第三種電気主任技術者の過去問
令和元年度(2019年)
機械 問52
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和元年度(2019年) 機械 問52 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章は、単相サイリスタ整流回路に関する記述である。
図1には純抵抗負荷に接続された単相サイリスタ整流回路を示し、T1〜T4のサイリスタはオン電圧降下を無視できるものとする。また、図1中の矢印の方向を正とした交流電源の電圧 v = Vsinωt[V]及び直流側電圧 vdの波形をそれぞれ破線及び実線で図2に示す。
図2に示した交流電圧の位相において、π<ωt<2πの位相で同時にオン信号を与えるサイリスタは( ア )である。
交流電圧1サイクルの中で、例えばサイリスタT4からT2へ導通するサイリスタが換わる動作を考える。T4がオンしている状態から位相πで電流が零になると、T4はオフ状態となる。その後、制御遅れ角 αを経てT2にオン信号を与えると、電流がT2に流れる。このとき既に電流が零になったT4には、交流電圧 vが( イ )として印加される。すなわち、( ウ )であるサイリスタは、極性が変わる交流電圧を利用してターンオフすることができる。
次に交流電圧と直流側電圧の関係について考える。サイリスタT2とT3がオンしている期間は交流電源の( エ )と直流回路のN母線が同じ電位になるので、このときの直流側電圧vdは( オ )と等しくなる。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
図1には純抵抗負荷に接続された単相サイリスタ整流回路を示し、T1〜T4のサイリスタはオン電圧降下を無視できるものとする。また、図1中の矢印の方向を正とした交流電源の電圧 v = Vsinωt[V]及び直流側電圧 vdの波形をそれぞれ破線及び実線で図2に示す。
図2に示した交流電圧の位相において、π<ωt<2πの位相で同時にオン信号を与えるサイリスタは( ア )である。
交流電圧1サイクルの中で、例えばサイリスタT4からT2へ導通するサイリスタが換わる動作を考える。T4がオンしている状態から位相πで電流が零になると、T4はオフ状態となる。その後、制御遅れ角 αを経てT2にオン信号を与えると、電流がT2に流れる。このとき既に電流が零になったT4には、交流電圧 vが( イ )として印加される。すなわち、( ウ )であるサイリスタは、極性が変わる交流電圧を利用してターンオフすることができる。
次に交流電圧と直流側電圧の関係について考える。サイリスタT2とT3がオンしている期間は交流電源の( エ )と直流回路のN母線が同じ電位になるので、このときの直流側電圧vdは( オ )と等しくなる。
上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
- ( ア )T2とT3 ( イ )順電圧 ( ウ )オン制御デバイス ( エ )A端子 ( オ )交流電圧の逆方向電圧 - v
- ( ア )T1とT4 ( イ )逆電圧 ( ウ )オン制御デバイス ( エ )B端子 ( オ )交流電圧v
- ( ア )T2とT3 ( イ )逆電圧 ( ウ )オン制御デバイス ( エ )A端子 ( オ )交流電圧の逆方向電圧 - v
- ( ア )T1とT4 ( イ )順電圧 ( ウ )オンオフ制御デバイス ( エ )B端子 ( オ )交流電圧の逆方向電圧 - v
- ( ア )T2とT3 ( イ )逆電圧 ( ウ )オンオフ制御デバイス ( エ )B端子 ( オ )交流電圧v
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この過去問の解説 (2件)
01
ア、π<ωT<2πでは、交流電源vは負の値であるから電流の流れは
B端子→T3→負荷→T2→A端子→交流電源となります。この時同時にオンになるのはT2とT3です。
イ、T2に電流が流れるとき、アで述べたようにB端子側が正、A端子側が負の値なので、T4にかかる電圧は逆電圧(導通とは逆の電圧)になります。
ウ、サイリスタは順方向の電圧がかかり、ゲートにオン信号が入った時オン(導通)し、ゲートがオフになっても導通し続け、電流が保持電流以下もしくは逆電圧がかかるとオフ(非導通)する特性を持つので、オン制御デバイスである。
エ、アで述べたようにT2とT3がオンしている時は、B端子→T3→負荷(→N母線)→T2→A端子→交流電源、で電流が流れている。すなわちA端子とN母線は同電位である。
オ、エの時、A端子電位=-V=N母線電位なので、直流電圧vd=-vとなる。
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02
(ア)
図2に示した交流電圧の位相において、位相がπ<ωt<2πの時、図1においてはB端子側がプラス、A端子側がマイナスになります。
プラスのB端子側から回路を追っていくと、まず「T3」が順方向なのでONになります。
このあとは、P母線→負荷→N母線とたどり、A端子側(マイナス)に帰っていくため、「T2」がONとなります。
従って、同時にオン信号を与えるサイリスタは「T2とT3」になります。
(イ)
サイリスタT4からT2へ導通するサイリスタが換わる動作の時に関する記述です。これは、図1において
・A端子側がプラス B端子側がマイナス
の状態から
・B端子側がプラス A端子側がマイナス
に変わる時を意味しています。
従ってこの時、T4には交流電圧 vが「逆電圧」として印加されます。
(ウ)
サイリスタは「オン制御デバイス」です。これは、順方向に電圧が印加されているとき、オフ状態からオン状態に制御でき、オン状態からオフ状態へは制御できません。電流が 0 となり逆電圧が加わったときにオフとなります。
(エ)
サイリスタT2とT3がオンしている期間は、交流側はB端子側がプラス、A端子側がマイナスになります。従って、直流回路のN母線と同じ電位になるのは「A端子側」です。
(オ)
このときの直流側電圧vdは「交流電圧の逆方向電圧 - v」と等しくなります。
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