第三種電気主任技術者の過去問
平成28年度(2016年)
法規 問80

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成28年度(2016年) 法規 問80 (訂正依頼・報告はこちら)

図は、線間電圧V[V]、周波数I[Hz]の中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路及びある需要設備の高圧地絡保護システムを簡易に示した単線図である。高圧配電線路一相の全対地静電容量をC1[F]、需要設備ー相の全対地静電容量をC2[F]とするとき、次の問に答えよ。
ただし、図示されていない負荷、線路定数及び配電用変電所の制限抵抗は無視するものとする。

図の配電線路において、遮断器が「入」の状態で地絡事故点に一線完全地絡事故が発生し地絡電流Ig[A]が流れた。(ただし、間欠アークによる影響等は無視するものとし、この地絡事故によって遮断器は遮断していない。)この地絡電流Igは高圧配電線路側と需要設備側に分流し、需要設備側に分流した電流は零相変流器を通過して検出される。そのような需要設備構外の事故に対しても、零相変流器が検出する電流の大きさによっては地絡継電器が不必要に動作する場合があるので注意しなければならない。地絡電流Igが高圧配電線路側と需要設備側に分流する割合はC1とC2らの比によって決まるものとしたとき、Igのうち需要設備の零相変流器で検出される電流の値[mA]として、最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
ただし、V=6600V、f=60Hz、C1=2.3µF、C2=0.02µFとする。
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この過去問の解説 (3件)

01

正解:【2】

この問題は【第38686問】と関連しています。

この問題の回路の場合、地絡電流 Ig は次のように計算できます。

 Ig = V*√3*2πf*(C1+C2)

問題文にもあるように、IgはC1とC2にを静電容量の比に合わせて流れていきます。そのため零相変流器で検出される電流はC2に流れる分の電流I2です。

 I2 = Ig*C2 / (C1+C2)

   = V*√3*2πf*(C1+C2)*C2 / (C1+C2)

   = V*√3*2πf*C2

   = 6600 *√3*2π*60*0.02*10^(-6)

   = 0.086 [A]

以上により、 Ig = 86 [mA] となり、選択肢の【2】が正解となります。

参考になった数6

02

零相変流器で検出される電流は地絡電流Igの内、C2側に分流される電流です。

地絡電流Igは問題(a)の解答ですので

Ig=2√3Vπf(C1+C2)

となります。よって、C2に分流する電流Ic2は

Ic2=2√3Vπf(C1+C2)×C2/(C1+C2)

Ic2=2√3Vπf×C2

Ic2=2√3π×6600×60×0.02×10^⁻6

Ic2≒0.086

以上により、正解は【2】となります。

参考になった数3

03

前問(https://kakomonn.com/denken3/questions/38686)からの引き続きとなります。

Igのうち需要設備の零相変流器で検出される電流の値[mA]とありますが、単純に静電容量C2に流れる電流を分流の法則を使って問く形となります。求める電流をI2とすると以下のようになります。

・I2=Ig×(C2/C1+C2)[mA]‥①

 

Igは前問で求めてるIg=2√3Vπf(C1+C2)[mA]を①式に代入します。

 

・I2=2√3Vπf(C1+C2)×(C2/C1+C2)=2√3VπfC2‥②

②式に問題で与えられている条件を代入します。

 

・I2=2√3×6600×3.14×60×0.02×10-686.2[mA]

以上のようになります。

 

選択肢1. 54

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

選択肢2. 86

解説の冒頭の内容と一致するので適切です。

選択肢3. 124

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

選択肢4. 152

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

選択肢5. 256

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

まとめ

公式は整理した方が計算がしやすいパターンもあります。

参考になった数2