第三種電気主任技術者の過去問
平成30年度(2018年)
電力 問24

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成30年度(2018年) 電力 問24 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、水車の比速度に関する記述である。

比速度とは、任意の水車の形(幾何学的形状)と運転状態(水車内の流れの状態)とを( ア )変えたとき、( イ )で単位出力(1kW)を発生させる仮想水車の回転速度のことである。
水車では、ランナの形や特性を表すものとしてこの比速度が用いられ、水車の( ウ )ごとに適切な比速度の範囲が存在する。
水車の回転速度をn[min-1]、有効落差をH[m]、ランナ1個当たり又はノズル1個当たりの出力をP[kW]とすれば、この水車の比速度nsは、次の式で表される。
問題文の画像
  • ( ア )一定に保って有効落差を  ( イ )単位流量(1m3/s)  ( ウ )出力  ( エ )大きい  ( オ )高い効率を得
  • ( ア )一定に保って有効落差を  ( イ )単位落差(1m)    ( ウ )種類  ( エ )大きい  ( オ )キャビテーションが生じ
  • ( ア )相似に保って大きさを   ( イ )単位流量(1m3/s)  ( ウ )出力  ( エ )大きい  ( オ )高い効率を得
  • ( ア )相似に保って大きさを   ( イ )単位落差(1m)    ( ウ )種類  ( エ )小さい  ( オ )キャビテーションが生じ
  • ( ア )相似に保って大きさを   ( イ )単位流量(1m3/s)  ( ウ )出力  ( エ )小さい  ( オ )高い効率を得

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この過去問の解説 (2件)

01

解答
比速度とは、任意の水車の形(幾何学的形状)と運転状態(水車内の流れの状態)とを(ア)「相似に保って大きさを」変えたとき、(イ)「単位落差(1m)」で単位出力(1kW)を発生させる仮想水車の回転速度のことである。
水車では、ランナの形や特性を表すものとしてこの比速度が用いられ、水車の(ウ)「種類」ごとに適切な比速度の範囲が存在する。
・・・略・・・
通常、ペルトン水車の比速度は、フランシス水車の比速度より(エ)「小さい」。
比速度の大きな水車を大きな落差で使用し、吸出し管を用いると、放水速度が大きくなって、(オ)「キャビテーションが生じ」やすくなる。そのため、各水車には、その比速度に適した有効落差が決められている。

よって答えは4番の(ア)相似に保って大きさを、(イ)単位落差(1m)、(ウ)種類、(エ)小さい、(オ)キャビテーションが生じ、となります。

解説
比速度は水車の回転速度の決定に使用されます。
①有効落差より水車の種類を決定します。
②水車の種類と有効落差によって水車の比速度を決定する。
③有効落差と最大使用水量から水車の出力を算出し、この出力と有効落差、比速度から回転速度を求めます。
④水車の回転速度を同期速度を求める式に代入して極数を求めます。この極数より大きく、かつ最も近い偶数を選定します。
⑤極数を選定したら、最終的な回転速度を同期速度の式から求めます。
おおよそ以上の手順で回転速度が決定されます。
同期速度の式より回転速度が速い程、極数を減らすことが出来るので機器重量が軽くなり、経済的になります。

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02

正解は4です。

水車の比速度は、水車と相似な水車を仮定し、これを単位落差(1m)運転させた時、単位出力1kWを発生させたときの1分間当たりの回転数min^{-1}を言います。
比速度の単位は[mkW]が使用されています。

ペルトン水車とは、水の速度のみを利用する水車で、落差の大きいときに用いられ、適用落差は17~500mです。
フランシス水車とは、水の圧力と速度をランナと呼ばれる羽根車に作用させる構造となっていて、適用落差は10~300mです。
出力が大きな水車ほど比速度が大きくなり、有効落差が大きい場合は比速度が小さくなります。

吸出し管は水車のランナ出口と放水面をつなぐ管で、水をその中に充満させて流し、吸出し管頂部を大気圧以下の負圧力として、この間の落差を有効に利用するものです。
ただし、吸出し高さがあまり高過ぎると、キャビテーションが発生しやすくなります。

以上のことより、正解は
4 .( ア )相似に保って大きさを  ( イ )単位落差(1m)
  ( ウ )種類  ( エ )小さい  ( オ )キャビテーションが生じ
となります。

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