第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
令和3年度(2021年)
問62 (機械 問62)
問題文
下面温度が350K、上面温度が270Kに保たれている直径1m、高さ0.1mの円柱がある。伝導によって円柱の高さ方向に流れる熱流 Φ の値[W]として、最も近いものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
ただし、円柱の熱伝導率は 0.26 W/(m・K) とする。また、円柱側面からのその他の熱の伝達及び損失はないものとする。
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問題
第三種電気主任技術者(電験三種)試験 令和3年度(2021年) 問62(機械 問62) (訂正依頼・報告はこちら)
下面温度が350K、上面温度が270Kに保たれている直径1m、高さ0.1mの円柱がある。伝導によって円柱の高さ方向に流れる熱流 Φ の値[W]として、最も近いものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
ただし、円柱の熱伝導率は 0.26 W/(m・K) とする。また、円柱側面からのその他の熱の伝達及び損失はないものとする。
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この過去問の解説 (3件)
01
熱力学における抵抗とオームの法則に関する計算問題です。
熱力学における抵抗とオームの法則は、以下のとおりです。
熱力学における抵抗(熱抵抗)Rは、物体の長さをL、熱伝導率をλ、断面積をSとすると
R = L/λS
で表すことができます。
この形は、電気抵抗を抵抗率などから求める公式と全く同じになっています。
同様にして熱力学におけるオームの法則は、熱流をΦ、温度差をθ、熱抵抗をRとすると
Φ = θ/R
で表すことができます。
これも電気のオームの法則と全く同じ形になっています。
熱流が電流、温度差が電圧(電位差)と置き換えることができます。
これを踏まえて問題を解いていきます。
まず、物体の断面積を求めます。
S = π×r2 = π×(D/2)2
= π×0.25
≒ 0.785 [m2]
次に、熱抵抗Rを求めます。
R = L/λS
= 0.1/(0.26×0.785)
≒ 0.490 [K/W]
最後に、熱力学のオームの法則を用いて熱流Φを求めます。
Φ = θ/R
= (350-270)/0.490
= 80/0.490
≒ 163 [W]
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02
正解は「3」です。
熱の伝わり方に関する問題です。
◆熱抵抗R[k/W]について
高さL[m],熱伝導率λ[W/(m・K)],面積 A[m2]を以下の式に代入します。
*R = L / λ・A
=0.1 / 0.26 × π × (1/2)2 = 0.489[k/W] ・・・①
◆熱流Φ[W]
①および温度差θ[K]を以下の式に代入します。
*Φ = θ/R
= (350 − 270) / 0.489 = 163[W]
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03
熱の伝わり方に関する計算問題となります。
熱伝導における熱流 Φ[W]を求める公式は次のようになります。
・Φ[W]=λA(T2-T1)/ℓ‥①
※λ:熱伝導率[W/(m・K)]、A:断面積[㎡]、T:温度[K]、ℓ:長さ[m]
上記①式に問題で与えられている数値を代入すれば求める事ができますが、まずは未知数である円柱の面積を求めます。
・A=πr2=π×0.52=0.785
①式を用いて熱流 Φを求めます。
・Φ=0.26×0.785×(350-270)/0.1=163.28≒163[W]
以上となります。
こちらが適切な解答となります。
熱回路の考え方は電気回路と似ており、温度差T[K]は電位差V[V]、熱流Φ[W]は電流I[A]、熱伝導率λ[W/(m・K)]は導電率[S/m]と置き換える事ができます。
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