第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和3年度(2021年)
問22 (理論 問22)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和3年度(2021年) 問22(理論 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

発振回路について、次の問に答えよ。

図2は、ある発振回路のトランジスタに接続されている、電極間のリアクタンスを示している。ただし、バイアス回路は省略している。この回路が発振するとき、発振周波数f0[kHz]はどの程度の大きさになるか、最も近いものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。ただし、発振周波数は、図に示されている素子の値のみにより定まるとしてよい。
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この過去問の解説 (3件)

01

トランジスタを用いた発振回路に関する計算問題ですが、実態は共振回路の共振周波数を求める問題です。

この問題は、計算しやすいように閉回路にした上でコンデンサなどの位置を変えることがポイントになります。

問題文にはただし書きとして「バイアス回路は省略」と書いてあるため、全て無視してVoとされている部分を直接繋いで閉回路とします。

選択肢4. 100

冒頭に触れた通り回路図を書き換えるため、コンデンサの合成容量と、コンデンサとインダクタンスの接続関係を分かりやすくしていきます。

まず、トランジスタのどこに接続されているのかを確認していきましょう。

図中の左側にあるコンデンサは、ベースとエミッタに接続されています。これをCBEとします。

同様に、右側にあるコンデンサはコレクタとエミッタに接続されています。これをCCEとします。

さらに、インダクタンスはベースとコレクタに接続されているのでLBEとします。

これを元に、回路図を下図のように書き換えてみると、

コンデンサは直列接続、

コンデンサとインダクタンスは並列接続

であることが分かります。

次に、コンデンサの合成容量を計算します。

 C0 = (CBE×CCE)/(CBE+CCE)

  = {(1×10-6) × (1×10-6)} / {(1×10-6) + (1×10-6)}

  = (1×10-12) / (2×10-6)

  = 0.5×10-6

  = 0.5 [μF]

この回路が発振するためには以下の条件を満たしている必要があります。

回路でのエネルギーの消費がゼロ、もしくは消費分を補完して振動を持続させること

コンデンサとリアクタンスの位相が0であること

ここで、コンデンサとリアクタンスの位相がゼロであることというのが共振回路と同じ条件であることに気付ければ、

並列共振回路の共振周波数を求める公式で求めることができます。

 f0 = 1/(2π×√LC)

  = 1/(2π×√((5×10-6)×(0.5×10-6))

  = 1/(2π×√(2.5×10-6))

  ≒ 1007000[Hz]

  ≒ 100[kHz]

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02

回路が発振する=共振が起こっているということで、コルピッツ発振回路より

「コンデンサ二つの直列接続」とコイルの並列回路の共振条件を求めます。

コンデンサ二つの直列接続の静電容量は

1 × 1/(1 + 1) = 0.5 [μF]

なので共振周波数は

f = 1/(2π√0.5 × 5 × 10-12)

 = 1/9.92 × 106 [Hz]

 ≒ 100.8 [kHz]

よって4が正解です。

参考になった数5

03

トランジスタ発振回路の発振周波数f0[kHz]を求める問題です。

並列交流回路の共振周波数の公式を用いて解いていきたいと思います。

共振周波数を求める公式は以下となります。

・ω0=1/√LC

さらにω=2πfという関係を用いると次のようになります。

・f0=1/2π√LC[Hz]‥①

 

次に回路図より2つの静電容量Cは直列接続してあり、合成静電容量は次の用になります。

・C0=(1×10-6×1×10-6)/(1×10-6+1×10-6)=0.5×10-6=0.5[μF]

※静電容量の値は同じなので単純に1/2と考えることができるから計算を省略することも可能です。

 

上記の結果と問題で与えられている数値を①式に代入します。

・f0=1/2π√5×10-6×0.5×10-6=1/9.93×10-12=0.1007×106=100.7[kHz]

以上の結果より解答に近い値は100[kHz]となります。

選択肢4. 100

こちらが適切な解答となります。

まとめ

指数の計算は間違えやすいので日ごろから自分なりの癖を身につけておくと試験時に優位に働きます。

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