第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
平成30年度(2018年)
問4 (理論 問4)
問題文
図のように、原点Oを中心としx軸を中心軸とする半径a[m]の円形導体ループに直流電流I[A]を図の向きに流したとき、x軸上の点、つまり、(x、y、z)=(x、0、0)に生じる磁界のx方向成分H(x)[A/m]を表すグラフとして、最も適切なものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。

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問題
第三種 電気主任技術者試験 平成30年度(2018年) 問4(理論 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
図のように、原点Oを中心としx軸を中心軸とする半径a[m]の円形導体ループに直流電流I[A]を図の向きに流したとき、x軸上の点、つまり、(x、y、z)=(x、0、0)に生じる磁界のx方向成分H(x)[A/m]を表すグラフとして、最も適切なものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。

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この過去問の解説 (3件)
01
アンペアの周回積分の法則より、式①で求められます。
H=I/(2π×r) ---①
原点Oを中心としx軸を中心軸とする半径a[m]の円形導体ループに直流電流Iは、
原点Oが最も距離が短く、磁界は大きくなります。
原点Oから離れていくと、磁界は小さくなります。
この離れていく向きは、原点Oから右向きでも左向きでも同じように小さくなります。
原点Oが最も大きく原点Oから左右に離れると右も左も同じように小さくなるのは、
グラフ4になります。
選択肢の中で最も近いものは、「4」となります。
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02
ビオ・サヴァールの法則
電流I[A]が流れているとき、微小長さΔL[mによって]、Δlからr[m]離れた点をP、ΔLと点Pのなす角θとしますと磁界ΔH[A/m]は(Δは微小を表します)
ΔH=(I×ΔL×sinθ)/(4π×r^2)[A/m]
となります。
問題では電流I[A]が流れている経路は円形導体となりますのでΔLは円周になります。よって、L=2πa[m]となります。
点PをH(x)[A/m]の点としますと、0点からリング上の点はa[m]、H(x)の点はx[m]となりますので、リング上の点からH(x)の点までの距離r[m]は
r=√(a^2+x^2)
となります。
また、リング上の点とH(x)の点が0点に対してつくる角度をθとしますとsinθは
sinθ=a/r=a/√(a^2+x^2)
となります。これらをビオ・サヴァールの法則に当てはめますと
H=(I×2πa×a/√(a^2+x^2))/(4π×(a^2+x^2)^2)=I×a^2/(2×(a^2+x^2)^3/2)
となります。
上式からx=0で磁界Hは最大(I/2×√a)となります。
Xは2乗となっていますので0点の右側でも左側でも磁界H(x)は正の値となります。これは磁界の向きが図と同じ向きであることを示しています。
またx=無限大としますと限りなく0に近づきます。
以上のことからx軸上の磁界H(x)[A/m]を表すグラフは4番となります。
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03
円形導体ループによる電流で発生する磁界の大きさを示した正しいグラフを選択する問題です。
磁界の大きさは、右ねじの法則により図のような状況では正となります。
また、磁界と電流にはH=I/2πr[A/m]という関係があり、この式から電流が周回している原点から任意の点H(x)が近いほど磁界が大きく、遠いほど磁界が小さくなることが分かります。
このグラフのx軸が負の部分についても同じ考え方ができるので、H(x)を中心に左右対象なこのグラフが正しいグラフとなります。
厳密に考えようとするとビオ・サバールの法則が必要になりますが、ここではそこまで求められていないので、右ねじの法則とH=I/2πr[A/m]の公式から導き出しています。
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