第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和3年度(2021年)
問42 (電力 問42)
問題文
この設問は、(前問)の続きの設問となります。
C点に電流20A、力率0.8(遅れ)の負荷が新設されるとき、変圧器を移動して単相2線式配電線路への接続点をS点からS’点に変更することにより、B点及びC点における線間電圧の値が等しくなるようにしたい。このときのS点からS’点への移動距離の値[km]として、最も近いものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。

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問題
第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和3年度(2021年) 問42(電力 問42) (訂正依頼・報告はこちら)
この設問は、(前問)の続きの設問となります。
C点に電流20A、力率0.8(遅れ)の負荷が新設されるとき、変圧器を移動して単相2線式配電線路への接続点をS点からS’点に変更することにより、B点及びC点における線間電圧の値が等しくなるようにしたい。このときのS点からS’点への移動距離の値[km]として、最も近いものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。

- 0.213
- 0.296
- 0.325
- 0.334
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この過去問の解説 (3件)
01
C点の電圧降下を求めるために、S'-Cの距離をL[km]と置きます。
e = 2I(Rcosφ + Xsinφ)
= 2 × 20 × (0.3 × L × 0.8 + 0.4 × L × 0.6)
= 40 × 0.48 × L [V] ・・・①
一方S'-Aの電圧降下は
2 × 20 × 0.3 × (0.7 − L + 0.2)
= 40 × 0.3 × (0.9 −L) [V]
A-B間の電圧降下は
2 × 5 × 0.3 × 0.3 × 1 = 0.9 [V](変わらず)
よってS'-Bの電圧降下は
40 × 0.3 × (0.9 − L) + 0.9 [V] ・・・②
①と②が等しいので
① = ②を解くと、L = 0.375 [km]
SからS'への移動距離は
0.7 − 0.375 = 0.325 [km] となります。
よって3が正解です。
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02
求める解答であるS'-S間の長さをLとおきます。
S'-S間の電圧降下の大きさは
2 × 20(0.3×L) = 12L [V]
よってS'-B間の電圧降下の大きさは、前問で求めたS-B間の電圧降下3.3Vを加えて
12L+3.3V
となります。
次にS'-C間の電圧降下を求めます。
電流は20A、S'-C間の長さは0.7 − L [m]、問題文よりcosθ = 0.8なので、sinθ=0.6
これらを電圧降下を求める式に代入すると
2 × 20 × { 0.3 × (0.7 − L) × 0.8 + 0.4 × (0.7 − L) × 0.6 } = 13.44 − 19.2L
となります。
B点及びC点における線間電圧の値が等しくなるには、両点での電圧降下の値が等しくなればよいので
12L + 3.3V = 13.44 − 19.2L
より、
L = 0.325
となります。
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03
単相2線式電線路において、変圧器を移動した距離を求める計算問題です。
◆S'-A間、A-B間の抵抗とリアクタンスを求めます
R'SA=0.3(0.2+ΔS)[Ω]
X'SA=0.4(0.2+ΔS)[Ω]
RAB=0.09[Ω]
XAB=0.12[Ω]
※RABとXABは前問より引用
◆S'-B間の電圧降下の式を導出します
ε'SB=2(IA+IB)(R'SAcosθ+X'SAsinθ)+2IB(RABcosθ+XABsinθ)
=2✕(15+5)✕0.3✕(0.2+ΔS)✕1+2✕5✕0.09
=2✕20✕0.3(0.2+ΔS)+0.9
=12(0.2+ΔS)+0.9
=2.4+12ΔS+0.9
=3.3+12ΔS[V]
※cosθ=1の時、sinθ=0
◆S'-C間の抵抗とリアクタンスを求めます
R'SC=0.3(0.7-ΔS)[Ω]
X'SC=0.4(0.7-ΔS)[Ω]
◆S'-C間の電圧降下の式を導出します
ε'SC=2IC(R'SAcosθ'+X'SAsinθ')
=2✕20{0.3(0.7-ΔS)✕0.8+0.4(0.7-ΔS)✕0.6}
=40{0.24(0.7-ΔS)+0.24(0.7-ΔS)}
=40(0.24+0.24)(0.7-ΔS)
=40✕0.48(0.7-ΔS)
=13.44-19.2ΔS[V]
※cosθ'=0.8の時、sinθ'=0.6
◆変圧器の移動距離ΔSを求めます
問題文よりε'SB=ε'SCが成立するので、
ε'SB=ε'SC
3.3+12ΔS=13.44-19.2ΔS
19.2ΔS+12ΔS=13.44-3.3
31.2ΔS=10.14
ΔS=10.14/31.2
=0.325[km]
となります。
この問題ではsinθ=0になる項が含まれており、リアクタンス分の計算が不要な部分が出てきます。
ここでは、考え方を解説するために順を追って計算しているので、不要だと感じた部分は飛ばしてください。
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