第三種電気主任技術者の過去問
平成29年度(2017年)
法規 問74
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第三種 電気主任技術者試験 平成29年度(2017年) 法規 問74 (訂正依頼・報告はこちら)
次のa,b、c及びdの文章は、再生可能エネルギー発電所等を計画し、建設する際に、公共の安全を確保し、環境の保全を図ることなどについての記述である。
これらの文章の内容について、「電気事業法」に基づき、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
a 太陽電池発電所を建設する場合、その出力規模によって設置者は工事計画の届出を行い、使用前自主検査を行うとともに、当該自主検査の実施に係る主務大臣が行う審査を受けなければならない。
b 風力発電所を建設する場合、その出力規模によって設置者は環境影響評価を行う必要がある。
c 小出力発電設備を有さない一般用電気工作物の設置者が、その構内に小出力発電設備となる水力発電設備を設置し、これを一般用電気工作物の電線路と電気的に接続して使用する場合、これらの電気工作物は自家用電気工作物となる。
d 66000Vの送電線路と連系するバイオマス発電所を建設する場合、電気主任技術者を選任しなければならない。
これらの文章の内容について、「電気事業法」に基づき、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
a 太陽電池発電所を建設する場合、その出力規模によって設置者は工事計画の届出を行い、使用前自主検査を行うとともに、当該自主検査の実施に係る主務大臣が行う審査を受けなければならない。
b 風力発電所を建設する場合、その出力規模によって設置者は環境影響評価を行う必要がある。
c 小出力発電設備を有さない一般用電気工作物の設置者が、その構内に小出力発電設備となる水力発電設備を設置し、これを一般用電気工作物の電線路と電気的に接続して使用する場合、これらの電気工作物は自家用電気工作物となる。
d 66000Vの送電線路と連系するバイオマス発電所を建設する場合、電気主任技術者を選任しなければならない。
- (a)不適切 (b)適切 (c)適切 (d)適切
- (a)適切 (b)不適切 (c)適切 (d)不適切
- (a)適切 (b)適切 (c)不適切 (d)不適切
- (a)適切 (b)適切 (c)不適切 (d)適切
- (a)不適切 (b)不適切 (c)適切 (d)不適切
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
問題文aについて
50㎾以上の太陽光発電設備は、自家用電気工作物となります。
事業用とした場合、事業用電気工作物となります。
問題で問われているのは、この2つが適切かどうかです。
・工事の計画について、主務大臣の認可を受けなければならない。
・使用前検査について、主務大臣の認可を受けなければならない。
これらは、電気事業法 第47条(工事計画)と第49条(使用前検査)で定められています。
電気事業法 第47条
事業用電気工作物の設置又は変更の工事であつて、
公共の安全の確保上特に重要なものとして主務省令で定めるものをしようとする者は、その工事の計画について主務大臣の認可を受けなければならない。
ただし、事業用電気工作物が滅失し、
若しくは損壊した場合又は災害その他非常の場合において、
やむを得ない一時的な工事としてするときは、この限りでない。
電気事業法 第49条
第47条第1項若しくは第2項の認可を受けて設置若しくは変更の工事をする事業用電気工作物又は前条第1項の規定による届出をして設置若しくは変更の工事をする事業用電気工作物であって、公共の安全の確保上特に重要なものとして主務省令で定めるものは、その工事について主務省令で定めるところにより主務大臣の検査を受け、これに合格した後でなければ、これを使用してはならない。
ただし、主務省令で定める場合は、この限りでない。
よって、問題aは「適切」です。
問題文bについては、電気事業法 第46条の3で定められています。
電気事業法 第46条の3
事業用電気工作物の設置又は変更の工事であつて環境影響評価法第2条第3項に
規定する第二種事業に該当するものをしようとする者は、
同法第4条第1項前段の書面には、同項前段に規定する事項のほか、
その工事について経済産業省令で定める簡易な方法により環境影響評価を行った結果を、経済産業省令で定めるところにより、記載しなければならない。
風力発電設備も太陽光発電設備と同様に事業用電気工作物にあたります。
環境影響評価を行わなければなりません。
よって、問題文bは「適切」です。
問題文cについては、電気事業法 第38条で定められています。
電気事業法 第38条
この法律において「一般用電気工作物」とは、次に掲げる電気工作物をいう。
ただし、小出力発電設備以外の発電用の電気工作物と同一の構内に設置するもの又は爆発性若しくは引火性の物が存在するため電気工作物による事故が発生するおそれが多い場所であって、
経済産業省令で定めるものに設置するものを除く。
電気事業法 第38条二 構内に設置する小出力発電設備であって、
その発電に係る電気を前号の経済産業省令で定める電圧以下の電圧で他の者がその構内において受電するための電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
電気事業法 第38条第38条二より、一般用電気工作物の設置者が、
その構内に小出力発電設備となる水力発電設備を設置し、
これを一般用電気工作物の電線路と電気的に接続して使用する場合、
これらの電気工作物は一般用電気工作物となります。
よって、問題文cは「不適切」です。
問題文dについては、電気事業法施工規則 第52条で定められています。
電気事業法施工規則第52条
法第四十三条第一項の規定による主任技術者の選任は、
次の表の上欄に掲げる事業場又は設備ごとに、
それぞれ同表の下欄に掲げる者のうちから行うものとする。(表は省略)
2 次の各号のいずれかに掲げる自家用電気工作物に係る当該各号に定める事業場のうち、当該自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務が次条に規定する要件に該当する者と締結されているものであって、
保安上支障がないものとして経済産業大臣の承認を受けたもの並びに発電所、
変電所及び送電線路以外の自家用電気工作物であって鉱山保安法が適用されるもののみに係る前項の表第3号又は第6号の事業場については、同項の規定にかかわらず、電気主任技術者を選任しないことができる。
一 出力2000キロワット未満の発電所(水力発電所、火力発電所、太陽電池発電所及び風力発電所に限る。)であって電圧7000ボルト以下で連系等をするもの
二 出力1000キロワット未満の発電所(前号に掲げるものを除く。)であって電圧7000ボルト以下で連系等をするもの
三 電圧7000ボルト以下で受電する需要設備
四 電圧600ボルト以下の配電線路
66000Vの送電線路と連系するバイオマス発電所では、電気主任技術者を選任しなければなりません。
よって、問題文dは「適切」です。
a 適切、b 適切、c 不適切、d 適切となりますので、
組合せで正しいものは「4」になります。
参考になった数5
この解説の修正を提案する
02
電気事業法からの出題です。
電気事業法の条文は下方にまとめて掲載します。
aの工事計画は第47条、使用前自主検査は第49条で規定されています。
また、使用前自主検査が必要な発電所は電気事業法施工規則第68条で規定されています。
まず、第47条から事業用電気工作物を設置又は変更する工事は主務大臣の認可を受けなければなりません。
次に第49条から事業用電気工作物の設置又は変更の工事をする場合は主務大臣の検査を受け合格しなければなりません。
最後に事業用電気工作物とは第38条で規定されており、一般用電気工作物と自家用電気工作物以外の電気工作物となります。
太陽光発電設備は50kW以上であると小出力発電設備ではなくなり、自家用電気工作物となります。さらにこれを事業用とした場合、事業用電気工作物となります。
以上のことからaは発電所を建設しますので工事計画の届け出と使用前自主検査が必要ですので「適切」となります。
bの環境影響評価は第46条で規定されています。
第46条の3及び4から事業用電気工作物の設置又は変更の工事では環境影響評価法に規定されている事業に該当するものは環境影響評価を行わなければなりません。
つまり、bは出力によって事業用電気工作物になりますので「適切」となります。
cの電気工作物の定義は第38条で規定されています。
問題文より小出力発電設備の水力発電設備を設置し、一般用電気工作物の電線路に接続していますので水力発電設備は一般用電気工作物となりますので「不適切」となります。
この場合、水力発電設備は10kW以下です。
dの主任技術者の選任等は電気事業法施工規則第52条で規定されています。
第52条からバイオマス発電所は電気主任技術者の選任が必要とわかります。また、電気主任技術者を選任しない条件として「出力が2000kW未満の発電所で、7000V以下で連系するもの」とあるので66000Vで連系する場合は必要となりますので「適切」となります。
よって答えは4番の(a)適切、(b)適切、(c)不適切、(d)適切となります。
第38条
この法律において「一般用電気工作物」とは、次に掲げる電気工作物をいう。ただし、小出力発電設備以外の発電用の電気工作物と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。以下同じ。)に設置するもの又は爆発性若しくは引火性の物が存在するため電気工作物による事故が発生するおそれが多い場所であつて、経済産業省令で定めるものに設置するものを除く。
一 他の者から経済産業省令で定める電圧以下の電圧で受電し、その受電の場所と同一の構内においてその受電に係る電気を使用するための電気工作物(これと同一の構内に、かつ、電気的に接続して設置する小出力発電設備を含む。)であつて、その受電のための電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
二 構内に設置する小出力発電設備(これと同一の構内に、かつ、電気的に接続して設置する電気を使用するための電気工作物を含む。)であつて、その発電に係る電気を前号の経済産業省令で定める電圧以下の電圧で他の者がその構内において受電するための電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
三 前二号に掲げるものに準ずるものとして経済産業省令で定めるもの
2 前項において「小出力発電設備」とは、経済産業省令で定める電圧以下の電気の発電用の電気工作物であつて、経済産業省令で定めるものをいうものとする。
3 この法律において「事業用電気工作物」とは、一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。
4 この法律において「自家用電気工作物」とは、次に掲げる事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。
一 一般送配電事業
二 送電事業
三 特定送配電事業
四 発電事業であつて、その事業の用に供する発電用の電気工作物が主務省令で定める要件に該当するもの
第46条の3
事業用電気工作物の設置又は変更の工事であつて環境影響評価法第2条第3項に規定する第二種事業に該当するものをしようとする者は、同法第4条第1項前段の書面には、同項前段に規定する事項のほか、その工事について経済産業省令で定める簡易な方法により環境影響評価を行つた結果を、経済産業省令で定めるところにより、記載しなければならない。
第46条の4
事業用電気工作物の設置又は変更の工事であつて環境影響評価法第2条第4項に規定する対象事業に該当するもの(以下「特定対象事業」という。)をしようとする者(以下「特定事業者」という。)は、同法第5条第1項の環境影響評価方法書(以下「方法書」という。)には、同項第7号の規定にかかわらず、特定対象事業に係る環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法を記載しなければならない。
第47条
事業用電気工作物の設置又は変更の工事であつて、公共の安全の確保上特に重要なものとして主務省令で定めるものをしようとする者は、その工事の計画について主務大臣の認可を受けなければならない。ただし、事業用電気工作物が滅失し、若しくは損壊した場合又は災害その他非常の場合において、やむを得ない一時的な工事としてするときは、この限りでない。
2 前項の認可を受けた者は、その認可を受けた工事の計画を変更しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。ただし、その変更が主務省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
3 主務大臣は、前2項の認可の申請に係る工事の計画が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、前2項の認可をしなければならない。
一 その事業用電気工作物が第39条第一項の主務省令で定める技術基準に適合しないものでないこと。
二 事業用電気工作物が一般送配電事業の用に供される場合にあつては、その事業用電気工作物が電気の円滑な供給を確保するため技術上適切なものであること。
三 特定対象事業に係るものにあつては、その特定対象事業に係る第46条の17第2項の規定による通知に係る評価書に従つているものであること。
第49条
第47条第1項若しくは第2項の認可を受けて設置若しくは変更の工事をする事業用電気工作物又は前条第1項の規定による届出をして設置若しくは変更の工事をする事業用電気工作物(その工事の計画について、同条第4項の規定による命令があつた場合において同条第1項の規定による届出をしていないものを除く。)であつて、公共の安全の確保上特に重要なものとして主務省令で定めるもの(第112条の3第3項において「特定事業用電気工作物」という。)は、その工事について主務省令で定めるところにより主務大臣の検査を受け、これに合格した後でなければ、これを使用してはならない。ただし、主務省令で定める場合は、この限りでない。
2 前項の検査においては、その事業用電気工作物が次の各号のいずれにも適合しているときは、合格とする。
一 その工事が第47条第1項若しくは第2項の認可を受けた工事の計画(同項ただし書の主務省令で定める軽微な変更をしたものを含む。)又は前条第1項の規定による届出をした工事の計画(同項後段の主務省令で定める軽微な変更をしたものを含む。)に従つて行われたものであること。
二 第39条第1項の主務省令で定める技術基準に適合しないものでないこと。
電気事業法施工規則第52条
法第四十三条第一項の規定による主任技術者の選任は、次の表の上欄に掲げる事業場又は設備ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる者のうちから行うものとする。表省略
2 次の各号のいずれかに掲げる自家用電気工作物に係る当該各号に定める事業場のうち、当該自家用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務(以下「保安管理業務」という。)を委託する契約(以下「委託契約」という。)が次条に規定する要件に該当する者と締結されているものであって、保安上支障がないものとして経済産業大臣(事業場が一の産業保安監督部の管轄区域内のみにある場合は、その所在地を管轄する産業保安監督部長。次項並びに第53条第1項、第2項及び第5項において同じ。)の承認を受けたもの並びに発電所、変電所及び送電線路以外の自家用電気工作物であって鉱山保安法が適用されるもののみに係る前項の表第3号又は第6号の事業場については、同項の規定にかかわらず、電気主任技術者を選任しないことができる。
一 出力2000キロワット未満の発電所(水力発電所、火力発電所、太陽電池発電所及び風力発電所に限る。)であって電圧7000ボルト以下で連系等をするもの 前項の表第1号、第2号又は第6号の事業場
二 出力1000キロワット未満の発電所(前号に掲げるものを除く。)であって電圧7000ボルト以下で連系等をするもの 前項の表第3号又は第6号の事業場
三 電圧7000ボルト以下で受電する需要設備 前項の表第3号又は第6号の事業場
四 電圧600ボルト以下の配電線路 当該配電線路を管理する事業場
3 出力2000キロワット未満の水力発電所(自家用電気工作物であるものに限る。)に係る第1項の表第1号又は第6号に掲げる事業場のうち、当該水力発電所の保安管理業務の委託契約が次条に規定する要件に該当する者と締結されているものであって、保安上支障がないものとして経済産業大臣の承認を受けたものについては、同項の規定にかかわらず、ダム水路主任技術者を選任しないことができる。
4 事業用電気工作物を設置する者は、主任技術者に2以上の事業場又は設備の主任技術者を兼ねさせてはならない。ただし、事業用電気工作物の工事、維持及び運用の保安上支障がないと認められる場合であって、経済産業大臣(監督に係る事業用電気工作物が一の産業保安監督部の管轄区域内のみにある場合は、その設置の場所を管轄する産業保安監督部長。第53条の2において同じ。)の承認を受けた場合は、この限りでない。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
前の問題(問73)へ
平成29年度(2017年)問題一覧
次の問題(問75)へ