第三種電気主任技術者の過去問
平成30年度(2018年)
電力 問25
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第三種 電気主任技術者試験 平成30年度(2018年) 電力 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
汽力発電所の蒸気タービン設備に関する記述として、誤っているものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
- 衝動タービンは、蒸気が回転羽根(動翼)に衝突するときに生じる力によって回転させるタービンである。
- 調速装置は、蒸気加減弁駆動装置に信号を送り、蒸気流量を調整することで、タービンの回転速度制御を行う装置である。
- ターニング装置は、タービン停止中に高温のロータが曲がることを防止するため、ロータを低速で回転させる装置である。
- 反動タービンは、固定羽根(静翼)で蒸気を膨張させ、回転羽根(動翼)に衝突する力と回転羽根(動翼)から排気するときの力を利用して回転させるタービンである。
- 非常調速装置は、タービンの回転速度が運転中に定格回転速度以下となり、一定値以下まで下降すると作動して、タービンを停止させる装置である。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
1 .衝動タービンは、蒸気が回転羽根(動翼)に衝突するときに生じる力によって回転させるタービンである。 → 正しいです。
衝動タービンでは、速度を持って流れてくる流体を回転する羽根のブレードにぶつけます。それにより羽根が衝撃力を受けて回転をします。
2 .調速装置は、蒸気加減弁駆動装置に信号を送り、蒸気流量を調整することで、タービンの回転速度制御を行う装置である。→ 正しいです。
蒸気タービン、ガスタービンなどの回転速度を、負荷変動による影響を少なくして一定速度に保つ自動制御装置で、検出した回転速度と目標の回転速度の差に対して、蒸気量などの操作量を制御して回転速度を一定に保ちます。
3 .ターニング装置は、タービン停止中に高温のロータが曲がることを防止するため、ロータを低速で回転させる装置である。→ 正しいです。
ガスタービンエンジンが停止するとロータの上部と下部で温度差が生じ、ロータが上部に弓なりに曲がることがあります。これを防ぐため、緩速でロータを回転させる装置のことをターニング装置といいます。
4 .反動タービンは、固定羽根(静翼)で蒸気を膨張させ、回転羽根(動翼)に衝突する力と回転羽根(動翼)から排気するときの力を利用して回転させるタービンである。 → 正しいです。
反動式タービンは、ノズルから噴き出す高速の蒸気が羽根に衝突し衝撃力を与え、羽根の中に流入した蒸気が流出する際、膨張することによる反動で羽根の前進する力を発生させて回転させます。
5 .非常調速装置は、タービンの回転速度が運転中に定格回転速度以下となり、一定値以下まで下降すると作動して、タービンを停止させる装置である。 → 誤りです。
非常調速装置は、タービン回転数の異常な上昇を防止する装置です。何らかの理由でタービン回転数が上昇し、万一、調速機に不具合が生じて回転数の上昇を抑えることができない大事故が起きないよう、定格速度の111〔%〕以下で動作する非常調速機を設置するよう定められています。
タービン軸の遠心力が設定値より大きくなると、危急遮断装置を動作させてすべての蒸気弁を遮断し、タービンへの蒸気の流入を停止してタービンを非常停止させます。
よって誤りです。
参考になった数6
この解説の修正を提案する
02
(1)正しいです。
問題文の通り、衝動タービンはノズルから出る高速の蒸気の衝動力によってタービンを回転させています。
(2)正しいです。
問題文の通り、調速装置は蒸気加減弁開度を変えて、蒸気流量を調整することでタービンの回転速度制御を行う装置です。並列運転時は出力の増減を行います。
調速装置には機械式、油圧式、電気式があります。
(3)正しいです。
問題文の通り、ターニング装置はタービン停止中に熱による軸の曲りを防ぐために毎分数回転の低速でタービンを回転させる装置です。
(4)正しいです。
問題文の通り、反動タービンは静翼と動翼の両方で蒸気を膨張(圧力降下)させ、動翼から噴出する蒸気の反動力によってタービンを回転させています。
(5)間違いです。
非常調速装置はタービン本体がなんらかの事故により加速した場合に緊急停止させる装置です。つまり、定格回転速度以上で動作します。
よって答えは5番となります。
参考になった数3
この解説の修正を提案する
前の問題(問24)へ
平成30年度(2018年)問題一覧
次の問題(問26)へ