第三種電気主任技術者の過去問
平成28年度(2016年)
法規 問79
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問題
第三種 電気主任技術者試験 平成28年度(2016年) 法規 問79 (訂正依頼・報告はこちら)
図は、線間電圧V[V]、周波数f[Hz]の中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路及びある需要設備の高圧地絡保護システムを簡易に示した単線図である。高圧配電線路一相の全対地静電容量をC1[F]、需要設備ー相の全対地静電容量をC2[F]とするとき、次の問に答えよ。
ただし、図示されていない負荷、線路定数及び配電用変電所の制限抵抗は無視するものとする。
図の配電線路において、遮断器が「入」の状態で地絡事故点に一線完全地絡事故が発生し地絡電流Ig[A]が流れた。このときIgの大きさを表す式として正しいものは次のうちどれか。
ただし、間欠アークによる影響等は無視するものとし、この地絡事故によって遮断器は遮断しないものとする。
ただし、図示されていない負荷、線路定数及び配電用変電所の制限抵抗は無視するものとする。
図の配電線路において、遮断器が「入」の状態で地絡事故点に一線完全地絡事故が発生し地絡電流Ig[A]が流れた。このときIgの大きさを表す式として正しいものは次のうちどれか。
ただし、間欠アークによる影響等は無視するものとし、この地絡事故によって遮断器は遮断しないものとする。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解:【4】
この問題は、中性点非接地方式に関するものです。国内において 6.6 kV の配電系統に使われています。
この問題の回路図は、三相3線式高圧配電線路の単線のみが表示されています。
線間電圧Vの場合、対地電圧Eは次のようになります。
E = V / √3
なお、対地静電容量がそれぞれの線に接続されていますので、地絡事故が起きた場合、並列接続になります。
地絡事故が起きた場合、流れる地絡電流 Ig は次のように計算できます。
Ig = E / Z
遮断器が閉まっているため、ZはC1とC2の並列から構成され、各線分を考慮しますと次のようになります。
Z = 1 / { 2πf*(3*C1+3*C2)}
これにより、Igは次のように計算できます。
Ig = V / √3 / [ 1 / { 2πf*(3*C1+3*C2)} ]
= V / √3*2πf*3*(C1+C2)
= V*√3*2πf*(C1+C2)
= 2√3Vπf(C1+C2)
以上により、選択肢の【4】が正解となります。
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02
中性点非接地方式の3相3線式である事を考慮し、地絡電流Igを求めます。
Ig=V/√3Xc
Xc=1/ω×3(C1+C2)
ω=2πf
Ig=V/√3×2πf×3(C1+C2)
Ig=2√3Vπf(C1+C2)
以上により、正解は【4】となります。
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03
この問題は地絡事故発生時の地絡電流Ig[A]がどのように流れるかを理解しているかがポイントとなります。
まず問題図は単線図で表記されていますが、複線図で表すと実際は3本の線となります。また高圧配電線路側、需要設備側共に静電容量に接地がされています。地絡事故点はその中間の受電点手前の方で発生しております。事故点での地絡電流は大地間に流れていくので需要設備の遮断器が「入」の状態であれば大地を介して導通状態となり静電容量C1、C2の閉回路となります。
地絡電流Ig[A]は以下の公式で求める事ができます。
・Ig[A]=V/Z‥①
なのでまずは交流回路のインピーダンスZから求めていきます。ここでリアクタンスの成分は静電容量しかないので今回は以下のように考えていきます。
・Z=Xc、Xc=1/ωC=1/2πfC
高圧配電線路側と需要設備側のそれぞれのリアクタンスXcを求めます。
・Xc1=1/2πf3C1
・Xc2=1/2πf3C2
上記をもとにインピーダンスZを求めます。
・Z=(1/2πf3C1)+(1/2πf3C2)=1/6πf(C1+C2)
さらにこの状態の回路にかかる電圧Vは相電圧とイコールになるので次のようになります。
・E=V/√3[V]
最後にそれぞれの値を①式に代入します。
・Ig[A]=(V/√3)/1/6πf(C1+C2)=6Vπf(C1+C2)/√3=2√3Vπf(C1+C2)
以上のようになります。
それぞれの選択肢を見ていきましょう。
解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の内容と一致するので適切です。
解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。
地絡事故時の等価回路を描けるかがポイントとなります。
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