第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和元年度(2019年)
問55 (機械 問55)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和元年度(2019年) 問55(機械 問55) (訂正依頼・報告はこちら)

図1に示すR - L回路において、端子 a - a’間に5Vの階段状のステップ電圧 υ1(t)[V]を加えたとき、抵抗R2[Ω]に発生する電圧を υ2(t)[V]とすると、 υ2(t)は図2のようになった。この回路のR1[Ω]、R2[Ω]及びL[H]の値と、入力を υ1(t)、出力を υ2(t)としたときの周波数伝達関数G(jω)の式として、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (3件)

01

正しい組み合わせは、4番です。

【周波数伝達関数 G(jω)を求めます】

1、図1から読み取れることが2つあります。
 ①v1=I*(R1+R2+jωL)
 ②v2=I*R2


2、図2から読み取れることが2つあります。
 ・原点から接線が0.02[s]後に1[V]
 ・0.02[s]後に0.63[V]

  上記2つから分かることは
   ③v2の定常値は1[V]
   ④時定数τ=0.02[s] =L/(R1+R2)
    よって、L=0.02(R1+R2)


3、③と図1から読み取れることが1つです。
 ・R1:R2=4:1
  よって、⑤R1=4R2


4、これらから、周波数伝達関数G(jω)を考えます。

 G(Jω)=v2/v1  ・・・・・①②を代入
    =I*R2 / I*(R1+R2+jωL)
    =R2 / (R1+R2+jωL) ・・・⑤を代入
    =R2 / (5R2+jωL) ・・・④を代入
    =R2 / (5R2+jω*0.02*5R2)
    =1/(5+j0.1ω)
    =0.2/(1+j0.02ω)

 G(Jω)=0.2/(1+j0.02ω) 

 よって、選択肢4番が正解と導けます。


なお、R1、R2、Lに関しては、④⑤より、比率で考えていきます。

 R1:R2:L = 4:1:0.1
 (この比率が成立すれば、v2の過渡現象は図2のグラフと同等になります)

上記の比率が成立するのは、2番と4番です。


よって、4番が正しい組み合わせになります。

参考になった数5

02

正解は4です。

難しく見えるが、回路方程式を立てて解くことは他の問題と同様。自動制御については伝達関数・時定数などの知識を知っておくことが重要です。

回路方程式より
v1=(R1+R2+jωL)*i
i=v2/R2

この2式を変更して
v2/v1=R2/(R1+R2+jωL) ①

ここで伝達関数G(jω)=v2/v1=K/(1+jTω) ②式
(Tは時定数、Kは過渡現象の最終値)

①と②は同じこと違う表現で表しているので両者を見比べて

K=R2/(R1+R2)
T=L/(R1+R2)

(1)~(5)の選択肢で与えられたR1、 R2、 Lの値を代入してG(jω)を計算すると条件を満たすのは(4)となる。

参考になった数2

03

周波数伝達関数に関する計算問題です。

 

この問題を解くにあたり、以下の公式を整理しておきましょう。

 

・一次遅れ伝達関数の公式

G(jω)=K/(1-jωT)

 

・ゲイン

K=出力/入力

 

・RL回路の時定数

T=L/R

選択肢4. 解答選択肢の画像

◆一次遅れ伝達関数のゲインKを求めます

入力電圧と出力電圧の値の時刻を無限大として、ゲインを求めます。

 

K=v2(∞)/v1(∞)

=1/5

=0.2

 

 

◆時定数Tを求めます

問題文で与えられた回路は、RL直列回路なので、

 

T=L/R

=L/(R1+R2)

 

となります。

時定数は電圧が63.2%に達するまでの時間を意味しているため、図2より

 

T=L/R

=L/(R1+R2)

=0.02

 

となります。

 

 

◆ゲインと時定数を一次遅れ伝達関数の公式に当てはめます

 

G(jω)=K/(1-jωT)

=0.2/(1-j0.02ω)

 

この段階で、5つあった選択肢は2つに絞られます。

 

 

◆残った2つの選択肢の抵抗値から、ゲインと時定数の値が一致する選択肢を探します

ここでは、正解となる選択肢の値のみを計算しています。

 

・ゲインK

ゲインは入力電圧と出力電圧の関係を表しているため、オームの法則を適用し、電流の項を約分すると、

K=v2(∞)/v1(∞)

=R2/(R1+R2)

=1/(4+1)

=1/5

=0.2

 

と求めることができます。

 

・時定数T

T=L/R

=L/(R1+R2)

=0.1/(4+1)

=0.02

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