第三種電気主任技術者の過去問
令和4年度(2022年)上期
電力 問3

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和4年度(2022年)上期 電力 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

ある汽力発電設備が、発電機出力19MWで運転している。このとき、蒸気タービン入口における蒸気の比エンタルピーが3550kJ/kg、復水器入口における蒸気の比エンタルピーが2500kJ/kg、使用蒸気量が80t/hであった。発電機効率が95%であるとすると、タービン効率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (3件)

01

電力 R4上 問3

ランキンサイクルの問題です。

タービン入口のエンタルピー:h1=3550[kJ/kg]

タービン出口(復水器入口)のエンタルピー:h2=2500[kJ/kg]

タービンで消費されるエンタルピーhは

h = h1−h2 = 3550-2500 = 1050[kJ/kg]

タービン入口の仕事率Wiは

Wi=h×80[t/h]×103 × 3600

=1050[kJ/kg] × 80×103 / 3600[kg/s]

≒23333[kW]

≒23.3[MW]

タービン出口の仕事率Woは

発電機効率:ηG=95[%]

発電機出力:PG=19[MW]

Wo = PG / ηG

= 19 / 0.95 = 20[MW]

タービン効率ηT[%]は

ηT = Wo / Wi

=20 / 23.3

≒ 0.858

≒ 86%

選択肢4. 86

正答です。

まとめ

タービン効率と似た言葉にタービン室効率と言うのがあります。

違うものなので気を付けてください。

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02

汽力発電設備のタービン効率に関する計算問題です。

計算に必要な値は以下の通りです。

単位の換算に、十分注意をしてください。

 使用蒸気量:GS=80[t/h]=80×103/3600[kg/s]

 蒸気タービン入口の蒸気エンタルピー:h1=3550[kJ/kg]

 復水器入口における蒸気エンタルピー:h2=2500[kJ/kg]

 発電機効率:ηG=95[%]

 発電機出力:PG=19[MW]=19×103[kW]

 タービン効率:ηT[%]

この問題では、発電機出力の公式を変形して、タービン効率を求めていきます。

選択肢4. 86

発電機出力の公式は

 PG= GS(h1−h2)×ηT×ηG

です。

この式を変形して、タービン効率を求めます。

 ηT = PG/{(GS(h1-h2)×ηG)}

  = 19×103/{(80×103/3600)(3550-2500)×0.95}

  ≒ 0.857

  ≒ 86 [%]

単位で式が合っているかを確認

 PG = GS(h1−h2)×ηT×ηG

 [kW] = [kg/s]×[kJ/kg]

(※ηTとηGは、効率のため省略)

[W]は[J/s]で表すことができるので、

 [kJ/s] = [kg/s] × [kJ/kg]

となり、

単位の観点からも式が成立することが分かりました。

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03

タービン効率ηT[%]は、

 ηT = {(蒸気タービンの出力熱量)/(蒸気タービンでの消費熱量)}×100

で求めることが出来ます。

蒸気タービン入口における蒸気の比エンタルピーが3550[kJ/kg]、復水器入口における蒸気の比エンタルピーが2500[kJ/kg]であるので、蒸気タービンでは、その差1050[kJ/kg]が消費されたことが分かります。

発電機効率をηG、タービン出力をPTとし、さらに使用蒸気量80[t/h]をかけて単位を合わせると、

 ηT = {(PT×3600)/((3550−2500)×80×103)}×100

タービン出力PTは、

 PT = PGG

  = (19×103)/0.95

  = 20×103[kJ]

と求めることができます。

これを代入すれば、

 ηT = {(20×103×3600)/((3550-2500)×80×103)}×100

  ≒ 86

よって、タービン効率は 86 [%] になります。

選択肢4. 86

こちらが正しいです。

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