第三種電気主任技術者の過去問
令和3年度(2021年)
機械 問61

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和3年度(2021年) 機械 問61 (訂正依頼・報告はこちら)

熱の伝わり方について、次の問に答えよ。

( ア )は、熱媒体を必要とせず、真空中でも熱を伝達する。高温側で温度T2[K]の面S2[m2]と、低温側で温度T1[K]の面S1[m2]が向かい合う場合の熱流 Φ[W]は、S2F21σ( イ )で与えられる。
ただし、F21 は、( ウ )である。またσ[W/(m2・K4)]は、( エ )定数である。

上記の記述中の空白箇所( ア )〜( エ )に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)

01

「熱媒体を必要とせず、真空中でも熱を伝達する」のは熱放射です。

熱放射では離れた物体間で熱移動が行われますが、熱の正体は電磁波であり、真空中も透過していきます。

この熱放射の式は「黒体の放射輝度および放射発散度が、絶対温度の4乗に比例する」というステファン・ボルツマンの法則で表すことができます。

ステファン・ボルツマンの法則を表す式はいくつかありますが、

ここでは高温側の温度をT2 [K]・面積をS2 [m2]、低温側の温度をT1[K]・面積をS1[m2]とし、

向かい合う場合の熱流Φ[W]と与えられているので式は、以下のようになります。

 Φ = SF21σT4

  = S2F21σ(T24-T14)

この問題に合わせた式に変形している仮定で、熱流の変化要因にS2[m2]としているのは、変化に影響を与えるのが高温側であるためです。

温度については2つの物体の温度差が熱流に影響するので(T24-T14)と温度差を求める式に変形しています。

F21は形態係数といい、熱をやり取りする2つの面の間の幾何学的位置関係を表しています。

σはステファン・ボルツマン定数といい、その値はおよそ5.67×10−8[W/(m2・K4)]となっています。

まとめ

この内容について正しく理解しようとすると、難しい物理学の書籍を紐解いてようやくといった内容です。

なので、過去問に出題された似たような問題をいくつか解いてみて、問題の方向性を掴むようにすると良いかもしれません。

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02

正解は「3」です。

熱の伝わり方に関する問題です。

形態係数について

放射熱を伝える物体2つの面の位置関係や面の大きさ・形状などによって決まる係数の事です。

ステファン・ボルツマンの法則について

単位時間当たりに放射される電磁波のエネルギーEbが,その黒体の表面温度Tの4乗に比例するという物理法則の事です。

( ア:熱放射 )は、熱媒体を必要とせず、真空中でも熱を伝達する。高温側で温度T2[K]の面S2[m2]と、低温側で温度T1[K]の面S1[m2]が向かい合う場合の熱流 Φ[W]は、S2F21σ( イ:T24−T14 )で与えられる。

ただし、F21 は、( ウ:形態係数 )である。またσ[W/(m2・K4)]は、( エ:ステファン・ボルツマン )定数である。

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