第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和2年度(2020年)
問18 (理論 問18)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和2年度(2020年) 問18(理論 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

最大目盛150V、内部抵抗18kΩの直流電圧計V1と最大目盛300V、内部抵抗30kΩの直流電圧計V2の二つの直流電圧計がある。ただし、二つの直流電圧計は直動式指示電気計器を使用し、固有誤差はないものとする。次の問に答えよ。

直流電圧450Vの電圧を測定するために、二つの直流電圧計の指示を最大目盛にして測定したい。そのためには、直流電圧計( ア )に、抵抗( イ )kΩを( ウ )に接続し、これに直流電圧計( エ )を直列に接続する。このように接続して測定することで、各直流電圧計の指示を最大目盛にして測定をすることができる。

上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の選択肢の中から一つ選べ。
  • ア:V1  イ:90  ウ:直列  エ:V2
  • ア:V1  イ:90  ウ:並列  エ:V2
  • ア:V2  イ:90  ウ:並列  エ:V1
  • ア:V1  イ:18  ウ:並列  エ:V2
  • ア:V2  イ:18  ウ:直列  エ:V1

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「2」です。

直流電圧計に関する問題です。

直流電圧計に流せる電流について

・V1は最大目盛150[V],内部抵抗18[kΩ]のため,オームの法則に従い

*I1 = 150/18 = 8.33[mA] ・・・①

・V2は最大目盛300[V],内部抵抗30[kΩ]のため,オームの法則に従い

*I2 = 300/30 = 10[mA] ・・・②

・二つの直流電圧計の指示を最大目盛として450[V]を測定するためには,直流電圧計を直列に接続する必要があります。

 この,直列回路に流せる電流I[mA]は,①・②の内,最小の値 = 8.33[mA]となりますが,この場合ではV2が最大目盛りで測定できなくなります。

◆V2を最大目盛りとして450[V]を測定する方法

・V2を最大目盛りで測定できるように,V1に並列で抵抗を組みわせ,直列回路全体にに流せる電流Iを10[mA]に引き上げます。

 この時,抵抗に流れる電流Irについては次の通りです。

*Ir = I2 − I1

  = 10 − 8.33 = 1.67[mA] ・・・③

・並列抵抗の抵抗値を,③を用いて,オームの法則に従い,次の通り算出します。

*r = V1/Ir

  = 150/1.67 = 89.8 ≒ 90[kΩ]

よって,正解は「2」となります。

・直流電圧450Vの電圧を測定するために、二つの直流電圧計の指示を最大目盛にして測定したい。そのためには、直流電圧計( ア:V1 に、抵抗( イ:90 )kΩを( ウ:並列 )に接続し、これに直流電圧計( エ:V2を直列に接続する。このように接続して測定することで、各直流電圧計の指示を最大目盛にして測定をすることができる。

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02

正解は2です。

直流電圧計V1、V2を直列に接続した場合、それぞれの直流電圧計に流れる最大電流Im1、Im2は、下記のように求めることができます。

 Im1 = 最大目盛 / 直流電圧計内部抵抗 = 150 / (18×103) ≒ 8.33 [mA]

 Im2 = 最大目盛 / 直流電圧計内部抵抗 = 300 / (30×103) = 10 [mA]

直流電圧計V1、V2は直列に接続されているので、この回路に流せる最大電流Imは、Im1、Im2を比較したときに、小さいほうの電流がImの値となります。

よって、Im = Im1 = 8.33 [mA] となります。


直流電圧計V1、V2を直列に接続した場合、V1、V2を最大目盛で使うためには、それぞれの直流電圧計に流れる最大電流Im1、Im2の関係より、下記のように考えることができます。

直流電圧計V1:Im = Im1なので、最大目盛は150V使用できます。

直流電圧計V2:Im<Im2なので、直流電圧計V2には Im2 = 8.33 [mA] までしか流すことができません。

最大目盛300Vまで使用するためには、直流電圧計V1に並列に抵抗Rを接続する必要があります。

抵抗Rに流れる電流をIrとすると、下記のように計算できます。

 Ir = 10×10-3 − 8.33×10-3 = 1.67×10-3 [A]

直流電圧計V1が最大目盛150Vの時の抵抗Rは、下記の計算で求めることができます。

R = Vr / Ir = V1 / Ir = 150 / (1.67×10-3)

        ≒ 89.8×103 [Ω]

         ≒ 90 [kΩ]

よって、2 の「ア:V1 イ:90 ウ:並列 エ:V2」が正解です。

参考になった数3

03

前問からの続きとなります。

前問の結果より、二つの直流電圧計を直列に接続した時の最大使用電圧は400[V]となっています。本問ではその最大使用電圧を450[V]フルに使用したいと言っています。そのためには二つの直流電圧計の結線方法を変更させる必要があります。

まずは前問と同じように分圧則の式から条件にあったそれぞれの内部抵抗値を求めていきます。

 

【直流電圧計V1

・V1=(R1/R1+R2)×V=150[V]=(R1/R1+30×103)×450

・150×(R1+30×103)=450R1

・300R1=4500×103

・R1=15×103=15[kΩ]

上記の結果より使用電圧を450[V]にするには内部抵抗R1を15[kΩ]にする必要があります。

内部抵抗R1を15[kΩ]にするには直流電圧計V1に抵抗を並列に接続する必要があります。その抵抗の値は次のようになります。

・15[kΩ]=(18×103×R1´)/(18×103+R1´)

・15×103×(18×103+R1´)=18×103×R1´

・270×106×15×103R1´=18×103×R1´

・270×106=3×103×R1´

・R1´=270×106/3×103=90×10390[kΩ]

以上となり、これに直流電圧計V2を直列に接続すれば使用電圧が450[V]となります。

 

【直流電圧計V2

・V2=(R2/R1+R2)×V=300[V]=(R2/18×103+R2)×450

・300×(18×103+R2)=450R2

・150R2=5400×103

・R2=36×103=36[kΩ]

上記の結果より使用電圧を450[V]にするには内部抵抗R2を36[kΩ]にする必要があります。

内部抵抗R2を36[kΩ]にするには直流電圧計V2に抵抗を並列に接続する必要があります。その抵抗の値は次のようになります。

・36[kΩ]=(30×103×R2´)/(30×103+R2´)

・36×103×(30×103+R2´)=30×103×R2´

・1080×106×36×103R2´=30×103×R2´

・1080×106=6×103×R2´

・R2´=1080×106/6×103=180×103180[kΩ]

以上となり、これに直流電圧計V1を直列に接続すれば使用電圧が450[V]となります。

 

よって各空白箇所は次のようになります。

( ア )‥V1、( イ )‥90、( ウ )‥並列、( エ )‥V2

 

選択肢2. ア:V1  イ:90  ウ:並列  エ:V2

こちらが適切な解答となります。

まとめ

既存の回路に抵抗を並列に接続させることでより多くの電流を流せるから電圧も上昇します。

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