第三種電気主任技術者の過去問
平成29年度(2017年)
法規 問79
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問題
第三種 電気主任技術者試験 平成29年度(2017年) 法規 問79 (訂正依頼・報告はこちら)
自家用水力発電所をもつ工場があり、電力系統と常時系統連系している。
ここでは、自家用水力発電所の発電電力は工場内において消費させ、同電力が工場の消費電力よりも大きくなり余剰が発生した場合、その余剰分は電力系統に逆潮流(送電)させる運用をしている。
この工場のある日(0時~24時)の消費電力と自家用水力発電所の発電電力はそれぞれ図1及び図2のように推移した。次の問に答えよ。
なお、自家用水力発電所の所内電力は無視できるものとする。
この日の電力系統への送電電力量の値[MW・h]と電力系統からの受電電力量の値[MW・h]の組合せとして、最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
ここでは、自家用水力発電所の発電電力は工場内において消費させ、同電力が工場の消費電力よりも大きくなり余剰が発生した場合、その余剰分は電力系統に逆潮流(送電)させる運用をしている。
この工場のある日(0時~24時)の消費電力と自家用水力発電所の発電電力はそれぞれ図1及び図2のように推移した。次の問に答えよ。
なお、自家用水力発電所の所内電力は無視できるものとする。
この日の電力系統への送電電力量の値[MW・h]と電力系統からの受電電力量の値[MW・h]の組合せとして、最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
- [送電電力量(MW・h)]12.5 [受電電力量(MW・h)]26.0
- [送電電力量(MW・h)]12.5 [受電電力量(MW・h)]38.5
- [送電電力量(MW・h)]26.0 [受電電力量(MW・h)]38.5
- [送電電力量(MW・h)]38.5 [受電電力量(MW・h)]26.0
- [送電電力量(MW・h)]26.0 [受電電力量(MW・h)]12.5
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この過去問の解説 (2件)
01
図1と図2を見比べると
0~6時までは消費電力>発電電力であるので受電。
6~8時までは消費電力<発電電力であるので送電。
8~18時までは消費電力>発電電力であるので受電
18~22時までは消費電力<発電電力であるので送電。
22~24時までは消費電力>発電電力であるので受電。
以上から時間区分をW1:22~6時、W2:6時~8時、W3:8時~18時、W4:18時~22時に分けて考えます。
22~6時の時間帯
22~6時は5000-3000=2000[kW]の電力を受電しています。
但し、4~6時の時間帯は直線的に増加している時間なので注意します。
22~4時の一定部分の受電電力量は
(5000-3000)×6=12000[kWh]
4~6時の直線増加分において、消費電力と発電電力が等しくなる電力を求めます。
消費電力をP[kW]、時間をt[時]とするとtの関数として
P=(12500-5000)/(10-4)×t=1250×t[kW]
と表されます。但し範囲は4~10時までです。
ここでt=6[時]を代入しますと、
P=1250×6=7500[kW]
となりますので、4~6時の受電電力量は
直線増加分+一定分=(7500-5000)×(6-4)/2+(5000-3000)×2=6500[kWh]
よって22~6時の時間帯の受電電力量W1[kWh]は
W1=12000+6500=18500[kWh]
となります。
6~8時の時間帯
6時の消費電力は7500[kW]、8時の消費電力は10000[kW]なので送電電力量W2[kWh]は
W2=(10000-7500)×(8-6)/2=2500[kWh]
となります。
8時~18時の時間帯
直線減少分の傾きを求めますと
P=(5000-12500)/(22-16)×t=-1250×t[kW]
となります。但し、16~22時の範囲までとなります。
これは直線増加分と反対の傾きをしています。
8~10時の直線増加分と16~18時の直線減少分の面積は同じとなりますので受電電力量W3[kWh]は2500[kW]を8時間受電していたことと等価になりますので
W3=(12500-10000)×8=20000[kWh]
となります。
18~22時の時間帯
送電電力量W4[kWh]は三角形の面積を求めることに相当するので
W4=(10000-5000)×(22-18)/2=10000[kWh]
となります。
以上から
送電電力量=W2+W4=2500+10000=12500[kWh]=12.5[MWh]
受電電力量=W1+W3=18500+20000=38500[kWh]=38.5[MWh]
となりますので答えは2番となります。
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02
”水力発電力>工場の消費電力”なら余剰分を送電し、
”水力発電力<工場の消費電力”なら余剰分を受電する。
時間帯ごとに分けて考えます。
①0時~4時
水力発電(3,000kW)<工場の消費電力(5,000kW)で受電です。
受電電力量は、(5,000kW-3,000kW)×4時間=8,000kWh
※縦2,000kW、横4時間の長方形面積で算出
0~4時までの受電電力量は、8,000kWhです。
②4時~6時
水力発電(3,000kW)<工場の消費電力(初期5,000kWで毎時1,250kWで増加)で受電です。
6時の時点で工場の消費電力は、7,500kWですので、
受電電力量は、(2,000kW+4,500kW)×2時間÷2=6,500kWh
※上辺2,000kW、下辺4,500kW,高さ2時間の台形面積で算出
4~6時までの受電電力量は、6,500kWhです。
③6~8時
水力発電(10,000kW)>工場の消費電力(初期7,500kWで毎時1,250kWで増加)で送電です。
8時の時点で工場の消費電力は、10,000kWです。
受電電力量は、(10,000kW-7,500kW)×2時間÷2=2,500kWh
※底辺10,000kW-7,500kW、高さ2時間の三角形面積で算出
6~8時までの送電電力量は、2,500kWhです。
④8~10時
水力発電(10,000kW)<工場の消費電力(初期10,000kWで毎時1,250kWで増加)で受電です。
10時の時点で工場の消費電力は、12,500kWです。
受電電力量は、(1,2500kW-1,0000kW)×2時間÷2=2,500kWh
※底辺12,500kW-10,000kW、高さ2時間の三角形面積で算出
8~10時までの受電電力量は、2,500kWhです。
⑤10~16時
水力発電(10,000kW)<工場の消費電力(12,500kW)で受電です。
受電電力量は、(12,500kW-10,000kW)×6時間=15,000kWh
※底辺12,500kW-10,000kW、高さ2時間の三角形面積で算出
10~16時までの受電電力量は、15,000kWhです。
⑥16~18時
水力発電(10,000kW)<工場の消費電力(初期12,500kWで毎時1,250kWで減少)で受電です。
18時の時点で工場の消費電力は、10,000kWです。
受電電力量は、(12,500kW-10,000kW)×2時間÷2=2,500kWh
※底辺10,000kW-7,500kW、高さ2時間の三角形面積で算出
16~18時までの受電電力量は、2,500kWhです。
⑦18~22時
水力発電(10,000kW)>工場の消費電力(初期10,000kWで毎時1,250kWで減少)で送電です。
22時の時点で工場の消費電力は、5,000kWです。
受電電力量は、(10,000kW-5,000kW)×4時間÷2=10,000kWh
※底辺10,000kW-5,000kW、高さ4時間の三角形面積で算出
18~22時までの送電電力量は、10,000kWhです。
⑧22~24時
水力発電(3,000kW)<工場の消費電力(5,000kW)で受電です。
受電電力量は、2,000kW×2時間=4,000kWh
※縦2,000kW,横2時間の長方形面積で算出
22~24時までの受電電力量は、4,000kWhです。
送電している時間帯は、③と⑦で合計送電電力量は、
2,500kWh+10,000kWh=12,500kWh=12.5MWh
受電している時間帯は、①,②,④~⑥,⑧で合計受電電力量は、
8,000kWh+6,500kWh+2,500kWh+15,000kWh+2,500kWh+4,000kWh
=38,500kWh=38.5MWh
よって、選択肢のなかで最も近いものは「2」となる。
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