第三種電気主任技術者の過去問
令和3年度(2021年)
機械 問55
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和3年度(2021年) 機械 問55 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章は、図に示す抵抗R、並びにキャパシタCで構成された一次遅れ要素に関する記述である。
図の回路において、入力電圧に対する出力電圧を、一次遅れ要素の周波数伝達関数として表したとき、折れ点角周波数 ωC は( ア )rad/sである。ゲイン特性は、 ωC よりも十分低い角周波数ではほぼ一定の( イ )dBであり、 ωC よりも十分高い角周波数では、角周波数が10倍になるごとに( ウ )dB減少する直線となる。また、位相特性は、 ωC よりも十分高い角周波数でほぼ一定の( エ )° の遅れとなる。
上記の記述中の空白箇所( ア )〜( エ )に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
図の回路において、入力電圧に対する出力電圧を、一次遅れ要素の周波数伝達関数として表したとき、折れ点角周波数 ωC は( ア )rad/sである。ゲイン特性は、 ωC よりも十分低い角周波数ではほぼ一定の( イ )dBであり、 ωC よりも十分高い角周波数では、角周波数が10倍になるごとに( ウ )dB減少する直線となる。また、位相特性は、 ωC よりも十分高い角周波数でほぼ一定の( エ )° の遅れとなる。
上記の記述中の空白箇所( ア )〜( エ )に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
- ア:100 イ:20 ウ:10 エ:45
- ア:100 イ: 0 ウ:20 エ:90
- ア:100 イ: 0 ウ:20 エ:45
- ア:0.01 イ: 0 ウ:10 エ:90
- ア:0.01 イ:20 ウ:20 エ:45
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この過去問の解説 (2件)
01
折れ点周波数ωCは、時定数τの逆数で表されます。
τ = RC、RC = 10 × 0.001 なので、
ωC = 1/0.01 = 100
よってアは100となります。
次に、入力電圧に対する出力電圧である周波数伝達関数G(jω)と、ゲイン特性gを求めます。
入力電圧をvi(jω)とすると、出力電圧vo(jω)は、
vo(jω) = vi(jω) ×{1/(jωCR + 1)}
となるので、周波数伝達関数G(jω)は、
G(jω)=vo/vi=1/(1+jωCR)
となります。
ゲイン特性gは、20log10|G(jω)|で表されるので、
g=20log10|{1/(1 + jωCR)}|
となり、絶対値を外して整理すると、
g = 20log10 1 − 20log10{12+(ωCR)2}1/2
=−20log10{12+(ωCR)2}1/2
=−10log10{1+(ωCR)2}
となります。
ここで、ωが十分に小さい(≒ 0)とき、ゲイン特性は
g = −10log101 = 0
なので、イは0となります。
次に、ωが十分に大きい(≒∞)とき、
g = −10log10(ωCR)2
= −20log10(ωCR)
となり、角周波数ωが10倍になれば、
g = −20log10(10ωCR)
= −20log1010 − 20log10(ωCR)
= −20 − 20log10(ωCR)
となることから、角周波数が10倍になるごとに20dB減ることが分かります。
よってウは20となります。
位相θは、
θ = tan-1(ωCR)
で求めることができます。
ここで、ωが十分に大きいと、θは−∞に近づきます。
tanθ = −∞のとき、θ = −90°なので、エは90となります。
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02
一次遅れ要素に関する問題です。
制御動作において,入力信号から出力信号が発生した時,出力信号の位相が入力信号の位相よりも遅れる場合,これを遅れ要素と呼びます。
◆問題文中の伝達関数について
*W(jω)= E0(jω)/Ei(jω) = 1/1 + jωCR となります。
(ア)折れ点角周波数ωc[rad/s]について
*ωc = 1/T = 1/CR = 1/(10×0.001) = 100[rad/s]
(イ)ゲイン特性 ωc[rad/s]より十分低い角周波数➡ ω = 0 の場合
*G = 20log101 − 10log10 (1 + (ωT)2) = 20log101 − 10log10 (1 + (0×T)2) = 0[dB]
(ウ)ゲイン特性 ωc[rad/s]より十分高い角周波数➡ ( 1+(ωT)2 ) の1省略の場合
*G = 20log101 − 10log10 (1 + (ωT)2) = 20log101 − 10log10 ( (ωT)2 )
= −20log10ωT[dB]となります。
このうち,ωが10倍となると,
* −20(log1010 + log10ωT) となり,20[dB]の減少となります。
(エ)位相特性について
*W(jw) = 1/1 + jωCR より cosθ=1/√12+(ωCR)2 ≒ 1/ωCR = 1/ωT
ここで ωT = ∞ となりますので,cosθ = 0 より、θ = cos-10 = 90° となります。
図の回路において、入力電圧に対する出力電圧を、一次遅れ要素の周波数伝達関数として表したとき、折れ点角周波数 ωC は( ア.100 )rad/sである。ゲイン特性は、 ωC よりも十分低い角周波数ではほぼ一定の( イ.0 )dBであり、 ωC よりも十分高い角周波数では、角周波数が10倍になるごとに( ウ.20 )dB減少する直線となる。また、位相特性は、 ωC よりも十分高い角周波数でほぼ一定の( エ.90 )° の遅れとなる。
こちらが正解です。
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