第三種電気主任技術者の過去問
令和3年度(2021年)
電力 問23

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和3年度(2021年) 電力 問23 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、水力発電所の種類に関する記述である。

水力発電所は( ア )を得る方法により分類すると、水路式、ダム式、ダム水路式があり、( イ )の利用方法により分類すると、流込み式、調整池式、貯水池式、揚水式がある。
一般的に、水路式はダム式、ダム水路式に比べ( ウ )。貯水ができないので発生電力の調整には適さない。ダム式発電では、ダムに水を蓄えることで( イ )の調整ができるので、電力需要が大きいときにあわせて運転することができる。
河川の自然の流れをそのまま利用して発電する方式を( エ )発電という。貯水池などを持たない水路式発電所がこれに相当する。
1日又は数日程度の河川流量を調整できる大きさを持つ池を持ち、電力需要が小さいときにその池に蓄え、電力需要が大きいときに放流して発電する方式を( オ )発電という。自然の湖や人工の湖などを用いてもっと長期間の需要変動に応じて河川流量を調整・使用する方式を貯水池式発電という。

上記の記述中の空白箇所( ア )〜( オ )に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
  • ア:落差  イ:流速  ウ:建設期間が長い   エ:調整池式  オ:ダム式
  • ア:流速  イ:落差  ウ:建設期間が短い   エ:調整池式  オ:ダム式
  • ア:落差  イ:流量  ウ:高落差を得にくい  エ:流込み式  オ:揚水式
  • ア:流量  イ:落差  ウ:建設費が高い    エ:流込み式  オ:調整池式
  • ア:落差  イ:流量  ウ:建設費が安い    エ:流込み式  オ:調整池式

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この過去問の解説 (2件)

01

水力発電の落差を得る方法や流量調節による分類に関する問題です。

水力発電とは、高い所に貯めた水を低い所に落とすことで発生する位置エネルギーを利用して、水車を廻して発電をする方法です。

選択肢5. ア:落差  イ:流量  ウ:建設費が安い    エ:流込み式  オ:調整池式

水力発電所は、落差を得る方法と流量の利用方法によって分類することができます。

落差を得る方法での分類

・水路式

川の上流に小さな堤を作り、水を取り込み、水路によって適当な落差が得られるところまで水を導いて発電する方式です。

水路敷設の工事はありますが、ダム建設に比べると建設費は安く、工期は短く済みます。

・ダム式

水を一度貯めてから、発電をする方式です。

ダム建設という大掛かりな工事が必要となるため、建設費は高くなり、工期も長期間となります。

・ダム水路式

ダム式と水路式の両方を利用して発電する方式です。

流量の利用方法での分類

流れ込み式

川の流れをそのまま発電に利用する方式です。

発電量は、その時期の水量に大きく依存します。

調整池式

川の流れを小さな規模のダムに一時的に止め、需要の増加に合わせて発電をする方式です。

この発電方式では、需要の少ない時間帯に水を貯め、需要の多い時間帯に発電をしています。

1日や数日程度の需要と供給の変化に対応することができます。

・貯水池式

調整池よりも規模の大きなダムに水量が豊富な時期に水を貯め、需要が多くなる季節に発電をする方式です。

季節による需要と供給の変化に対応することができます。

しかし、降水量や積雪量などによって発電量の増減が想定されます。

・揚水式

発電所の上下にダムを作り、需要の多い時間帯には発電をし、需要の少ない時間帯に下部のダムから水を汲み上げて、再び発電に利用する方式です。

需要の少ない時間帯にポンプを回して汲み上げることで、余剰電力の吸収にもつながっています。

まとめ

この問題は、水力発電の発電方法や設備の施工などの基礎知識で解くことができますが、前後の文章をよく読み、確実に解答するようにしましょう。

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02

水力発電所の種類・・・水の「落差」をどのように得るか、「流量の利用方法 =(水の使い方)」で分類されます。

水路式は河川の勾配を利用するため、ダムを建設するタイプの方式に比べて、「建設費が安い」という特徴があります。

「流れ込み式発電」・・・河川の流れをそのまま利用する方式です。

「調整池式発電」・・・1週間分程度の発電用水を調整池に溜めて、発電量を調整することができます。

以上より5が正解です。

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