第三種電気主任技術者の過去問
令和3年度(2021年)
法規 問74
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和3年度(2021年) 法規 問74 (訂正依頼・報告はこちら)
次の a)〜 e)の文章は、図の高圧受電設備における保護協調に関する記述である。
これらの文章の内容について、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
a) 受電設備内(図中A点)において短絡事故が発生した場合、VCB(真空遮断器)が、一般送配電事業者の配電用変電所の送り出し遮断器よりも早く動作するようにOCR(過電流継電器)の整定値を決定した。
b) TR2(変圧器)の低圧側で、かつMCCB2(配線用遮断器)の電源側(図中B点)で短絡事故が発生した場合、VCB(真空遮断器)が動作するよりも早くLBS2(負荷開閉器)のPF2(電力ヒューズ)が溶断するように設計した。
c) 低圧のMCCB2(配線用遮断器)の負荷側(図中C点)で短絡事故が発生した場合、MCCB2(配線用遮断器)が動作するよりも先にLBS2(負荷開閉器)のPF2(電力ヒューズ)が溶断しないように設計した。
d) SC(高圧コンデンサ)の端子間(図中D点)で短絡事故が発生した場合、VCB(真空遮断器)が動作するよりも早くLBS3(負荷開閉器)のPF3(電力ヒューズ)が溶断するように設計した。
e) GR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器)は、高圧引込ケーブルで1線地絡事故が発生した場合であっても動作しないように設計した。
これらの文章の内容について、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
a) 受電設備内(図中A点)において短絡事故が発生した場合、VCB(真空遮断器)が、一般送配電事業者の配電用変電所の送り出し遮断器よりも早く動作するようにOCR(過電流継電器)の整定値を決定した。
b) TR2(変圧器)の低圧側で、かつMCCB2(配線用遮断器)の電源側(図中B点)で短絡事故が発生した場合、VCB(真空遮断器)が動作するよりも早くLBS2(負荷開閉器)のPF2(電力ヒューズ)が溶断するように設計した。
c) 低圧のMCCB2(配線用遮断器)の負荷側(図中C点)で短絡事故が発生した場合、MCCB2(配線用遮断器)が動作するよりも先にLBS2(負荷開閉器)のPF2(電力ヒューズ)が溶断しないように設計した。
d) SC(高圧コンデンサ)の端子間(図中D点)で短絡事故が発生した場合、VCB(真空遮断器)が動作するよりも早くLBS3(負荷開閉器)のPF3(電力ヒューズ)が溶断するように設計した。
e) GR付PAS(地絡継電装置付高圧交流負荷開閉器)は、高圧引込ケーブルで1線地絡事故が発生した場合であっても動作しないように設計した。
- a:適切 b:適切 c:適切 d:適切 e:不適切
- a:不適切 b:不適切 c:適切 d:不適切 e:適切
- a:適切 b:適切 c:不適切 d:不適切 e:不適切
- a:適切 b:不適切 c:適切 d:適切 e:適切
- a:不適切 b:適切 c:不適切 d:不適切 e:不適切
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この過去問の解説 (2件)
01
高圧受電設備における保護協調に関する問題です。
a)適切です。
短絡事故点A点から見て、最も近くにある上位の遮断器はVCBです。
そのため、VCBより上位にある遮断器の中でVCBが一番早く動作するようにOCRを設定する必要があります。
b)適切です。
短絡事故点B点から見て、最も近くにある上位の遮断器はLBS2のヒューズPF2です。
c)適切です。
問題文に惑わされないよう注意しましょう。
短絡事故点CはMCCB2よりも下位側となっているので、先に動作するのはMCCB2です。
PF2がMCCB2より先に溶断してはいけません。
d)適切です。
短絡事故点D点から見て、最も近くにある上位の遮断器はLBS3のヒューズPF3です。
よって、VBCよりPF3が先に溶断するよう設計する必要があります。
e)不適切です。
高圧引込ケーブルから見て、最も近くにある上位の遮断器はGR付きPASです。
高圧引込ケーブルで短絡事故が起こった場合、GR付きPASの遮断器を動作させる必要があります。
こちらが正解です。
この問題には、GR付きPASなど略称が多数出てきます。
それぞれの機器について役割を理解しておくことに超したことはありませんが、与えられた図からでも適切か不適切かを判断することは可能です。
ポイントは
・遮断器がどこにあるか
・事故点がどこか
・事故点の直上で遮断する
の3点です。
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02
正解は「1」です。
保護協調に関する問題です。
◆保護協調について
・事故範囲の最小化および迅速な除去を目的として,各種遮断器の動作範囲を制定する必要があります。
a.適切
・A点は受電設備構内での事故になりますので,構外=系統側に事故を波及させてはいけません。よって,構内側のVCBを先に動作させるようにOCR整定値を決めます。
b.適切
・事故点がTR2の低圧側で,先にVCBが遮断すると,事故は解消されますがTR1およびSCが不要停止しますので,先にLBS2のPF2が溶断するように設計します。
c.適切
・事故点がMCCB2の負荷側で,先にLBS2のPF2が溶断すると,事故は解消されますがTR2に接続されている負荷の全てが不要停止しますので,先にMCCB2以降を切離せるように設計します。
d.適切
・事故点がSC-LBS3間で,先にVCBが遮断すると,事故は解消されますがTR1およびTR2が不要停止しますので,先にLBS3のPF3が溶断するように設計します。
e.不適切
・GR付PASは1線地絡事故時にGRが動作し,PASが遮断するようにしておく必要があります。2線および3線地絡事故は,接地にて短絡状態となりOCRが動作します。
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