第三種電気主任技術者の過去問
平成30年度(2018年)
機械 問53

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成30年度(2018年) 機械 問53 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、直流を交流に変換する電力変換器に関する記述である。

図は、直流電圧源から単相の交流負前に電力を供給する( ア )の動作の概念を示したものであり、( ア )は四つのスイッチS1〜S4から構成される。
スイッチS1〜S4を実現する半導体バルブデバイスは、それぞれ( イ )機能をもつデバイス(例えばIGBT)と、それと逆並列に接続した( ウ )とからなる。
この電力変換器は、出力の交流電圧と交流周波数とを変化させて運転することができる。交流電圧を変化させる方法は主に二つあり、一つは、直流電圧源の電圧Eを変化させて、交流電圧波形の( エ )を変化させる方法である。もう一つは、直流電圧源の電圧Eは一定にして、基本波1周期の間に多数のスイッチングを行い、その多数のパルス幅を変化させて全体で基本波1周期の電圧波形を作り出す( オ )と呼ばれる方法である。

上記の記述中の空白箇所( ア )、( イ )、( ウ )、( エ )及び( オ )に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • ( ア )インバータ  ( イ )オンオフ制御  ( ウ )サイリスタ  ( エ )周期   ( オ )PWM制御
  • ( ア )整流器    ( イ )オンオフ制御  ( ウ )ダイオード  ( エ )周期   ( オ )位相制御
  • ( ア )整流器    ( イ )オン制御    ( ウ )サイリスタ  ( エ )波高値  ( オ )PWM制御
  • ( ア )インバータ  ( イ )オン制御    ( ウ )ダイオード  ( エ )周期   ( オ )位相制御
  • ( ア )インバータ  ( イ )オンオフ制御  ( ウ )ダイオード  ( エ )波高値  ( オ )PWM制御

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は5です。

インバータは、交流の入力に対して、まずコンバータ回路で一定の交流を直流に変換します(整流)。さらに、コンデンサによって充電と放電を繰り返しながら平滑し、直流に近い形に変えます。
次に、インバータ回路で電圧や周波数を変えた交流を出力します。直流/交流変換の仕組みは、「IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)」などのパワートランジスタより、ON/OFFの間隔を変えて、幅の異なるパルス波を作り、それらを合成し、疑似的な正弦波にします。

なお電力変換器は、インバータ回路により出力の交流電圧と交流周波数とを変化させて運転しますが、電圧制御の方法には、下記の2種類があります。
・パルス制御(PWM制御):パルスの周期は一定で、スイッチのON/OFFにより、出力が必要とする電力に該当する分取り出します。
・パルス幅変調制御(PFM制御):パルスのON時間、またはOFF時間を一定にし、出力が必要とする電力に該当する分取り出します。よってパルス周期は一定ではありません。

これらのことより、
5 .( ア )インバータ  ( イ )オンオフ制御  ( ウ )ダイオード
 ( エ )波高値  ( オ )PWM制御
となります。

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02

解答
図は、直流電圧源から単相の交流負前に電力を供給する(ア)「インバータ」の動作の概念を示したものであり、(ア)「インバータ」は四つのスイッチS1〜S4から構成される。
スイッチS1〜S4を実現する半導体バルブデバイスは、それぞれ(イ)「オンオフ制御」機能をもつデバイス(例えばIGBT)と、それと逆並列に接続した(ウ)「ダイオード」とからなる。
この電力変換器は、出力の交流電圧と交流周波数とを変化させて運転することができる。交流電圧を変化させる方法は主に二つあり、一つは、直流電圧源の電圧Eを変化させて、交流電圧波形の(エ)「波高値」を変化させる方法である。もう一つは、直流電圧源の電圧Eは一定にして、基本波1周期の間に多数のスイッチングを行い、その多数のパルス幅を変化させて全体で基本波1周期の電圧波形を作り出す(オ)「PWM制御」と呼ばれる方法である。

よって答えは5番の(ア)インバータ、(イ)オンオフ制御、(ウ)ダイオード、(エ)波高値、(オ)PWM制御となります。

解説
今回の問題は電圧形インバータの動作概念を説明したものです。
電圧形インバータには半導体バルブデバイスに逆並列された帰還ダイオードと呼ばれるダイオードがあります。このダイオードは誘導性負荷に蓄えられたエネルギーを放出するために必要となり、このエネルギーはダイオードを通って電源に帰還されます。
PWMはPulse Width Modulationの頭文字を取っており、パルス幅変調と呼ばれます。基準波を三角波である搬送波と比較することでインバータから出力するパルスの幅を変え、出力電圧の平均値を制御します。低次元の高調波を抑制することができます。

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