第三種電気主任技術者の過去問
令和3年度(2021年)
機械 問59
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和3年度(2021年) 機械 問59 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章は、単相半波ダイオード整流回路に関する記述である。
抵抗RとリアクトルLとを直列接続した負荷に電力を供給する単相半波ダイオード整流回路を図1に示す。また図1に示した回路の交流電源の電圧波形 v(t) を破線で、抵抗Rの電圧波形 vR(t) を実線で図2に示す。ただし、ダイオードDの電圧降下及びリアクトルLの抵抗は無視する。次の問に答えよ。
以下の記述中の空白箇所( ア )〜( エ )に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
図1の電源電圧 v(t) > 0 の期間においてダイオードDは順方向バイアスとなり導通する。 v(t) と vR(t) が等しくなる電源電圧 v(t) の位相を ωt = θm とすると出力電流 id(t) が増加する電源電圧の位相 ωt が 0 < ωt < θm の期間においては( ア )、 ωt = θm 以降については( イ )となる。出力電流 id(t) は電源電圧 v(t) が負となっても v(t) = 0 の点よりも ωt = β に相当する時間だけ長く流れ続ける。すなわち、Lの磁気エネルギーが( ウ )となる ωt = π + β で出力電流 id(t) が 0 となる。出力電圧 vd(t) の平均値 Vd は電源電圧 v(t) を 0 〜( エ )の区間で積分して一周期である 2π で除して計算でき、このときLの電圧 vL(t) を同区間で積分すれば 0 となるので、 Vd は抵抗Rの電圧 vR(t) の平均値 VR に等しくなる。
抵抗RとリアクトルLとを直列接続した負荷に電力を供給する単相半波ダイオード整流回路を図1に示す。また図1に示した回路の交流電源の電圧波形 v(t) を破線で、抵抗Rの電圧波形 vR(t) を実線で図2に示す。ただし、ダイオードDの電圧降下及びリアクトルLの抵抗は無視する。次の問に答えよ。
以下の記述中の空白箇所( ア )〜( エ )に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
図1の電源電圧 v(t) > 0 の期間においてダイオードDは順方向バイアスとなり導通する。 v(t) と vR(t) が等しくなる電源電圧 v(t) の位相を ωt = θm とすると出力電流 id(t) が増加する電源電圧の位相 ωt が 0 < ωt < θm の期間においては( ア )、 ωt = θm 以降については( イ )となる。出力電流 id(t) は電源電圧 v(t) が負となっても v(t) = 0 の点よりも ωt = β に相当する時間だけ長く流れ続ける。すなわち、Lの磁気エネルギーが( ウ )となる ωt = π + β で出力電流 id(t) が 0 となる。出力電圧 vd(t) の平均値 Vd は電源電圧 v(t) を 0 〜( エ )の区間で積分して一周期である 2π で除して計算でき、このときLの電圧 vL(t) を同区間で積分すれば 0 となるので、 Vd は抵抗Rの電圧 vR(t) の平均値 VR に等しくなる。
- ア: vL(t) > 0 イ:vL(t) < 0 ウ: 0 エ:π + β
- ア: vL(t) < 0 イ:vL(t) > 0 ウ: 0 エ:π + β
- ア: vL(t) > 0 イ:vL(t) < 0 ウ:最大 エ:π + β
- ア: vL(t) < 0 イ:vL(t) > 0 ウ:最大 エ: β
- ア: vL(t) > 0 イ:vL(t) < 0 ウ: 0 エ: β
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は「1」です。
単相半波ダイオード整流回路に関する問題です。
交流を直流に変換することを整流と呼びます。
その中で単相半波というのは,単相の交流電源で抵抗の電圧が正の向きのときだけ出力する回路になります。
ア:vL(t) > 0
・0 < ωt < θm では電圧は正方向であり,ダイオードを通してLに電流が流れます。
よって,0 < ωt < θm間ではLがエネルギーを溜めるため,vL(t) > 0となります。
イ:vL(t) < 0
・ωt = θm 以降については,電源電圧に対しLに蓄えられたエネルギー(電圧・電流)が大きくなり,エネルギーが放出されるため,vL(t) < 0となります。
ウ:0
・ωt = π で電源電圧が0となりますが,Lに蓄えられたエネルギーがあり,ωt = π + βの位置で放電が完了し,Lのエネルギーが0となります。
エ:π + β
・出力電圧 vd(t)の平均値 Vd は,導通している間の電源電圧 v(t) の平均値となるため, 0~π+β の区間で積分し,一周期である2πで除して計算できます。
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02
ア vRとvLを合わせるとvになります。(v = vR + vL)
ωt が 0 < ωt < θm の期間においては、vのほうがvRよりも大きいのでvLは正の値になります。
よって空欄には【 vL(t) > 0 】が入ります。
イ vRとvLを合わせるとvになります。(v = vR + vL)
ωt = θm 以降については、vのほうがvRよりも小さいのでvLは負の値になります。
よって空欄には【 vL(t) < 0 】が入ります。
ウ 電源電圧が負になると、ダイオードが導通しなくなるので電源からの供給はなくなりますが、しばらくはリアクトルが電流をが流します。
これはリアクトルの磁気エネルギーが0になるまで続きます。
よって空欄には【 0 】が入ります。
エ 出力電圧 vd(t) の平均値 Vd は、図2のvR(t)が正の値をとる期間0~π+βの区間で積分して一周期2πで除せば計算できます。
よって空欄には【 π + β 】が入ります。
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