第三種電気主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
機械 問51

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和2年度(2020年) 機械 問51 (訂正依頼・報告はこちら)

一次線間電圧が66kV、二次線間電圧が6.6kV、三次線間電圧が3.3kVの三相三巻線変圧器がある。一次巻線には線間電圧66kVの三相交流電源が接続されている。二次巻線に力率0.8、8000kV・Aの三相誘導性負荷を接続し、三次巻線に4800kV・Aの三相コンデンサを接続した。一次電流の値[A]として、最も近いものを次の選択肢の中から一つ選べ。ただし、変圧器の漏れインピーダンス、励磁電流及び損失は無視できるほど小さいものとする。
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この過去問の解説 (2件)

01

正解:【2】

この問題を解くためは、各有効電力Px(x は 1,2,3)を計算する必要があります。

ここで使うのは、

 有効電力P [kW]

 無効電力Q [kvar]

 皮相電力S [kV・A]

であり、次の関係があります。

 S2 = P2 + Q2

 P = S cos Θ

 Q = S sin Θ

 S = √3 VI

1)まずは2次側の計算をします。

 P2 = S2*cos Θ

   = 8000*0.8

   = 6400 [kW]

 Q2 = √(S22 − P22)

   = √(80002 − 64002)

   = 4800 [kvar]

2)3次側はコンデンサのみの負荷であるため、有効電力は0となります。

 そのため、Q3 = 4800 [kvar]

2次側の負荷は誘導性である一方、3次側は容量性の負荷です。そのため、無効電力の向きは反対となります。

大きさは、同じく4800 kvarであるため、消し合う形になります。

よって、1次側の皮相電力S1はP1のみとなり、P2と同じになります。

そこから電流を計算できます。

 P1 = √3*V1*I1

よって、

 I1 = P1 / (√3*V1)

  = 6400 / (√3*66)

  ≒ 56 [A]

以上により、選択肢の【2】が正解となります。

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02

二次側の誘導性負荷に流れる電流I2は、

問題文で与えられている皮相電力8000kVAと、電圧6.6kVより、

I2 = (8000 × 103)/(√3 × 6.6 × 103)

 = 699.8 [A]

力率が0.8であることから、

I2ベクトルとしては、

 = I2(cosθ − jsinθ)

 = 699.8(0.8 − j0.6)

 = 559.8 − j419.9

です。

ここで、I2を一次側に換算します。

このI2の一次側換算電流をI12とすると、

変圧器における電圧比と電流比は逆比になることから、

I12 = 6.6/66 × I2

 = 55.98 − j41.99

と表せます。

一方、三次側の電流I3は、

I3 = (4800 × 103) / (√3 × 3.3 × 103)

 = 839.8 [A]

三次側においては、力率0の純容量性負荷だと考えることができるため、

I3ベクトルは虚部しか存在せず、

= j839.8 [A] です。

二次側同様に一次側換算電流をI13とすると、

I13 = 3.3/66 × I3

 = j41.99

これらより、求める一次電流は、

二次電流及び三次電流の一次側換算値の和になります。

よって、虚部が相殺され、

I1 = 55.98 [A]

数値の近い、[2]が正解です。

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