第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)上期
理論 問13
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問題
第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)上期 理論 問13 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章は、図1の回路の動作について述べたものである。
図1は、演算増幅器(オペアンプ)を用いたシュミットトリガ回路である。この演算増幅器には+5Vの単電源が供給されており、0Vから5Vまでの範囲の電圧を出力できるものとする。
・出力電圧voutは0~5Vの間にあるため、演算増幅器の非反転入力の電圧v+[V]は( ア )の間にある。
・入力電圧vinを0Vから徐々に増加させると、vinが( イ )Vを上回った瞬間、voutは5Vから0Vに変化する。
・入力電圧vinを5Vから徐々に減少させると、vinが( ウ )Vを下回った瞬間、voutは0Vから5Vに変化する。
・入力vinに対する出力voutの変化を描くと、図2のような( エ )を示す特性となる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
図1は、演算増幅器(オペアンプ)を用いたシュミットトリガ回路である。この演算増幅器には+5Vの単電源が供給されており、0Vから5Vまでの範囲の電圧を出力できるものとする。
・出力電圧voutは0~5Vの間にあるため、演算増幅器の非反転入力の電圧v+[V]は( ア )の間にある。
・入力電圧vinを0Vから徐々に増加させると、vinが( イ )Vを上回った瞬間、voutは5Vから0Vに変化する。
・入力電圧vinを5Vから徐々に減少させると、vinが( ウ )Vを下回った瞬間、voutは0Vから5Vに変化する。
・入力vinに対する出力voutの変化を描くと、図2のような( エ )を示す特性となる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
- ア:1.25~3.75 イ:3.75 ウ:1.25 エ:位相遅れ
- ア:1.25~3.75 イ:1.25 ウ:3.75 エ:ヒステリシス
- ア:2~3 イ:2 ウ:3 エ:ヒステリシス
- ア:2~3 イ:2.75 ウ:2.25 エ:位相遅れ
- ア:2~3 イ:3 ウ:2 エ:ヒステリシス
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この過去問の解説 (3件)
01
演算増幅器を用いた反転シュミットトリガ回路に関する計算問題です。
この問題から分かる条件と、計算の都合上の前提条件を整理します。
・演算増幅器にはE=+5[V]の単電源が供給されており、
0~5[V]の範囲で電圧を出力可能
・演算増幅器の+と-はイマジナリーショートとします。
以上のことを踏まえて、問題を考えていきます。
◆Vout = 5[V]の時のV+を求めます。
Vout = 5 [V]の時の回路を簡略化すると、図3のようになります。
・並列接続部分の合成抵抗を求めます。
(10×103×20×103)/(10×103+20×103)
= 200×103/30×103
= (20/3)×103
= 20/3 [kΩ]
・分圧の法則よりV+を求めます
V+= {10×103/(10+20/3)×103} × 5
= {10/((30+20)/3)} × 5
= 50/(50/3)
= 3 [V]
◆Vout = 0[V]の時のV+を求めます。
Vout = 0[V]の時の回路を簡略化すると、図4のようになります。
・並列接続部分の合成抵抗を求めます。
10[kΩ]と20[kΩ]の並列接続なので、先に計算した通り
20/3 [kΩ]
となります。
・分圧の法則よりV+を求めます。
V+= {(20/3)×103/(10+20/3)×103} × 5
= {(20/3)/((30+20)/3} × 5
= 100/50
= 2 [V]
以上のことから、問題文にある空欄を以下のように埋めることができます。
(ア) 2~3
(イ) 3
(ウ) 2
また、図2のような軌跡を描く特性を(エ) ヒステリシス特性といいます。
この問題は、どこから手を着けていいのか分かりにくい問題です。
このような手の着け所が分からない問題は、
入出力の何れかを問題の範囲内での極限の値で計算をすることから始めるのがポイントです。
(この解説では、Voutを0[V]と5[V]として計算をしています。)
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02
入力電圧に対する閾値を2つ設定し、閾値を超過したか否かで出力電圧が変化する回路をシュミットトリガ回路といいます。
また、入力電圧が2つの閾値の間にある場合は、直前の状態を維持します。
オペアンプ内には電流が流れないので、図1の回路は、
・「E=5Vの電源と10kΩの抵抗が直結した電路」
・「出力電圧voutと20kΩの抵抗が直結した電路」
・「10kΩの抵抗のみの電路」
以上の3つによる並列回路と等価であると考えられます。
ここでミルマンの定理を用いて計算すると、
v+ = {(5/(10×103))+(vout/(20×103))+(0/(10×103))} / {(1/(10×103))+(1/(20×103))+(1/(10×103))}
vout = 0[V]のとき、v+ = 3[V]
vout = 5[V]のとき、v+ = 2[V]
v+は2〜3[V]となり、これらが閾値に相当します。
図2の関係図を確認すると、
入力電圧が0[V]のとき出力電圧は最大の5[V]、
入力電圧が5[V]のとき出力電圧は0[V]になることが分かります。
これらを踏まえ、
vinを0[V]から徐々に増加させると、最初の閾値である3[V]を上回った瞬間、voutは5[V]から0[V]になります。
(vin = 0[V]の時点ではvout = 5[V]であるため、vin = 2〜3[V]の段階ではvoutも5[V]を維持します。)
vinを5[V]から徐々に減少させると、2[V]を下回った瞬間、voutは0[V]から5[V]になります。
(vin = 5[V]の時点ではvout = 0[V]であるため、vin = 2〜3[V]の段階ではvoutも0[V]を維持します。)
vinに対するvoutの変化を描いたものをヒステリシスといいます。
したがって、「ア:2~3 イ:3 ウ:2 エ:ヒステリシス」が正解です。
こちらが正しいです。
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03
理論 R4上 問13
シュミットトリガとは閾値が二つあるトリガです。
エアコンの温度センサなどは閾値が一つでも問題ありませんが
部屋の照明などが閾値付近でノイズなどによって照明が点滅すると目に悪いです。そう言う時の対策に使う物です。
理想的なオペアンプは入力インピーダンスが無限で出力から無限の電流を供給できる素子です。
図1.aはミルマンの定理を使うために作成しました。
v+=(0.5+出力/20)*4
出力=5のとき
v+=(0.5+5/20)*4
=3
出力=0のとき
v+=(0.5+0/20)*4
=2
したがってv+は2(V)から3(V)の間になります。
閾値は2(V),3(V)です。
図2より
vinが3(V)を上回ると出力は0(V)になり
vinが2(V)を上回ると出力は5(V)になります。
図2のような特性をヒステリシス言います。
ヒステリシスとはWikipedia(ウィキペディア)によると
「加える力を最初の状態のときと同じに戻しても、状態が完全には戻らないこと」です。
こちらが正答です。
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