第三種電気主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
機械 問52
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和2年度(2020年) 機械 問52 (訂正依頼・報告はこちら)
パワー半導体スイッチングデバイスとしては近年、主にIGBTとパワーMOSFETが用いられている。両者を比較した記述として、誤っているものを次の選択肢の中から一つ選べ。
- IGBTは電圧駆動形であり、ゲート・エミッタ間の電圧によってオン・オフを制御する。
- パワーMOSFETは電流駆動形であり、キャリア蓄積効果があることからスイッチング損失が大きい。
- パワーMOSFETはユニポーラデバイスであり、バイポーラ形のデバイスと比べてオン状態の抵抗が高い。
- IGBTはバイポーラトランジスタにパワーMOSFETの特徴を組み合わせることにより、スイッチング特性を改善している。
- パワーMOSFETではシリコンのかわりにSiCを用いることで、高耐圧化をしつつオン状態の抵抗を低くすることが可能になる。
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この過去問の解説 (2件)
01
[1]正しいです。
IGBTは電圧駆動形です。
駆動部分はパワーMOSFETであり、ゲート・エミッタ間の電圧により駆動します。
[2]誤りです。
パワーMOSFETはゲート・エミッタ間の電圧により駆動します。
キャリア蓄積効果は無く、スイッチングの過渡状態に発生する損失は小さくなります。
[3]正しいです。
パワーMOSFETはユニポーラデバイスです。
ユニポーラデバイスの他、バイポーラデバイスがあり、バイポーラデバイスとは電子、正孔といったキャリアを2種持つ素子です。
単一方向ではなく、双方向に電流が流れ、損失が大きくなります。
[4]正しいです。
IGBTは、早いスイッチング、耐高電圧、低オン抵抗、等の特性を持ちます。
[5]正しいです。
シリコンカーバイド(SiC)はシリコン(Si)に比べ、絶縁破壊電界強度が大きく、高耐圧化が実現できます。
よって、正解は[2]です。
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02
正解:【2】
この問題はIGBTとMOSFETの特徴に関する問題です。
IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)は、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタです。
入力部はMOSFETと同じような構造であり、出力部はバイポーラと同じ構造が使われています。その組み合わせによって、低いオン抵抗を実現しながら、比較的早いスイッチング特性を実現できてます。
【1】 IGBTは入力部はMOSFETと同じ構造であるので、電圧駆動のデバイスです。記述は正しいです。
【2】 MOSFETは電流駆動ではなく、電圧駆動です。記述は誤っています。
【3】 MOSFETはユニポーラ構造になっています。低いオン抵抗を持つのは特徴の1つです。記述は正しいです。
【4】 上に記載したように、IGBTはバイポーラとMOSFETの特徴を組み合わせたデバイスです。記述は正しいです。
【5】 Sic(シリコンカーバイド)はシリコン (Si) と炭素 (C) で構成される化合物半導体材料です。シリコンと比べて絶縁破壊電解強度が約10倍高いため、高耐圧を実現できます。MOSFET構造が作れるため低オン抵抗の素子を実現できます。
以上より、選択肢の【2】が誤った記述です。
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