第三種電気主任技術者の過去問
令和元年度(2019年)
電力 問37

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和元年度(2019年) 電力 問37 (訂正依頼・報告はこちら)

復水器の冷却に海水を使用し、運転している汽力発電所がある。このときの復水器冷却水流量は30m3/s、復水器冷却水が持ち去る毎時熱量は3.1 × 109kJ/h、海水の比熱容量は4.0kJ/(kg·K)、海水の密度は1.1 × 103kg/m3、タービンの熱消費率は8000kJ/(kW·h)である。
この運転状態について、次の問に答えよ。
ただし、復水器冷却水が持ち去る熱以外の損失は無視するものとする。

タービン出力の値[MW]として、最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
  • 350
  • 500
  • 700
  • 800
  • 1000

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、3番の700[MW]です。

また、この問いを解くために必要な数値は

・復水器冷却水が持ち去る毎時熱量は3.1 × 10^9[kJ/h]
・タービンの熱消費率は8000[kJ/(kW·h)]

の2つのみで、それ以外の与えられた数値は使いません。


【解説】
タービン出力の値[MW]を求められています。

この問いを解くポイントは、
・タービンの熱消費率は8000[kJ/(kW·h)]
のイメージがしっかりできているかどうかです。

タービンの熱消費率8000[kJ/(kW·h)]というのは、
「タービン入力が8000[kJ]のとき、タービン出力が1[kWh](=3600[kJ])である」
という意味です。

つまり残りの、
8000-3600=4400[kJ]
は「復水器が持ち去る熱量」になります。
ここまでは、タービン出力が1[kWh](=3600[kJ])である時の話でした。


今回の問いでは、タービン出力[kW]が不明ですので
・タービン出力=PT[kW]
として、「復水器が持ち去る"毎時"熱量」の式を考えると、

(8000-3600)×PT=「復水器が持ち去る"毎時"熱量」

となります。

ここで、「復水器が持ち去る"毎時"熱量」は題意より
・3.1 × 10^9[kJ/h]です。

つまり、

PT=3.1×10^9[kJ/h]/(8000-3600)
 ≒704545[kW]

となります。

求められている単位は[MW]ですので、
答えは約700[MW]となります。

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02

問題文の記述から、タービンの熱消費率からタービンへの入力と出力の関係を読み取ること、入力と出力の差が復水器冷却水であることを読み取るのがポイントです。

タービン熱消費率の定義から、1kW=3600kJ/h発電するのに8000kJ/h の蒸気でタービンを回す必要があります。

すなわち8000−3600=4400kJ/hが復水器冷却水が持ち去る熱損失です。

復水器冷却水が持ち去る毎時熱量は問題文より、3.1 x 10^9kJ/hなので、求めるタービン出力は

3.1 x 10^9 / 4400 ≒ 704545kW = 704.545MW

よって答えは700MWの3です。

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