第三種電気主任技術者の過去問
平成30年度(2018年)
電力 問23

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成30年度(2018年) 電力 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、タービン発電機の水素冷却方式の特徴に関する記述である。

水素ガスは、空気に比べ( ア )が大きいため冷却効率が高く、また、空気に比べ( イ )が小さいため風損が小さい。
水素ガスは、( ウ )であるため、絶縁物への劣化影響が少ない。水素ガス圧力を高めると大気圧の空気よりコロナ放電が生じ難くなる。
水素ガスと空気を混合した場合は、水素ガス濃度が一定範囲内になると爆発の危険性があるので、これを防ぐため自動的に水素ガス濃度を( エ )以上に維持している。
通常運転中は、発電機内の水素ガスが軸に沿って機外に漏れないように軸受の内側に( オ )によるシール機能を備えており、機内からの水素ガスの漏れを防いでいる。

上記の記述中の空白箇所( ア )、( イ )、( ウ )、( エ )及び( オ )に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
  • ( ア )比熱  ( イ )比重  ( ウ )活性   ( エ )90%  ( オ )窒素ガス
  • ( ア )比熱  ( イ )比重  ( ウ )活性   ( エ )60%  ( オ )窒素ガス
  • ( ア )比熱  ( イ )比重  ( ウ )不活性  ( エ )90%  ( オ )油膜
  • ( ア )比重  ( イ )比熱  ( ウ )活性   ( エ )60%  ( オ )油膜
  • ( ア )比重  ( イ )比熱  ( ウ )不活性  ( エ )90%  ( オ )窒素ガス

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この過去問の解説 (2件)

01

解答
水素ガスは、空気に比べ(ア)「比熱」が大きいため冷却効率が高く、また、空気に比べ(イ)「比重」が小さいため風損が小さい。
水素ガスは、(ウ)「不活性」であるため、絶縁物への劣化影響が少ない。水素ガス圧力を高めると大気圧の空気よりコロナ放電が生じ難くなる。
水素ガスと空気を混合した場合は、水素ガス濃度が一定範囲内になると爆発の危険性があるので、これを防ぐため自動的に水素ガス濃度を(エ)「90%」以上に維持している。
通常運転中は、発電機内の水素ガスが軸に沿って機外に漏れないように軸受の内側に(オ)「油膜」によるシール機能を備えており、機内からの水素ガスの漏れを防いでいる。

よって答えは3番の(ア)比熱、(イ)比重、(ウ)不活性、(エ)90%、(オ)油膜となります。

解説
タービン発電機の空気冷却に対する水素冷却方式の特徴は以下の通りです。
①比熱が空気に比べ14.3倍と大きく、熱伝達率が大きいので冷却効果が向上します。
②比重が空気の0.07倍と小さいため、風損を約1/10に減少することができます。
③水素は不活性ガスであるため、コロナ発生開始電圧が高く、コロナが発生しにくくなり、絶縁物の損傷が少なくなり寿命を延ばすことができます。
④水素ガスに空気が混入し、水素純度が4~77%に低下すると引火、爆発の危険があるため、気密耐爆構造となっており、軸の貫通部の水素漏れ防止装置として、油膜を利用する軸受密封油装置を設けています。
⑤運転中の騒音が少ないので、環境保全上優れています。

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02

正解は3です。

水素冷却方式とは、回転子および固定子を水素で冷却する方式です。
特徴として、下記のような内容があげられます。

・水素の比熱は空気の14倍のため、冷却効果が向上する。
・水素の密度は空気の約7〔%〕のため、通風損失が空気の場合と比べ約10〔%〕に減少し、発電機効率は上昇する。
・水素は不活性のため、絶縁物の劣化が少ない。
・コロナ発生電圧が高いので、コロナの発生が少ないため、水素の純度を90%以上を維持するよう常時監視をおこなうことで、爆発の危険性を回避することができる。
・水素ガスを密封する方法として、軸と密封リングのすき間に油を流れ込ませ、油膜をつくって密封する。

以上の特徴より、正しい組合せは
3. (ア )比熱  ( イ )比重  ( ウ )不活性
  ( エ )90%  ( オ )油膜
となります。

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