第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和3年度(2021年)
問25 (電力 問25)

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問題

第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和3年度(2021年) 問25(電力 問25) (訂正依頼・報告はこちら)

汽力発電におけるボイラ設備に関する記述として、誤っているものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
  • ボイラを水の循環方式によって分けると、自然循環ボイラ、強制循環ボイラ、貫流ボイラがある。
  • 蒸気ドラム内には汽水分離器が設置されており、蒸発管から送られてくる飽和蒸気と水を分離する。
  • 空気予熱器は、煙道ガスの余熱を燃焼用空気に回収することによって、ボイラ効率を高めるための熱交換器である。
  • 節炭器は、煙道ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱することによって、ボイラ効率を高めるためのものである。
  • 再熱器は、高圧タービンで仕事をした蒸気をボイラに戻して再加熱し、再び高圧タービンで仕事をさせるためのもので、熱効率の向上とタービン翼の腐食防止のために用いられている。

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この過去問の解説 (3件)

01

基本的な原理は、水を何らかの熱エネルギーで沸騰させ、発生した蒸気の力で発電機を回すというものです。

選択肢1. ボイラを水の循環方式によって分けると、自然循環ボイラ、強制循環ボイラ、貫流ボイラがある。

正しいです。

汽力発電で用いられているボイラ設備には、「自然循環ボイラ」「強制循環ボイラ」「貫流ボイラ」の3つがあります。

自然循環ボイラ:水と蒸気の比重差を利用して循環させます。

強制循環ボイラ:基本的な構造は自然循環ボイラと同じで、これに循環ボイラを加えたボイラ設備です。

貫流ボイラ:給水→蒸発管→過熱器へと流れ作業のように進んでいくボイラ設備です。

選択肢2. 蒸気ドラム内には汽水分離器が設置されており、蒸発管から送られてくる飽和蒸気と水を分離する。

正しいです。

蒸気ドラム内には、飽和蒸気と水を分ける汽水分離器があります。

飽和蒸気は過熱器に、水は降水管に、それぞれ送られます。

選択肢3. 空気予熱器は、煙道ガスの余熱を燃焼用空気に回収することによって、ボイラ効率を高めるための熱交換器である。

正しいです。

空気予熱器は煙道ガスの余熱を燃焼用空気に回収し、ボイラ効率を高める働きをしているのが熱交換器です。

選択肢4. 節炭器は、煙道ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱することによって、ボイラ効率を高めるためのものである。

正しいです。

節炭器は煙道ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱することで、ボイラ効率を高めます。

選択肢5. 再熱器は、高圧タービンで仕事をした蒸気をボイラに戻して再加熱し、再び高圧タービンで仕事をさせるためのもので、熱効率の向上とタービン翼の腐食防止のために用いられている。

誤りです。

高圧タービンで仕事をした蒸気が再加熱器を通った後は、中圧タービンに向かいます。

高圧タービンで再び仕事ができる蒸気に戻すと余分なエネルギーが必要となってしまうため、逆に効率が悪くなってしまいます。

まとめ

汽力発電について、設備が複雑なので理解することが大変かと思います。

様々なサイトや教科書を含めた書籍などで、自分が一番理解しやすい略図を探してみると良いでしょう。

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02

1.ボイラは、水の循環方式により、自然循環ボイラ、強制循環ボイラ、還流ボイラに分類されます。

→正しいです。

2.汽水分離機は、水と蒸気を分ける役割を持っています。

→正しいです。

3.空気予熱器は、余熱を回収することでボイラの効率を向上させます。

→正しいです。

4.節炭器は、煙道ガスの余熱を利用してボイラ効率を高めます。

→正しいです。

5.再熱器は高圧タービン出口からの蒸気を再び加熱し、「低圧タービン」に送るものです。

→誤りです。

よって正解は5です。

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03

汽力発電におけるボイラ設備とは、熱エネルギーを水に伝えて湯を沸かし、蒸気を作る設備を言います。

その主な設備は過熱器、再熱器、節炭器(エコノマイザ)、空気予熱器などで構成されています。

この問題ではボイラ設備に関する機能の誤った記述を選択する形となります。各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. ボイラを水の循環方式によって分けると、自然循環ボイラ、強制循環ボイラ、貫流ボイラがある。

汽力発電に用いられる主な循環方式は①自然循環ボイラ②強制循環ボイラ③貫流ボイラなどがあります。よってこの記述は適切です。

選択肢2. 蒸気ドラム内には汽水分離器が設置されており、蒸発管から送られてくる飽和蒸気と水を分離する。

蒸気ドラムとは内部に汽水分離器を設置し、ボイラーの蒸発管から送水される汽水を蒸気と水に分離する役割があります。よってこの記述は適切です。

選択肢3. 空気予熱器は、煙道ガスの余熱を燃焼用空気に回収することによって、ボイラ効率を高めるための熱交換器である。

空気予熱器は熱効率向上のため、煙道を通る燃焼ガスの余熱を利用して燃焼用空気を加熱します。よってこの記述は適切です。

選択肢4. 節炭器は、煙道ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱することによって、ボイラ効率を高めるためのものである。

節炭器は熱効率向上のため、煙道を通る燃焼ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱します。よってこの記述は適切です。

選択肢5. 再熱器は、高圧タービンで仕事をした蒸気をボイラに戻して再加熱し、再び高圧タービンで仕事をさせるためのもので、熱効率の向上とタービン翼の腐食防止のために用いられている。

再熱器は、高圧タービンで仕事をした蒸気をボイラに戻して再加熱し、再び低圧タービンで仕事をさせるためのもので、熱効率の向上とタービン翼の腐食防止のために用いられている。よってこの記述は誤りです。

まとめ

ボイラ設備のサイクルは①燃焼→②空気予熱器(予熱)→③蒸気ドラム(蒸発)→④過熱器(過熱)→⑤節炭器→⑥再熱器となっております。

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