第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
平成30年度(2018年)
問20 (理論 問20)
問題文
ただし、コンデンサの端効果は無視できるものとする。
VO=10kV、d=1mmとし、比誘電率4の固体誘電体を比誘電率εrの固体誘電体に差し替え、空気ギャップの電界の強さが2.5kV/mmとなったとき、εrの値として最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。

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問題
第三種電気主任技術者(電験三種)試験 平成30年度(2018年) 問20(理論 問20) (訂正依頼・報告はこちら)
ただし、コンデンサの端効果は無視できるものとする。
VO=10kV、d=1mmとし、比誘電率4の固体誘電体を比誘電率εrの固体誘電体に差し替え、空気ギャップの電界の強さが2.5kV/mmとなったとき、εrの値として最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。

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この過去問の解説 (3件)
01
平行平板電極の面積をS[m^2]、間隔をd[m]、誘電率をε[F/m]とすると静電容量C[F]は
C=εS/d
となります。誘電体の静電容量をCr[F]、空気の静電容量をCv[F]とすると
Cr=εr×ε0×S/4d
Cv=ε0×S/d
となります。
空気ギャップに加わる電位Vv[V]は上式を用いて整理すると
Vv=Cr/(Cr+Cv)×V0=εr×ε0×S/4d/(εr×ε0×S/4d+ε0×S/d)×V0=εr/(εr+4)×V0・・・・・①
となります。
電界と電位には
V=Ed
の関係がありますので
Vv=Ed・・・・・②
として①式と②式より
Ed=εr/(εr+4)×V0
Ed(εr+4)=εr×V0
εr(Ed-V0)=-4Ed
εr=4Ed/(V0-Ed)=(4×2.5×10^6×1×10^-3)/(10×10^3-2.5×10^6×1×10^-3)=1.33333…=1.33
よって答えは3番の1.33となります。
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02
平行平板コンデンサの静電容量の計算式で
C = (εr×ε0×S)/dが成立します。
C:平行平板コンデンサ
εr:比誘電率
ε0:真空誘電率
S:極板の面積
d:極板間の間隔
上記の式より、固体誘電体静電容量Crは
Cr = (εr×ε0×S)/4d ・・・①
固体誘電体静電容量C0は
C0 = (ε0×S)/d ・・・②
誘電体と空気の境界面の電位Vはコンデンサにおける分圧の法則より
V = (Cr/(Cr+C0))×V0
上記の式に①と②を代入します。
V = ((εr×ε0×S)/4d) / ((εr×ε0×S)/4d +(ε0×S)/d ) ×V0
= (εr/4) / ((εr)/4 +1 )×V0
= (εr/4) / ((εr+1)/4 )×V0
= (εr /εr+4 )×V0 ・・・③
平行平板コンデンサの電界Eと電圧Vの関係は
V = E × d
上記の式に③を代入します。
(εr / εr + 4 ) × V0 = E × d
(εr / εr + 4 ) × 10 = 2.5×1
(10 εr /εr + 4 ) = 2.5
10 εr = 2.5 εr + 10
7.5εr = 10
εr = 10 / 7.5
εr ≓ 1.33
よって、3が正解となります。
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03
平行平板コンデンサに挿入された固体の比誘電率を求める計算問題です。
◆新たに挿入された固体の静電容量Cr’を求めます
Cr’=εrε0S/4d
◆新たに挿入された固体と空気との境界面の電位V’を求めます
V’={Cr’/(Cr’+C0)}V0 ※C0は前問より引用
={(εrε0S/4d)/((εrε0S/4d)+(ε0S/d))}V0
={(εr
ε0S/4d)/((εrε0S/4d)+(ε0S/d))}V0={(εr/4)/((εr/4)+1)}V0
={εr/(εr+4)}V0
◆新しく挿入された固体の比誘電率εrを求めます
平行平板コンデンサの電解と電圧の関係より、
V’=Ed
{εr/(εr+4)}V0=Ed
{εr/(εr+4)}×10=2.5×1
10εr/(εr+4)=2.5
10εr=2.5(εr+4)
10εr=2.5εr+10
10εr-2.5εr=10
7.5εr=10
εr=10/7.5
≒1.33
となります。
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