第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和元年度(2019年)
問42 (電力 問42)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和元年度(2019年) 問42(電力 問42) (訂正依頼・報告はこちら)

三相3線式配電線路の受電端に遅れ力率0.8の三相平衡負荷60kW(一定)が接続されている。次の問に答えよ。
ただし、三相負荷の受電端電圧は6.6kV一定とし、配電線路のこう長は2.5km、電線1線当たりの抵抗は0.5Ω/km、リアクタンスは0.2Ω/kmとする。なお、送電端電圧と受電端電圧の位相角は十分小さいものとして得られる近似式を用いて解答すること。また、配電線路こう長が短いことから、静電容量は無視できるものとする。

受電端の電圧降下率を2.0%以内にする場合、受電端でさらに増設できる負術電力(最大)の値[kW]として、最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。ただし、負荷の力率(遅れ)は変わらないものとする。
  • 476
  • 536
  • 546
  • 1280
  • 1340

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この過去問の解説 (3件)

01

(受電端と送電端電圧の位相角が十分小さい時の)電圧降下の式、及び電圧降下率の定義を正しく理解しておくことがポイントです。

電圧降下率の定義から電圧降下ΔEは
ΔE/6.6e3 = 2/100
よってΔE=132 V

またΔE=√3I*(Rcosθ+Xsinθ)であり
R = 0.5*2.5=1.25Ω
X = 0.2*2.5=0.5Ω
cosθ=0.8
sinθ=√(1-cosθ*cosθ)=0.6を代入して

I≒58.6 A

よって受電端に接続できる最大電力は
√3*6.6 * 58.6*cosθ≒536 kW

既に三相負荷60kWg接続されているので、増設できるのは
536-60=476kW

正解は1です。

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02

正解は1番の476[kW]です。

【解答の方針】
送電端電圧と受電端電圧の位相角は十分小さいものとして得られる近似式を用います。

ES ≒ ER + I ( rcosθ + xsinθ )

【解答】
1、題意にて提示されている値から代入すべき値を洗い出します。

 ・ER = 6600/√3 [V]
 ・r = 0.5×2.5 = 1.25 [Ω]
 ・x = 0.2×2.5 = 0.5 [Ω]
 ・cosθ = 0.8
 ・sinθ = √(1-0.8^2) = 0.6
 ・ (電圧降下率2%より) ER = 0.98ES
  ES = ER / 0.98 = 6600/√3/0.98 = 6735/√3 [kV]
 
2、式を変形して、Iを求めます。

 I = ( ES - ER ) / ( rcosθ + xsinθ )
  = ( 6735/√3 - 6600/√3 ) / (1.25 × 0.8 + 0.5 × 0.8)
  ≒60[A]

3、電圧降下率2%時の受電端負荷PR’を求めます。

 PR’=√3VRIcosθより
   =√3×6.6×60×0.8
   =548.7[kW]

4、受電端でさらに増設できる負荷電力の値を求めます。

 PR'-PR=548.7-60=488.7[kW]


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03

受電端に増設できる負荷電力の最大値を求める計算問題です。

選択肢1. 476

◆電圧降下率2.0%の時の電圧降下εを求めます

 

ε=6.6×103×(2.0/100)

=132[V]

 

 

◆無効力率sinθを求めます

 

sinθ=√(1-cos2θ)

=√(1-0.82)

=0.6

 

 

◆配電線路に流せる最大電流Imを求めます

配電線の電圧降下の近似式ε=√3Im(Rcosθ+Xsinθ)より

 

Im=ε/{√3(Rcosθ+Xsinθ)}

=132/{√3(1.25×0.8+0.5×0.6)}

≒58.62[A]

 

※RとXの値については、前問から引用

 

 

◆受電端に接続できる最大電力Pmを求めます

 

Pm=√3VrImcosθ

=√3×6.6×103×58.62×0.8

≒536093[W]

→536[kW]

 

 

◆受電端に増設できる負荷電力Pを求めます

問題文に「三相平衡負荷60kW(一定)が接続」とあるので、

 

P=Pm-60

=536-60

=476[kW]

 

となります。

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