波形をed2とする。図2の波形1~波形3から、ed1、ed2の組合せとして正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • (電圧波形ed1)波形1  (電圧波形ed2)波形2
  • (電圧波形ed1)波形2  (電圧波形ed2)波形1
  • (電圧波形ed1)波形2  (電圧波形ed2)波形3
  • (電圧波形ed1)波形3  (電圧波形ed2)波形1
  • (電圧波形ed1)波形3  (電圧波形ed2)波形2

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この過去問の解説 (3件)

01

サイリスタ直流整流回路に関する問題です。

 

1)ゲート信号が正しい時、ONしているサイリスタ

制御遅れ角α=π/2[rad]より、

 ①0~π/2:なし

 ②π/2~π:T1、T4

 ③π~3π/2:なし

 ④3π/2~2π:T2、T3

したがって、ゲート信号が正しい時の電圧波形ed2は、波形2が正解です。

 

2)T1、T4のゲート信号がない時、ONしているサイリスタ

 ①0~π/2:なし

 ②π/2~π:なし

 ③π~3π/2:なし

 ④3π/2~2π:T2、T3

したがって、ゲート信号が正しい時の電圧波形ed1は、波形3が正解です。

選択肢5. (電圧波形ed1)波形3  (電圧波形ed2)波形2

正解です。

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02


全波整流(遅れ角0)且つ、サイリスタに故障のない状態は
単純に負の電源電圧が、正の電圧にひっくり返った状態です。


T1、T4サイリスタにパルスが発生すると
電源電圧の0~nπ(1,2,3,・・・)の交流波形が流れます。

T2、T3サイリスタにパルスが発生すると
電源電圧のnπ~2nπ(1,2,3,・・・)の交流波形が反転して流れます。




全波整流(遅れ角π/2)且つ、サイリスタに故障のない状態は
制御パルスがπ/2遅れているので、出力波形もπ/2遅れます。
つまり波形2になります。



全波整流(遅れ角0)且つ、T1、T4サイリスタに故障のある状態は
T1、T4サイリスタに制御パルスが流れないため、0~nπ(1,2,3,・・・)の出力波形が発生しません。
つまり波形3となります。


よってed1は波形3、ed2は波形2となります。
選択肢は5.です。

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03


サイリスタの動作
サイリスタは、アノード端子(図中T1~T4各素子の下側の端子)に正、カソード端子(図中T1~T4各素子の上側の端子)に負の電圧が印加されている時、ゲート端子(図中T1~T4各素子の右側の端子)にゲート信号が与えられると、アノード端子→カソード端子に電流が流れます。逆側には電流は流れません。

問題文より、角α=π/2[rad](=90°)でゲート信号を与えるのですから、Vs波形の位相π/2でT1及びT4がON、3π/2でT2及びT3がONします。この時、Rには常に同じ方向に電流が流れます。

ed1の波形
T2及びT3のゲート信号が正しく与えられているので、Vs波形の位相3π/2でONします。T1及びT4のゲート信号は全く与えられないので、Vs波形の位相π/2ではONしません。
よって正しい波形は、波形3になります。

ed2の波形
T1~T4のゲート信号が正しく与えられているので、Vs波形の位相π/2でT1及びT4がON、3π/2でT2及びT3がONします。
よって正しい波形は、波形2になります。

以上より、正解は5.となります。

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